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第二話.origin

辛く苦しい場所にいた。暗く、冷たい深海のような。

なんのために生きているんだと罵られ、体の痣や傷が増えていくだけの日々。

俺に聞くなよ、そんなこと。

俺だってわからない。

自分がどうして生まれたのか。

生まれ落ちた瞬間から、望まれてはいなかったのだから。


「御影さん?」

「うなされてたよ。悪い夢でも見た?」


「……」

夢。いつの間にか眠ってしまっていたらしい。

過去の夢など、随分久しぶりだ。

忘れるなと、お前は幸せになるなと言われているようで、心底腹が立つ。

呪いのようで、習慣のように俺の体にまとわりつく歪な塊。

幸せになるために生きているのではない。

俺は、俺自身を不幸にするために生きている。

もっと苦しめ。息ができなくなるほどに。

深い関係を持つな。俺に友人など不要。

俺が不幸せになれば、きっと過去の俺は報われる。

過去は振り返らないと言いつつ過去を原動力とする現状には笑えるが、仕方のないことだ。

過去の毒を中和するために俺は今の自分を毒する。

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