亡国の歌姫と琴の騎士
ここからは文学フリマ短編小説賞応募作品「亡国の歌姫と琴の騎士」のネタバレを含みます。
ネタバレを好まない方はぜひ、本編を読んでからいらしてください。
では、どうぞ──
続きましては文学フリマ短編小説賞本命作品の「亡国の歌姫と琴の騎士」の紹介です。
「亡国の歌姫と琴の騎士」のあらすじを紹介しましょう。
昔、人々が多く、栄えていた王国があった。その王国には歌声の美しい姫君がいた。
あるとき、姫君はその歌声に呪いをかけられてしまう。姫君の歌を聴いたものは皆死ぬという呪いを。
それゆえ、姫君は王国より彼方、海を臨む西の塔に閉じ込められている。
──そんな物語を語り継ぐ老人が西の塔の近くの村にいた。
その話を聞いた騎士の装いなのに全く武器を持たない奇妙な少年は姫君に会ってみたいと行ってしまう。老人の警告も聞かずに。
しかし、少年はその夜帰ってきた。
そこから終わらないままだった物語が動き出す──
こんな感じです。
この作品のあらすじを書くにあたって、絶対に欠かさないよう心がけているのが「終わらなかった物語が動き出す」という表現です。
そんな豆知識はよしとして、言葉遊びについて。
本編では"琴の騎士"というワードで存分に遊んでいますね。"fin.騎士"あたりで明かされますが、"琴の騎士"には"琴を弾く騎士"、"人と異なる部分を持つ騎士"、"古の都より来たりし騎士"という三つの意味があります、というのが一つ。
この作品を書き始めたきっかけがこの"琴の騎士"という言葉遊びを思いついたからです。
それからコンセプトとして"騎士出すんなら姫も出さなきゃ"→"囚われの歌姫とかいいかも。Brave Heartsのカードで[囚われの歌姫 ディーヴァ]とかいるし"くらいなテンションでした。
ちなみに「Brave Hearts」内でのアーミーカード[囚われの歌姫 ディーヴァ]は白属性の奴隷アーミーでクリティカルコマンド持ちのえぐい子です。歌姫の性格が若干ひねてるのは、「Brave Hearts」内でのディーヴァの設定が影響しています。