舐男 vs 放置老婆
あらすじ
画面から出てきた姫カットゴスロリ女子高生の「放置老婆」がアドワールド <アイン・テルシー>を展開。
舐男を取り囲むように打ち立てられた三つの仮設トイレからは放置された老婆たちの悲鳴が聞こえる。
放置老婆の後ろにある「スキップボタン」に舐男は到達しなければならないのかもしれない。
舐男と放置老婆が向かい合っている。
広告スキップボタンまではおよそ50m。
舐男は100mを9秒で走り、身長が220cmある。
100mを9秒で走る場合、トップスピードは時速45km近く出るが、最初の「加速」があるため、前半50mの通過タイムは通常**5.2秒**前後になる。
しかし、彼は巨体でストライド(歩幅)がデカいため、加速に乗るのが速い&ラスト5mを走らずに飛びこむ事で短縮可能。
結果=約4.8秒で到達できる。
それに彼には腕のリーチもある。45m地点からダイブすればで最短で到達できるだろう
容易にスキップボタンをタップできる
50mは彼にとって遠い距離ではないが…
ないが…
ないのだが…
放置老婆「ルールは簡単よ!」
放置老婆「私を倒したらあなたの勝ち…もしくはスキップボタンをタップしたらあなたの勝ち」
放置老婆「負ければ…あなたは二度とピカリンに会うことはできない…」
放置老婆「でもここは…私のアドワールド<アイン・テルシー>の中…」
放置老婆「この世界の創造主に、ただの人間が勝てると思って…?」
足元に無数の彼岸花ヲ咲かせた放置老婆が阻む。
俺様(あいつがそれを素直にさせてくれると思えねえ…!)
阻む
放置老婆が。
彼女は舐男とスキップボタンの間に阻むように位置している。
彼女と舐男の距離は10mほど開いている。
放置老婆の目線で、確定している要素が一つ
判明している不確定要素が一つ
舐男が圧倒的に不利な要素が一つ
放置老婆の不安要素が一つ
1,確定している要素の一つ
俺様(絶対にあいつは邪魔をしてくる…そして殺そうともしてくるはず…)
俺様(あの傘…切先がレイピアのようになっている…傘の骨組みが肋骨みたいだったし…)
俺様(あんなの持ち歩いてるやつ…俺を殺害する気満々だよなぁ…)
2,判明している不確定要素の一つ
俺様(それに…このワールド…三つの俺を囲む仮設トイレから老婆の悲鳴が聞こえてくる…)
俺様 (左前側に一つ…右斜め前に一つ…後方に一つ…それほど離れちゃいないが…)
俺様 (開けていいのか…罠なのか…わからねえ…)
3,舐男が圧倒的に不利な要素が一つ
放置老婆(このアスファルトが厄介でしょう…彼はさっきまで室内にいた…)
放置老婆(靴下で走るのは少し大変ですわよね…?)
放置老婆(私はお気に入りの可愛い可愛い靴を履いておりますので…もちろん問題はありません…)
4,放置老婆の不安要素が一つ
放置老婆(一目見てわかった…彼にはフィジカルでは絶対に勝てない…)
放置老婆(私の身体能力は<アイン・テルシー>の中だから強化されている…)
放置老婆(だからアイン・テルシーの効果切れ…つまり脳の限界(アドゲージの消費)…もしくはスキップボタンを押された場合…私は負ける。)
放置老婆「…だから…」
放置老婆「速攻よ!」
彼女が傘を畳む。傘はレイピアのような形に変貌する。右手に持たれているレイピアの剣先は舐男に向いている
放置老婆「レイテールパラッシュ!」
彼女が踏み込む。10m離れていた距離が一気に縮む。空を切る音がする。剣先が舐男の喉をかすめる
彼女の中では当たるはずだった攻撃を舐男が避けられたということは、舐男の反射が優れていることを意味する。
舐男は不格好にのけぞっている。
俺様「あぶねえ!」
放置老婆「…へえ…」ニヤリ
俺様「おまえ自分の攻撃に技名とかつけてるタイプか!」??
放置老婆「何よ!!!!!!!?」
放置老婆「かっこいいからいいじゃない!!!!!!」
俺様「痛すぎだろお前!!」
俺様「レイテ~ルパラッシュぅぅぅぅうっぅぅぅ」
放置老婆「馬鹿にしないで!」
放置老婆「ちなみに私は中学生の頃、部活終わりに夜の公園のブランコでなんか意味ありげにオカリナを吹いていたこともあるわ!」
俺様「痛すぎだろお前!!」
俺様「あと今それ俺様に伝える必要ねーだろ!」
舐男が放置老婆の物まねをし、彼女を煽る。
俺様「レイテ~ルパラッシュぅぅぅぅうっぅぅぅ(笑)」
俺様「へぇ…」ニヤリ
俺様「…このオカリナの旋律が私の心を奏でてくれる…(笑)」
俺様「めっちゃ…」
俺様「うけるんですけどおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
放置老婆「…」
放置老婆が怒りに震えている。
放置老婆「ぶっ殺してやる!!!!」
放置老婆が五月雨のように舐男の急所を突く。技名は言わない。
しかし、どの攻撃もかろうじて舐男は避ける
放置老婆「…あたらない…」
俺様(いや俺様も反撃の余裕はないぜ…)
俺様(だが煽ったおかげで攻撃が単調になったな…)
舐男に突如ひらめきが下る。切迫した状況での閃き。
俺様(なんとなくだが…さっき広告で言っていた、老婆を便所に放置すればするほど強くなる…)
俺様
一方的に攻められていた舐男が直後、踵を返し、放置老婆とは反対方向に駆けていく。
その先には仮設トイレがある。
俺様(足の裏がいてえええ…!)
固いアスファルトが舐男の足の裏を鈍く刺す。大したダメージではないが、彼の走力は制限される。
放置老婆「どこに行くの…?」
放置老婆が舐男に届かないくらいの小声で言う。彼女は不敵に笑っている。
何かが彼女の思い通りに動いてるような、そんな不敵な笑み。
彼女は舐男が後ろ姿を見せて駆けていくにも拘わらず、その場にとどまり、構える。
舐男はスキップボタンとは反対側にあった仮設トイレに到達し、扉の取っ手に手をかけ開こうとする
が…
俺様「かてええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!」
俺様(なんでこんなに仮設トイレのとびらがかてえんだよ!)
放置老婆が不敵に微笑む
放置老婆「ふふふ…開かないわけじゃないんだけどね…」
放置老婆はレイピアを構え続ける。舐男が無防備に背中をさらけ出しているにもかかわらず、先ほど見せた刺突の構えのまま動かない。
放置老婆「…」
俺様「うぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ…」
舐男が力を込め続ける。
突如、仮設トイレの蝶番の部分がへし折れ、強固な扉が取れる音がする。
俺様「ぬわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
放置老婆「!!」
放置老婆「あきれた馬鹿力…」
放置老婆「でも…」
放置老婆が再度、不敵に微笑む。弱点を突かれたにもかかわらず。
舐男が開けた扉から衰弱した老婆が倒れこむように現れる。
80歳くらいの見た目の老婆は弱り切っており、恐怖におびえている。
もともとは新品だったであろう服は擦り切れており、長い時間この明かりのない仮設トイレに閉じ込められていたらしいことがわかる。
俺様「おい!?大丈夫かばばあ!?」
俺様「なんだこのばばあめっちゃくせえ!?」
俺様「あとこのトイレもめっちゃくせえ!!」
衰弱した放置された方の老婆は安堵したようにすすり泣いている。
彼女は跪き、か細い声で感謝を伝えている。
俺様「…これで放置老婆は弱体化するはずだ…」
放置された方の老婆「有り難うございます…」
放置老婆「ねえ!!!!!!!!!!!!!!」
突如、放置老婆が大きな通る声を舐男に問いかけるように発する。
彼女はあれから一歩も動いていない
放置老婆「なんでその仮設トイレってそんなに扉が固いんだと思う!?」
放置老婆「なんで私はあなたが無防備な後ろ姿を晒してるのに攻撃しなかったんだと思う!?」
放置老婆「なんで…」
放置老婆「《《あなたに感謝している筈の老婆が、あなたの両足を逃げない様に掴んでるんだと思う》》…!?」
俺様「…え?」
放置されていた老婆が這いつくばり、舐男の両足を逃げられないように掴んでいる。
その力はすさまじく舐男はその場を動けない。
放置老婆「ねえ…」
放置老婆「なんで私が…」
放置老婆「自分の弱点でもある、仮設トイレにいる老婆の開放を、《《放置してまで》》…」
放置老婆「ち・か・ら・をためていたんだと思う…?」
舐男の誤算。
それは放置すべき相手を見誤ったことである




