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第一話.友人
人によっては怖いと感じるであろう、御影の視線。鋭利な光と冷気を宿した瞳は、凡そ人間からかけ離れすぎていて、本当に生きている人間か疑うほどだった。
一方で臣財は穏やかで、優しい印象の男性。目も優しく弧をえがいていることが多く、誰からも好かれそうだ。
人を寄せつけなさそうな人と、人に群がられそうな人。
一見友達になれなさそうな二人だった。
「臣財さんは、なんで御影さんと友達なの?」
興味本位で聞いてみた。
「え?どうして?」
「だって、真逆だもん」
臣財にはそれだけで伝わったようで、困ったように笑われてしまった。
違う。そんな笑顔にさせたかったんじゃない。
「違うからこそだ」
低い声が言った。御影だ。口元だけは微笑を常にたたえる御影が、そのときは、口を引き結んでいた。
「違うからこそ補える。違うからこそ、友人足り得るんだ」
御影の言葉に、臣財はそうだねと呟いて頷く。
「君にもそんな友人が、きっとできるよ」
僕には、無理だと思ったけれど、臣財の優しい目の前では、何も言えなかった。




