RE 《後》
ここからは「RE」のネタバレを含みます。
ネタバレを好まない方はぜひ、本編を読んでからいらしてください。
では、どうぞ──
そろそろ解説終了かしら。残り二話分の解説をさくさくしていきましょう。
「pray」でようやく親友が出てきますね。ここでは主人公の記憶が戻り、その死の直前の祈りが明らかになりました。
その世界──輪廻の道というものは「もう一度」という「祈り」によって生まれたものであるため、ここのタイトルはまるまる"世界"を表すものです。
それが明確になるのは最終話「birth」ですがね。
「birth」ではええ、師匠がこれでもかというほど暴れてくれましたよ、はい。
「RE-birth」は輪廻の道の天使、レイを示す言葉になりました。親友→レイなわけですが、天使のレイは主人公の知らなかった親友の裏側の思いが反映された人格なんです。本当はこうありたかった……そんな願いが込められた姿。
「RE-birth」にはもう一つ"生まれ変わる"という意も含まれています。師匠の計らいで二人とも心を入れ替え、元の世界に戻る、というエンドロール。「輪廻転生」自体が「生まれ変わる」ことを示す言葉なので、最終話はこれにしようと始めから決めていました。
また「birth」は、輪廻の道で主人公たちが殺した人物も、無事「輪廻転生」の道を辿り、再び「生まれて」くることを暗に示しています。
私の作品としては珍しいくらいにちゃんとハッピーエンドで終わりました。大団円とは言えませんが、他作品に比べると、大分後味のいい話にまとまったような。気のせいでなければ。
ここだけの話、当初は主人公も親友も誰も救われない話の予定でした。みんな死んじゃって、主人公と親友は相討ちで、誰も輪廻には辿り着けなかった。けれど、これでいいんだ。これで永遠に、自分は彼と一緒にいられる……という歪んだエンド。これこそくじゃくの王道(一般的には邪道という)だ!!
けれど、しばらくの更新停止後、そのストーリーで書こうとしたら、辻褄の合わない人物が一人──師匠がいました。
そりゃそうですよ。師匠は当初いなかったですもん。当初のラストで辻褄が合うわけないじゃないですか。
そして、今回のラストが生まれたわけです。
不思議と今まで通りじゃなかったことを後悔はしていません。今だからこそ書けるエンディングだったと思います。多分、後にも先にもこんなんは書けませんよ。
と、まあこんなところで三回続いた「RE」の言葉遊び解答は終了です。