ダンジョンで生計を立てる
ダンジョンで生計を立てる
ダンジョンは無限の資源を生み出す、町の資産である。そんなことは昔から言われていたが、しかしベッドするもの、探索し宝を持ち狩る冒険者にとって全くのデメリットがないわけではない。そう自らの命を懸けるのだ。低い階層で安定して稼ぐこともできる。しかし一階下に降りただけで死亡ということも珍しくない。無限ではあるがデメリットもでかい。それがダンジョンとしての認識だった。
しかし、ある学者はあることに気が付いた。
「(死んだ冒険者のマナを使って宝を生み出しているのでゃ?)」
ダンジョンの中には宝で人を吊ってそのままぱくりとするモンスターがいる。ミミックというモンスターだが、このモンスターは食べた人間のマナで姿かたちを様々に変化させるのだ。
そう、それはそのまま、ダンジョンという施設にも当てはまることだったのだ。
「もしかすると、ダンジョンそのものが巨大なミミックなのではないか?!!」
ミミックとは異なり、入ってきたものをすぐに食べるのではない。甘い汁を吸わせて帰らせる。すると仲間を連れて多くの獲物が相手からやってくるのだ。そして数の少ないうちは、一人二人死ぬと危険とされ誰も立ち入らなくなる。しかし何前何万と人が来るようになれば、その中の一人二人死んだところでそれは致し方ない犠牲として処理さっるのだ。
「そう!人間はダンジョンに支配されつつある!!」
「な、なんだってー?!」」
「ダンジョンは危険!ダンジョンはやべー奴!」
学者はこのことを検証する単に、一つのダンジョンでの成果と、死亡者の数を一定期間調べてゆき、そのマナの出入りを計算してみた。
すると、まるでカジノの大元が利益を徴収するかのように、むしろマナを搾取されている形となっていたのだ。
そう知ってしまったのだ。「ダンジョンは無限の鉱脈ではない」ということに。
学者は筆を執り、この事実を広く広めようとした。
しかし・・
いつものダンジョン内で一人で環境調査していたときである。
学者は背後に気配を感じた。
「誰だ?!」
するとそこには暗殺者がいた。
「貴様は世界の秘密に気が付いてしまったここで消えてもらう」
「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
そう、一人の学者がここで消えてしまったのだ。
暗殺者はある国の王に雇われた腕利きである。その国はダンジョンで栄えていた。つまり彼らにとって学者の説は都合が悪かったのだ。
もはやダンジョンは一台アミューズメントだ。国同士のけん制にダンジョンとそこの冒険者のレベルによって行われているということだ。なくなれば当然不利益を被るものも出てくる。
しかし・・
「うぉおおおお!!ゾンビになってふっかーつ!!」
そう、殺されたそこがダンジョンであることが幸いした。気体の濃厚なマナによって偶然魔法生物として再誕したのである。こうして半ばモンスター化した学者によって、何百年と渡りこの事実は広く広められ、ダンジョンには閑古鳥が鳴る事態となったのだった。
そうして困るのは偉い人ではなかった。人気がなくなったらなくなったでしょうがないと、それなりにNOダンジョンで経営していたのだ。だが絶対的に困るのはもう一方の方だった。
ここは異次元である。ある超存在の固有の世界である。
そこでその主に話しかける使いの者が焦ったような声で報告する。
「ダンジョン神さん!!大変です!ここ百年ダンジョンからの収入が発生しません!」
「なーにー?!」
ダンジョン神。そうそれは始原のミミックだ。そう、学者が言っていたことは全てあっていたのである。
なおかつ、彼はいくつもの魂に依頼してダンジョンマスターを代行してもらっているのだ。そしてその中の利益数パーセントを収めさせることで働かなくても収入が発生するようなシステムを作っていたのである。それこそが転生ダンジョンマスターのシステムだったのだが・・
しかし、それもダンジョンを利用するものがいなければ成り立つものではない。
念のためダンジョン神が調査し、使いの者が言った事実を確認した。。
普通の魔物ならば、ここで国に侵攻するなどといった強硬策もあり得たのだが、ダンジョン神は財テクの才能があった。
「くっ、こうなったら・・」
故に、妥協することでシステムの存続を保とうとしたのである。
ある日こういう手紙が広まったのである。
全国のギルドの酒場はあるニュースで盛り上がっていた。
「ダンジョンは完全リニューアル?死んでも復活するようになりました、だって?」
そうなのだ。何かカラフルな人目をつく印刷によって作られたそれは、まるで現代のポップ広告のようなスタイルであり、何やら萌え絵などを用いてキャラたちが分かりやすくシステムを説明していた。どうやら死ぬことがなくなったようである。正確には死んだら復活する、と。
「マジか。っていうかダンジョンって自然にできたものじゃなかったのか?」
「違うらしい。なんか管理しているやつがいるらしいぞ」
「じゃあ行ってみるか」
慎重なものは信用しなかったが、ここは異世界であり命は捨て去るものというポリシーのものがいくつもいた。これにより簡単にその広告の真偽が証明されたのだ。
こうして荒くれたちによってその事実が広まると、冒険者稼業は復活したのだった。
そしてダンジョン神の異次元。
使いの者がダンジョン神に行った。
「いやあ、うまくいきましたね」
「うむ。ようやく黒字化したよ」
「でも、このシステム・・復活って大丈夫ですか?」
「おいおい、黒字化って言っただろ?大丈夫大丈夫」
「でも復活魔法って禁忌魔法でしょ?マナとか馬鹿食いするやつ。コストとか心配だな」
「大丈夫だ。その分のマナは復活ときにも頂いてるからな。っていうかこれは復活魔法ではない。復活っていうか、ダンジョンに入ってるときに異次元に本体を収納して、仮想現実式に本物と同じ分子構成の体に入れ替えてるだけだからな。復活魔法は一切使ってないからこのコストパフォーマンスなのですよ」
「しゅごーい!」
そうしてのちに色々と、新冒険者歓迎ツアーパックとか、レアダンジョンとか、モンスター育成とか、課金ガチャとかでダンジョンを経営いていあのだが、これじゃまるで近年人気のスマホゲームみたいですな。
いやむしろスマホゲームがこの世界のダンジョンをパクったという、よくある、なろうゲーム世界イズオリジナル説も・・あるとかないとか。
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あとがき
(タイトルに対して)お前が生計を立てるのかーい!(突っ込み)