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第10話 放置老婆&舐男VSイレブン

放置老婆と11(イレブン)のアドワールドが展開される。


 四人はなぜか電車の車両の中に20mほどの距離を保って向かい合っている。


《《放置老婆、舐男の後ろに一つの仮設トイレがあり、その後ろに『5秒後に広告をskipできるボタン』が、ある。》》


 これは二人にとって有利である。なにせ、押されたら、アドワールドを終わらせてしまう、大きなディスアドバンテージのある『skipボタン』の前に仮設トイレが立ちふさがっている。


 同じく 11達の後ろにも『5秒後に広告をskipできるボタン』が存在する。


放置老婆は今回、格上との戦闘になることを前提に、アドワールドを展開した。

ステージの構成は相手に譲る。その代わりに3つの仮設トイレだけは絶対に生成したかった。(彼女の強化ギミックの生命線なので)


 この世界はどうやら一つの車両しかないわけではなく、複数車両があり、放置老婆の『アイン・テルシー』によって生成された仮設トイレたちはほかの車両にも存在する。


 なので、放置老婆の能力『仮設トイレの中にいる放置されている老婆の数が、多ければ多いほど放置老婆の能力が増す』は継続される。


 しかしここで放置老婆は異変を感じ取る。


放置老婆(なんで三つしか生成されないはずの仮設トイレが4つもあるの…? 私にとってはラッキーだけど…何が起こってるの?)


放置老婆(確かにアドワールドは成長する。私自身も成長し、能力が強化されることもあると思う…でも…)


 まさか…ね…


放置老婆


 放置老婆はまだほかの要素にも違和感を感じているが、自分のことを考えている暇はない。今は目の前の上位No,『11(イレブン)』達に集中しなけらばならない。


 放置老婆が舐男に話しかける。


放置老婆「いい、舐男? 今はお互いに能力がわかっていない状況。でも依然としてスキップボタンを押されたほうは不利になる。しかも今回はタッグ戦。フィールドも狭い」


放置老婆「私が一人で戦う。なぜか今回は私に有利な状況がそろっているしね」


放置老婆「スキップボタンを守る役割の人間も必要。任せていい?」


 舐男が短く「任せろ」とだけ頷いた。賢明な判断かもしれない。  何せまだ舐男はまだ戦闘経験がほとんどない。驚異的な身体能力と判断能力を兼ね備えてはいるが、基本的にはどこにでもいる普通のサラリーマンだ。


 ここで11達が動き出そうとする。その機先を制すように、放置老婆がレイピアを構えて攻勢に突如出る。


放置老婆「レイテル・パラージュ!」


 放置老婆は直進せず、あえて天井めがけて跳躍した。  天井板を足場に即座に反転――その動きは、空中に鋭利な二等辺三角形を描き出す。


 狙うは、『呼応する11(金髪貧乳)』。  斜め上の死角から放たれた必殺の刺突が、少女の心臓を精確に捉え――


 ガギィンッ!!


 硬質な音が響き、火花が散った。


 放置老婆「な……!?」


 肉を貫く感触はない。まるで分厚い鉄板、あるいは見えない障壁に阻まれたかのような反動。  ダメージ皆無。一滴の血も流れない。


呼応する11(金髪貧乳)「彼女……速いね……11」


適応する11(銀髪巨乳)「そうだね……11」


 物理干渉無効か?  放置老婆が驚愕から思考を切り替えるコンマ数秒の隙。  着地と同時に、『適応する11(銀髪巨乳)』が低い姿勢から飛び込んできた。


(タックル……!)


 だが、それはフェイントだった。 『適応する11(銀髪巨乳)』の手から放たれたのは、至近距離からの複数の投げナイフ。


 ヒュッ!


 老婆は最小限の動きでそれを躱し、空中のナイフの一本を素手で掴み取る。  そのまま流れるような動作で、投げ返した。


 老婆の投擲は正確無比。少し体をずらした『適応する11(銀髪巨乳)』の眉間を捉える。  だが――


 スカッ。


 ナイフは、『適応する11(銀髪巨乳)』の右半身を「すり抜け」て、後方の壁に突き刺さった。


(『呼応する11(金髪貧乳)』の方は硬質化……『適応する11(銀髪巨乳)』は幻影化……ってこと?)


 放置老婆は瞬時に思考を巡らせる。まともに相手をする必要はない。ならば――


(直接、相手のSkipボタンを狙う!)


「レイテル・パラージュ!」


 老婆は再度跳躍。今度は少女たちを無視し、その背後にあるボタンへ向けて一直線に加速する。  だが、


呼応する11(金髪貧乳)「トリック・ウィップ」


 金髪の少女の手元から、蛇のような鞭がしなり、空中の老婆の足首に強い力で絡みついた。  強制的にバランスを崩され、老婆は床へと引きずり下ろされる。


 すかさず『適応する11(銀髪巨乳)』がボタンの前に立ち塞がり、追撃のナイフを投擲した。


 キンッ!


 老婆はレイピアで飛来するナイフを弾き飛ばすと、返す刀で足に絡みついていた鞭を一閃、縦に綺麗に引き裂いた。


しかし、切り裂いたはずの鞭は即時修正されていく。まるで因果がねじれるかのように。


 仕切り直し。  だがここで、老婆の中に「違和感」が芽生える。


(こいつら……そんなに強くない……?)


 確かに能力は厄介だ。だが、傷一つ与えられていないとはいえ、こちらも無傷。  ましてや、こちらのボタンは舐男に守ってもらっている状況。いける、そう確信した矢先だった。


呼応する11(金髪貧乳)「私達って別に強くなくてもいいもんね……11」


適応する11(銀髪巨乳)「そうだね……11」


 少女たちは、焦る様子もなく淡々と告げる。


呼応する11(金髪貧乳)「アド戦士同志の戦いで特に重要なのは……」


適応する11(銀髪巨乳)「skip buttonを守り切り、相手のskip buttonを押すこと」


 その時――


『ピンポンパンポ~ン』


 場違いなチャイムが車両内に鳴り響いた。


アナウンス『次は~、スキップ~、スキップ~。お急ぎの方は、前方のボタンを強く押してください。尚、本日は、車両が大変混雑しております』


 次の瞬間、閉ざされていた車両の連結ドアが吹き飛んだ。


「「「「「スキップ! スキップ! スキップ!!」」」」」


 なだれ込んできたのは、突如現れた大量の『乗客』たち。  彼らはなぜか、舐男の背後にあるボタンめがけて一斉に突進していく。


俺様「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」


放置老婆「舐男ッ!!」


 それは戦闘ではない。ただの暴力的な「数」による蹂躙。  彼らは放置老婆の世界『アイン・テルシー』を終わらせようとする、世界の強制力そのものだ。


 人の波に飲まれ、分断される二人。  呆然とその光景を見る老婆の背後で、少女たちが囁いた。


呼応する11(金髪貧乳)「彼女……よそ見してるね……11」


適応する11(銀髪巨乳)「そうだね……11」


呼応する11(金髪貧乳)「今がチャンスだね……11」


適応する11(銀髪巨乳)「そうだね……11」

あけましておめでとうございます。


個人的には今書いてる異世界物よりこっちのほうが好きなんですが…書くのがとっても難しい。バトルの展開を可能な限り論理的にはしたいんですよねーそして広告をやっぱり活かしたい…がむずい


まあでも、舐男と放置老婆、11、アドシエルたちがかっこよくて面白くて好きなので、自分のために更新しようかなって思ってます。

シンプルにどうなるか気になるし。


見てくださってる方々。本当にありがとうございます。今年もよろしくお願いします

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