夕べに明日明くる 《後》
前回に引き続き、ここからは文学フリマ短編小説賞応募作品「亡国の歌姫と琴の騎士」及び「イメソン集」に掲載中のその作中歌「夕べに明日明くる」のネタバレを含みます。
ネタバレを好まない方はぜひ、本編を読んでからいらしてください。
では、どうぞ──
はい、前回に引き続き、「夕べに明日明くる」の紹介をいたします。
前回最後に"裏歌詞"という謎ワードが出てきましたね。皆さんそれが気になって仕方ないんじゃないでしょうか。だって"裏"ですよ"裏"。意味もなくときめきません?
……そこは人それぞれということで収め、さっそく、裏歌詞を紹介しましょう。比較のために元の歌詞も載せます。
原曲
夕べに沈む夕日が
今日の空と重なる
明日も同じ色だろうか
声 枯らし啼く烏に
静かに問いかけてみる
明けて昇りし日の向こう
今日の空も青しと
明日も同じ色だろうか
知らずに飛び交う白鷺
答え得るはずもなく
明日明くる 明日明くる
貴方の許へ
明日明くる 明日明くる
誰しも夢見る
夕べに沈む夕日は
郷の空と重なる
明日も同じ色だろうか
声 枯らし啼く烏は
静かに遠い過去を見る
裏歌詞
夕暮れ 沈む夕日が
今日も空と重なる
明日も変わらず来るだろうか
声 枯れるまで歌う姫は
静かに空に問いを放つ
明けて昇ってきた日の向こう
今日も空は青いよう
明日も変わらず来るだろうか
知らずに鳶と会う白鷺が
答えを持つはずもない
朝は来る 朝は来る
貴方の許へ
朝は来る 朝は来る
……と誰もが望んでいる
夕暮れ 沈む夕日は
故郷の空とも重なる
明日も変わらず来るだろうか
声の限り歌いながら
静かに思い出 抱いてみる
という感じです。
裏歌詞というか、意訳ですね。こうして見ると、色々な言葉が引っ掛かっております。
こうした"隠された意味"を歌詞に織り込むのも、一種の謎かけかと。
本編「亡国の歌姫と琴の騎士」もぜひよろしくお願いいたします。