朝の音 夜の音
朝の音
紫色の朝焼けが
目の前に飛び込んでくると
鳥たちの歌い声や
草たちの笑い声が
そこかしこでざわざわ、
そよそよ、ひそひそと
流れていく。
目の覚めない僕は
太陽の陽射しに負けてしまう。
青く澄んだ空は
すがすがしくてついていけないから、
ちょっとくらい不完全でもいい。
夜の音
あの山が唸りをあげている。
うぉん、うぉん、うぉん。
からすが帰り支度を始めると、
夜の住人がよっこらしょと腰を上げる。
あの空が真っ赤に染まると、
あたりは静かになって、
みんなで神様が天をひっくり返すのを待つだけ。
こぼれ落ちた太陽の滴が、
お星さまになって降り注ぐから、
みんなで宝さがししよう。
さわさわとした草の音がして、
色とりどりの虫の音がして。
暗闇のなかでかくれんぼしよう。