ワイバーンライダーのススメ
読みに来て下さって、ありがとうございます。
他の連載が一つ完結したので、こっちに集中します!がんばります。
ひいお祖母様と、ひいお祖父様は、ワイバーンライダーである。
大体、そもそも、魔獣であるワイバーンをどうやって騎獣にしたのか?
まあ、私の前世の記憶にある限り、エルディアナは、小さい頃から、乗れそうな魔獣には片っ端から乗っていたので、何となくわかる気がする。
だが、この髭だらけのごっついマッチョなじい様が、どうやって、ワイバーンを手懐けて乗っているのかが、すごく不思議で仕方ないわね。
「ひいお祖父様。ワイバーンをどうやって捕まえたんですの?」
「そりゃあ、もちろん、拳と根性だ」
拳と、根性。
根性論が出てくるとは、思わなかったわね。
「ワイバーンと不眠不休で闘い、ワイバーンが諦めた」
そう言えば、ひいお祖母様との結婚の話も押せ押せの根性話だったわよね。
「エルディアナに求婚した時も、拳と根性が役にたったぞ」
求婚に、拳と根性が……。
「まず、聖女様の予言に従って、エルディアナを探し当てるまでに魔獣や魔物を倒し続け、根性でエルディアナの家を見つけ、一目惚れして求婚して蹴り出され、家の隣に野宿し、エルディアナが起きる前に獣を狩って、飯を作って献上し、薪も作り、畑や家畜の世話もやりあげて、毎日毎日頑張っていたら、エルディアナが根を上げた」
押し掛け旦那だったんだよね。
「私のやる事が無くなっちゃったのよ。酷くない?何もやる事が無い日が、来る日も来る日も1ヶ月以上続いて、とうとう根を上げたのよ。『結婚するから、私の仕事を返して頂戴』って。悪い人じゃないし、しかも好みのど真ん中のイケメン。貴族のお坊ちゃんなのに、家事も狩りも農作業も、家の修繕もお手の物。それに、絆されちゃったのよね」
「イケメン?髭だるまの?」
「ほら、ベルリーナも言ってるでしょ?いい加減、ちょっと髭剃ってらっしゃいな。じゃないと、キスしないわよ。髭って、くすぐったいんだから」
ガハガハ笑って、ひいお祖父様はネトラスに桶に水を持ってきて貰い、腰の鞄からナイフを出して髭を剃った。
器用な爺様だわね。
出てきた顔は、いかつい顔のイケメン爺だった。考えたら、父上やお兄様、ライ殿下と血が繋がっているのだ。まあ、大概、イケメンだわよね。
「ほら、ベルリーナ。イケメンになったひいお祖父様にキスしておくれ」
「え、嫌だし。ベルリーナ、お兄様とライ殿下以外には、キスしない主義なの」
ひいお祖父様は、ショックを受けた顔をしていたけど、知らない、知らない。
ライ殿下を襲った奴には、私は容赦しないんだから、ね。プンプン。
「そうだわ、皆でワイバーンに乗ってみない?私やタンディンと一緒なら、安全よ」
私達は、ひいお祖母様のワイバーンに群がった。
「私のワイバーンも、カッコいいぞ!ほら、誰か乗らないか」
誰も、ひいお祖父様の元には行こうとしない。ライ殿下が、あんな目にあった後なんだから、当然よね。
「ほら、ほら。ひいお祖父様の所へも、おいで」
必死で私達に手招きする、ひいお祖父様を見兼ねたのか、フレンが、仕方なそうにひいお祖父様の元に向かった。
あの男爵の元から子供達を救いだした事といい、フレンは面倒見が良いらしい。
うん、ひいお祖父様の事は、よろしく。私達には、ムリ。付いていけない。
「この中だと、私が一番丈夫だからな」
フレンが、溜め息を吐いた。
がんばれ、フレン。生きて帰るのよ。
私もひいお祖母様のワイバーンの元に行こうとしたら、ヒョイと何かに掴まれ、放り投げられる。
イカロスが、いつの間にか元の大きさに戻っており、私とライ殿下は、イカロスの背中に着地した。
「龍は、ワイバーンよりも上位だからな」
え、ワイバーンにも乗ってみたかったのに。
「良いか、龍とワイバーンだと、龍の方が珍しくて、強くて、賢くて、美しくて、格好良くて魔力も凄くて、長生きで」
はあ。
「とにかく、主と主の亭主は、我の背中に乗っていろ」
ヤキモチね。浮気は、するな、と。OK。
「よし。龍よ、私と勝負だ。拳と根性で決着を着けよう」
ひいお祖父様が、イカロスに拳を突きつけた。イカロスは、プイっと、横を向き、更に私の方を見て、満足そうにニヤリと笑った。
「我の主は、もう既に決まっておるのでな。お主とは、勝負は、せぬ」
ひいお祖父様は不満そうだが、別の龍を当たって欲しい。
「因みに、私の主もベルリーナだからな」
ひいお祖父様とひいお祖母様が、ビックリして、フレンを見た。フレンは、両腕を前で組み、フムフムと頷いている。
「龍も、私も、ベルリーナと主従契約を結んでいる。出来るなら、私がベルリーナを背中に乗せたい程だ」
いや、フレンの背中には、乗らないからね、私。
皆、変なところで張り合わないで欲しい。
「私の背中にも乗っていいんだぞ、ベル」
「ライ殿下と私は同じサイズなので、私が乗ったらライ殿下は潰れてしまいます。大きくなったら、乗せてください」
「そうか?いつでも乗って、いいからな」
とりあえず、張り合いたい男性陣でした。
『鏡よ鏡。世界で一番美しいのは、鏡の精です』完結しました!
全12話の話です。よろしかったら、読んでみて下さい。




