断罪人形 -ツミタチノヒトカタ-
ここからは「断罪人形 -ツミタチノヒトカタ-」のネタバレを含みます。
ネタバレを好まない方はぜひ、本編を読んでからいらしてください。
では、どうぞ──
続きましては、なろうの公式企画「夏のホラー企画2015」に参加しましたあの作品。
ある意味あれは伝説だ……
「断罪人形 -ツミタチノヒトカタ-」の紹介をします。作品自体には何も書きませんでしたが、実は言葉遊び作品です。
これが言葉遊びだと紹介すると、当時参加していた「夏ホラ」の趣旨からずれてしまう気がしたので、今更ながら、公開するのです。
それに、これを綴っている現在(2016年6月1日)は、ちょうど夏も近づき、新しいホラー作品もぼちぼち作成していこうかなどと画策中ですので、振り返るにはいい時期かな、と。(ホラー作品でぼちぼち……墓地墓地、なんつって(←こいつ、堕ちろ))
こほん。ではそろそろ真面目に、恒例のあらすじ紹介といきましょう。
箕舟駅前交番勤務の婦警・安塔枝祈。ある夏の昼休みに電話番をしていると、不審な電話がかかってくる。
その電話から、一夏の悲劇が始まる。
これは主を守りたかったヒトカタの、ツミタチの物語。
人形、と聞いて西洋人形のイメージを抱いた皆さま。申し訳ございません。この作品は人形は人形でも、髪が伸びるとかそういう怪談で出てくるタイプの純和風、市松人形の物語です。
夏ホラのとき、意外と反響がよかったので、個人的にもお気に入りの作品です。色々と手違いがあったため、反省点も多々ありますが(主に話数とか、話数とか、話数とか、"いろはにほへと"の七話で終わらせるつもりだったのに結局"ゑひもせす"までしっかり使って四十七話まで膨らんだ話数とか)。
はて、そんな「断罪人形」もそんなに難しい言葉遊びではありません。ここからの説明、本編を読んでいただいた方は「ああ〜」となるかと。
「断罪人形」は「ツミタチノヒトカタ」と読んでください、と連載当時から言っているのですが、そこに遊びがあるのです。
人の罪を断つ人形、が「ツミタチノヒトカタ」の作中での主な意味ですが、実はもう一つ、意味があるのです。
そのもう一つの意味はなんのことはない、別の字を当てればすぐにわかります。
その別の字というのがこちら↓↓
「罪達の人形」
この意味、わかりますか?
「断罪人形」──いちは、「罪を断つ人形」であったと同時、あらゆる"罪"そのものだったのです。
伊織の復讐のために人を殺した罪、詩織と共に犯した罪、七瀬が襲われたときに見ていることしかできなかった罪、枝祈を巻き込んでしまった罪……数多の"罪達の人形"なのです。
けれど、いちの負ってしまった罪は、現実に私達も犯しかねない、あるいはもう犯してしまっているかもしれない罪ではないでしょうか?
そんなことを時折考えながら、私は筆を執っています。