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元魔王な令嬢は、てるてるぼうずを作る  作者: Hatsuenya


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王太子は、面接をする

 読みに来て下さって、ありがとうございます。


 今回は、王太子となったラインハルト視点です。



     王太子ラインハルト side


 

 ミザリア王女とドミトリー王子は、騒ぎ過ぎた為か、デザリスタ国の王弟である外交官に連れて行かれた。


「明日!明日は、俺と勝負だ。ラインハルト王子」


 王太子と呼べ!王太子と。まあ、明後日には国に帰るからな。明日はドミトリー王子と付き合ってやるか。外交だな、外交。

 外交官の王弟は、スペシャルドリンクで気力が充実して元気になったと私に礼を言い、ドミトリーの頭に拳骨を喰らわしていた。

 余程、2人に頭に来ていたらしい。


 吹っ切れたな。


 流石、ベル特製スペシャルドリンク。良い仕事をする。


「ベルリーナ、ちょっと良いかしら。貴女に私の友達を紹介するわ」


 ベルリーナは、アメリアに連れられて行ってしまった。

 

「おい、お前はこっちだ。セルマン」


 私は、アメリアの後ろを尻尾の様に付いて周っていたセルマンを、私の横に確保した。


「そうね、セルマンは王太子殿下と一緒に居てちょうだい」


 アメリアの言葉に、泣きそうな顔をしながらも、セルマンは私の横に留まった。顔は、アメリアの方に向いたまま。

 大丈夫か、こいつが第一側近で。まあ、勉強も出来る。魔力も大量、我が国唯一の、雷魔法を使える者だ。アメリアとベルの奪回の折りにわかったが、いざと言う時に頼りには、なる。


 アメリアが絡まなければ。


 はぁ。


「アメリアは、ベルと一緒に居るから、大丈夫だ。アメリアと婚約したんだろう?変な虫も付かないから、心配するな」


「いえ、見ると至福なので」


「そう言われると、私もベルを見たくなるじゃないか」


 2人して、アメリアとベルを見ていると、ベルがこちらを見て、嬉しそうにニッコリ笑った。

 ああ、可愛いな、ベルは。

 それに気付いたアメリアは、こっちを見ると、扇を畳んで、シッシッという風に軽く振った。

 相変わらず失礼な奴だ。私は、王太子な上に、聖者認定されたんだが。

 

 しょうがないので、振り向くと、おずおずと同じ年頃の者達がやって来た。先だって行われた側近候補者を決めるお茶会で話をしたメンバーだ。


「久し振りだな。ジェラルド、デューク、ゴンザレス」


 赤い髪のウェステン公爵家(外交官)の次男、ジェラルドは、5歳。

 薄い緑の髪のサウスト公爵家(宰相)の3男、デュークは6歳。

 黒髪のエンドーバー侯爵家(騎士団長)の末っ子にして長男、ゴンザレスは5歳だ。


 後は、追い追い選ぶ事になる。もう1人位、いても良いな。魔術師を纏めるのは、あぁ、ベルの兄の、


 ハリザード・イースタン 12歳


 別名 『樹氷の貴公子』


 何をやったら、そんな異名が付くんだ?


「ハリザード、ひいお祖母様に、お会いした時以来だな」


「婚約式に、参列しておりましたが?まあ、もっとも私は、白いドレスが美しく映える、輝くばかりだったベルリーナしか見ていませんでしたが」


 同感だ。私も、大司教のじい様を見ても、つまらんから、横目でずっとベルリーナに見惚れていたな。


「これで、一通りか。いや、教会に関する側近が欲しいんだが」


 大司教のじい様が、ベルとアメリアを囲む令嬢達の中に手を突っ込み、令嬢の1人を引っ張り出し


 あれは、男の子か?


「私の曾孫のクレス、5歳です。お見知り置きを」


 私の足元に放り落とした。ボトっ。


 こいつは、一体、小さな令嬢達の真ん中で何をしてたんだ?


「はぁ。ベルリーナ様とアメリア様のご尊顔を近くで拝もうと思ったのに」


 あぁ?何を言っている?私のベルに、何を?


 私の側で、静電気がピリピリし出した。


「セルマン、お前は落ち着け。私も同感だが、今は抑えるんだ」


「当代の聖女が男だなんて。聖女は、アメリア様やベルリーナ様で、良いじゃないですか」


 座り込んだまま不貞腐れるクレスの頭に、大司教のじい様が、杖を振り下ろした。


「痛っ!ひいお祖父様。横暴ですよ」


「女神様の思し召しだ、クレス」


「女神様は、そんな事仰って……あー、仰ってマスね。はい。すいません、女神様」


 クレスは、ブツブツと呟いていた。


「大司教、この者じゃないと、駄目なのか?別の候補者は、親族に居ないのか?」


 私は、クレスを見下ろした。


「王太子殿下、次代の大司教は、この者に決まっております故。何しろ、女神様の声が聞こえるのは、私と、このクレスのみです」


「で、大司教。女神様は何と?」


「愚図る様でしたら、多少、手荒に扱っても良しと、思し召しです。王太子殿下」


 よしっ!女神様の許可は貰った。


 慌てて立ったクレスの周りに、一瞬で氷の檻が生え、氷の周りに雷の電気が幕を張った。檻から手を出すと、外側の電気が彼を襲う。


「暫く、そこで立っていろ。私は、側近候補達を連れて、ベルリーナとアメリアの元に挨拶に行こう」


 クレスが、何か喚いていたが、放っておこう。ライバルは、早い内に排除しなくては、な。





「ところで、ハリザード、樹氷の貴公子の異名の由来は、何だ?」


「おそらく、学園のチーム戦実習で、先程の様に、氷の柱を山程生やして敵チーム全員を閉じ込めたからじゃないでしょうか。今日は場所が狭いので、小規模にしておきました」


「そうか」


「狭いと、身動きが取れなくて、大変そうですね。セルマンとは、良いチームが組めそうです」





 この世界では、女神様とお話出来る=お気に入りというわけでは、なさそうです。

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