第03柱 神も仏もいなかった。
自宅に戻ると、玄関の前に僕の部屋にあった物が乱雑に積み重ねられていた。
僕は呆然とするしかなかった。
その、山の下の方に、四肢が消失したフィギアを見付けた。
いつもの無邪気な笑顔を、そんな姿になっても続けている。
僕は泣いた。
あうあう言いながら泣いた。
そうして思い出したのである。
僕がまだ生徒だったうら若き日の出来事。僕はコツコツと貯めたお小遣いをはたいて、架空都市ジョウキョウへ行ったのだ。
汽車に揺られる事数時間。
あの時は本当にぢになるかと思った。
……ていうかコレはアレか、これが走馬灯というヤツか。
もうどうにでもなれ。
汽車を降りた瞬間淀んだ空気を吸ってむせ、迷宮の様な駅を彷徨い、慣れない街を歩き、人に酔ってトイレで吐き。
四苦八苦して人間の森を超えた先に、そういった人向けの店が見えた。
情報誌やインターネット越しにしか見た事のない世界。
スタイリッシュな看板だったので果たしてそこが正解なのか不安になったが、一歩中に入ると。
そこは、僕らの理想郷が広がっていたんだ。
『毒島氏中尉!ここは天国でありますなぁ!!』
『あぁ、ああ! ここはパラダイスだ!!』
……あれ、誰だコイツ。
僕の記憶に僕以外のヤツが居る。
僕に友達なんていないぞ、走馬灯とはいえ記憶の捏造はイカン。
着エロ!
『うっふん!!』
『ここはパラダイスだ!!』
違った。
消えろ!!
『ここはパラダイスだ!!』
よし。
「……よくねぇよ!!」
この段階で回想シーンとか続きが思い浮かばなくて打ち切られる話のフラグ回収に向けて一直線じゃないですか。
しかしどうすれば良いんだ、全く思い浮かばん。
難易度高すぎるだろ、人生。
てか選択肢無しとかクソゲーにも程ってもんがあるだろ、おい。




