表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
処刑された7歳の俺、天使と悪魔の混血だったので全属性が目覚めました 〜禁忌の子は魔の森で世界に選ばれる〜  作者: ぴすまる
第二章:魔の森・修練編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/129

第13話

 進み方を変えてから、しばらくは何も起きなかった。

 森は静かで、風も弱い。

 足元も、さっきより歩きやすい。


 足が止まる。


 理由は、はっきりしない。

 ただ、前に出したくなかった。


 前方。

 木の根が、地面を這っている。

 避けるほどでもない。

 踏めそうにも見える。


 少し、間が空く。


 右にずれるか。

 そのまま行くか。


 一歩、右へ。


 沈む。


「っ――」


 浅い。

 だが、ぬかるんでいる。


 引き抜こうとして、力を入れる。

 ずる、と音がして、さらに沈む。


「動くな」


 すぐ後ろから、声。


 止まる。

 足首まで、泥。

 冷たい。


「……聞いてたのに」


「聞いたな」


 淡々。


「だが、合わせてない」


「……ちがい、あるの?」


「ある」


 横に回る足音。


「森は、答えを出さない。

 合ってるかどうかも、言わない」


 杖が、別の場所を叩く。

 乾いた音。


「こっちは、踏めた」


 視線を向ける。

 見た目は、ほとんど同じ。


「じゃあ……」


「比べるな」


 すぐに遮られる。


「考えるな、でもない。

 ただ――急ぐな」


 少しだけ、手が伸びる。


「抜く」


「……」


「一気に来るぞ」


 うなずく。


「せーの」


 引き上げられる。


 ぬる、と音を立てて足が抜けた。

 反動で、後ろへよろける。

 転ばない。


 足首が冷えている。

 感覚が、鈍い。


「怪我はない」


 短い確認。


「だが、覚えとけ」


 足を見る。


「さっきのは、間違い?」


「いいや」


 首が、わずかに動く。


「外しただけだ」


 その言葉が残る。


「森は、正解を置かない」


 歩き出しながら。


「合わせ続けるか、外し続けるか。

 それだけだ」


 少し遅れて、歩き出す。

 足元が、重い。

 それでも、地面はある。


 森は静かだ。

 何も言わない。


 泥のついた靴を見る。

 歩幅を、少し落とす。


 それで、進めている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ