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元魔王な令嬢は、てるてるぼうずを作る  作者: Hatsuenya


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元魔王な令嬢は、女騎士に憧れる

 読みに来て下さって、ありがとうございます。


 ちびっこ側近達の交流会が、続きます。



 手紙を出し終えると、皆で、各々、誰に出したかと言う話になった。

 ジェラルドやデュークにコレット、そして結局はアメリアも、王城に勤めている父親に。グリンダとアーメンハイドは、叔父に出していた。


「私の叔父は、王城の図書館に勤めているの。私の本好きは、叔父のせいよ。アーメンハイドは、誰に出したの?」


「私も、叔父様に出したわ。お父様には、会うのを禁止されちゃったけど、王城で画家をやっているの」


「ニブリエ。ああ、マーチン・ニブリエ画伯か。マーチンは、王家の肖像画を描いているんだよ。ベルリーナちゃん」


 ボケッと聞いてた私に、魔道具製作部長が説明をしてくれた。


「ベルリーナも私も、これからは、王城の主な役職に付いている人についても、勉強しておいた方が良いね」


 お兄様が、膝の上に座っている私の髪を撫でながら言った。


「それは、私達全員に言えることじゃないかな。側近候補になったのだから、どんな事を学ばなければならないか、考えた方が良いと思うんだ。

 まあ、それはそうとして、セルマンとゴンザレスは、誰に手紙を飛ばしたんだい?」


 ジェラルドが、2人の方を見ながら言った。


「私は、ノースター公爵様に報告書を出しました」


 自分の膝の上に座らせているアメリアの頭に頬擦りしながら、セルマンが言った。

 アメリアは、もう諦めたかの様な顔になっているわね。私も、ひょっとして、あんな顔をしているのかしら。


「俺は」


「あ!き、急用を、思い出した!ベルリーナちゃん、またね」


 ゴンザレスが手紙の宛先を話そうとした途端、部長が急に自分のペンとインクを持って立ち上がって、慌てて駆け出した。


「ほほう、いい度胸だな。私の顔を見て逃げ出すとは。レザリスめ、相変わらず、逃げ足だけは速い奴だ」


 長い黒髪を1つに束ねた凛とした美しい細身の騎士が、私達に近づいて来ながら言った。涼しげな目元に、中性的な顔立ち。如何にも、騎士ぜんとした佇まい。

 うむ。これまでで1番のイケメンかもしれない。

 もちろん、ライ殿下を除いてだけど。


「俺が手紙を出した本人が、来ちゃったよ」


「やあ、弟。手紙が届いたのを見た王妃様が、こちらの様子を見てくるように、仰ってね。

 初めまして、皆さま。ゴンザレスの長姉、メデッサと、申します。どうぞ、お見知り置きを」


 女騎士様だわ~。女騎士!スゴく格好いい。私とアメリア、他の女の子達は、お互いに顔を見合わせて、顔を輝かせながらウンウンと頷きあった。

 部長は、何故だか、この女騎士様が苦手なのね。ふむ、覚えておこう。

 私達は、メデッサ嬢に自己紹介をした。


「初対面で不躾ですが、魔道具製作部長とは、どの様な、ご関係ですの?」


 私がメデッサ嬢にそう聞くと、彼女は、ニヤリと笑って、話をし出した。


「ああ、私が一方的に彼に求婚しているだけです」


 爆弾発言!?


 部長、やるじゃない。


「おや、席を外されていたラインハルト殿下が戻られた様だ」


 いいところなのに。ゴンザレスは、ビックリして、口が開いたまま。ふむ、お口に、ケーキが突っ込めそうだわ。


「皆、待たせたな。ああ、メデッサも来てたのか。丁度いい。ゴンザレスの保護者として聞いてくれ」


 真剣な顔をしながらクレスや護衛達と戻ってきたライ殿下は、私の隣の席に再び座る。私に向かって、ニッコリしながら小さな声で「ただいま」と言って、私の頬にキスをした、

「お帰りなさい」と私も、ライ殿下に小声で返して、殿下の頬にキスをしようとしたら、お兄様にライ殿下から引き離された。


「ちっ」


 ライ殿下は、舌打ちが上手です。


「はぁ、しょうがないな。これだから、小舅は」


 ライ殿下は、お兄様を煽るのも上手です。困ったもんですわね。


「さて、辺境行きの件は、後程、議会にかけられる事になった。女神様からのお告げのあった私とベルリーナにゴンザレス、そして、ベルリーナの保護者として兄のハリザード。いざという時の戦力としてセルマン。セルマンのストッパーとしてアメリアが、おそらく辺境へ行くことになる」


 ライ殿下はキリッとした表情で、皆を見回して言った。殿下の片手は、テーブルの下で私の手を探していたので、こっそり繋いでおいた。よし、OK。


「では、私達、留守番組は、これを機に自分達が殿下の側近としてどうやったら、今後、殿下達を支えて行けるのか考えたいと思います。私達は、あまりにも非力だ」


 そう言ったジェラルドを初め、女の子達までウンウン頷いていた。

 いや、ジェラルド。普通だから。むしろ、5歳にしては、皆、賢いから。ほら、アーメンハイドが、真っ青になって震えているわよ。


「ああ、アーメンハイド嬢。君は、稀有な能力を発現したようだね。この後、魔法省が君の能力について、詳しい検査をしたいと言っていた。ニブリエ侯爵には、その旨、連絡が行ってる筈だ。諸君、では、健闘を祈る」


 ライ殿下は、ニッコリ笑って皆を激励した。


 頑張って、アーメンハイド。……何か、ごめん。





「ラインハルト殿下、私が出掛けると言うことは、判っていらっしゃいますわよね」


「ああ、アメリア。ペット同伴だろ。あそこでは、ケルベロスも自由に遊べて丁度いいんじゃないか?だが、ひいお祖父様には、気を付けろよ」


「何故ですの?」


「ひいお祖父様は、強そうな奴がいると、すぐに勝負をしたがるからな」


「嫌な性格ですわね」






 橘の木も一緒に付いて行きそうで、怖いです。想像するの、やだな~。

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