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禁忌の子レイ  作者: ぴすまる
第三章:森の外・彷徨編

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幕間

 街道を外れたところで、グラドは足を止めた。


 舗装の切れ目。

 先へ行けば、街ではない。


 後ろは、振り返らない。

 見れば、判断が揺れると分かっている。


 あの子は、まだ街にいる。

 働いてはいない。

 守られてもいない。

 だが、追い出されてもいない。


 ――それでいい。


 最初から、長く一緒にいるつもりはなかった。

 連れてきた。

 渡した。

 それだけだ。


 守る役目は、もう終わっている。


 街は、子どもを拾う場所じゃない。

 だが、選別はする。


 弱いから、ではない。

 危ないから、でもない。

 扱いにくいかどうかだ。


 あの子は、静かすぎる。

 泣かない。

 訴えない。

 助けを、使わない。


 だから、余計に目に入る。


 グラドは、腰の袋を確かめた。

 中身は、減っている。

 補充する気は、ない。


 ここから先は、

 見ているだけで、関われる距離じゃない。


 もし、ここで名を呼べば。

 もし、声をかければ。

 それは、線を越える。


 街に対しても。

 あの子に対しても。


「……これでいい」


 声は、誰にも届かない。

 確認でも、祈りでもない。

 ただの判断だ。


 グラドは、踵を返す。

 街と反対の方へ。


 あの子は、振り向かない。

 呼びもしない。


 それでいい。


 線は、引かれた。

 切ったわけじゃない。

 戻らないと、決めただけだ。


 街は、これから動く。

 あの子を、個人としてではなく、

 扱うべきものとして。


 グラドは、もう関与しない。

 それが、一番ましな距離だと、知っている。

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