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web拍手番外編 ー学園祭がやってきたー 

 学園祭の季節がやって来た。

 そして、貴族達のクラスは、楽しむだけらしく何もない。

 というわけで平民クラスのシズは、喫茶店の準備をしていたのだが。

 シズは、目の前に並べられた服にさっと目を走らして、その全てを瞬時に理解し逃げようとした。が、


「シズ、何処へ行こうというのですか?」


 シズはエルフィンに襟首を掴まれた。

 振り向くとその声の主であるエルフィンがシズの襟首を掴み笑っている。

 どちらかと言うと可愛らしく小柄なエルフィンだが、随分力があるんだなと今更ながらシズは思った。

 けれどこの危機を回避すべくシズは、頭をフルに働かせて、


「え? えっと……お花を摘みに?」

「可愛らしい表現ですが、駄目ですよ。時間がないですし」

「や、嫌だ、何でよりにもよって……僕が料理係でもいいじゃないか」


 そんなシズにエルフィンは深々と嘆息して、


「あの程度の料理の腕では駄目なのです。味、斬新さも含めて、食したものに未知の世界の快感を与えるレベルでなくては」

「……戻ってこれなくなりそうなので、普通の食事もあると良いかも?」


 食い下がるシズにエルフィンは、シズの顔を見てそれからフフと黒く笑う。

 シズは何か嫌な予感がしたのだが、逃げられないので大人しく待っていると、


「実はフィエンドに、シズの手料理を食べていいのは俺だけだと言われいまして」

「フィン……」


 嘆くようにシズは恋人の名を呼んで、涙目になりながらはっと思いつく。


「皿洗いの人も必要なはず!」

「実はシズのそんな姿が見たいと皆さんにお願いしたら、快く引き受けてくれました」

「つまり?」

「シズが他の人に仕事を代わってもらうのは、不可能」


 シズは真っ青になって笑うエルフィンを見て、焦ったように首を左右にふる。


「い、いやだ、だって、何で女装なんだまた!」

「いいじゃないですか。可愛いですよ? それにただの客引きですし、別に変なことをするわけでもありませんし」

「で、でも僕だって……男で」

「大丈夫、シズは可愛いから似合いますよ? 最近フィエンドとの仲が良好なせいかますます綺麗になっていますし、女装させがいがありますね」

「や、やめ、服を……アーッ」


 そうして、巧みにエルフィンにシズは着替えさせられてしまったのだが、そこにシズの恋人のフィエンドとエルフィンの恋人のオルウェルがやってくる。

 フィエンドはシズを見つけるなり抱きしめた。


「シズのこんな可愛らしい姿を見ていいのは俺だけだ」

「フィエンド、他に言うことはないのか」

「この後一緒に何処か回ろうと誘いに来たが、こんなシズの姿を他の奴らに見せるのなんてもったいない」


 相変わらずシズしか見えていないフィエンドに、オルウェルは嘆息した。

 因みにシズは抱きしめられて、顔を埋めさせられて何も言えなくなっていた。

 そこでエルフィンが、


「フィエンド、シズを連れて遊びに行ってきては? 客引きの代わりはここに来ていますし」


 さり気なくオルウェルの腕をつかむエルフィンが、フィエンドを惑わす。

 その意味に気づいたオルウェルがエルフィンから逃げようとするが、そのまま押し倒されて、


「オルウェル、僕から逃げられるわけがないでしょう? 大人しくおそろいの服で、客引きしましょうね?」

「い、いやだぁああああ」


 結局、オルウェルは逃げられなかった。

 そしてシズはフィエンドと学園祭を楽しみ、途中で顔を真赤にしているおるウェルと楽しそうなエルフィンと、交代をして……実はフィエンドがいるだけで、フィエンド見たさに客がやってくることも判明し、最終的に喫茶店は大繁盛のうちに終わりを告げたのだった。




「おしまい」

 

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