元魔王のヒエラルキーの位置が、どんどん下がっていく
ヒエラルキー3番目に横入りしたキャラの登場です。
前世魔王のベルリーナです。先程、自分のヒエラルキーの位置がもう一つ下なのを思い出しました。魔王って、何なんですかね?まあ、元魔王で、今はただの5歳の公爵令嬢ですが。おまけに、国の第一王子の婚約者なんですが。
「ベルリーナ、ふんぞり返ってドヤ顔してないで、ちょっとは反省した方がいいぞ」
「はい、叔父様」
今現在、私は、お家に帰る馬車の中。私の隣には、父上。私の向い側に座っているのは、魔術師団長の叔父上アルジャーノン・マクリスター魔術伯です。叔父上は、私のお母さまの弟で、私とお兄様の魔術の師匠。お母さまと同じオレンジ色の髪に金色の瞳、独身貴族の売れ残りの中でも断トツ1位の人気者らしいです。本人曰く。
ヒエラルキー的には、お母さま>父上>叔父上>兄>殿下>メイド長>元魔王の私。元が付くからでしょうか?魔王のヒエラルキーの位置が、どんどん下がっていく気がします。
「それで、アルジャーノン。ベルリーナの作った魔道具は何なのだ?」
「手下です。父上」
「お父様と呼びなさい、ベルリーナ。で、どうなんだ?アルジャーノン」
「まあ、ベルリーナの言うように、手下だよな。うん。殿下とベルリーナの魔力を融合した物体で、盾と守りに特化、魔力を反射までしてくれて、敵を見分けるとか、ちょっとした知能もあるんじゃないのか?あれ」
「前の奴より、進化したと言うことか?アルジャーノン」
「しましたね。ドヤ顔してないで、後で部屋を見せろよ、ベルリーナ」
ふんすふんす。元魔王だから、手下作りは、お手のものなのだ。
その内、てるてるぼうず軍団でも作ろうかな?あー、でも、手足が動いて歩ける手下がいいな。羽があって、飛べる奴もいいな。何より何より、可愛い手下が欲しい。てるてるぼうずも結構可愛いけどね。魔王時代の手下は、私が適当に作ったものが多く、可愛くないものも多かったのだ。人間になって、美意識が目覚めたのかも知れない。
「何か録でもない事を考えている顔をしてるぞ、ベルリーナ。大体、何故急に殿下と手下を作ったんだ?何かあったのか?義兄上、何か把握しておられますか?」
「わからぬ。殿下もベルリーナも、ただ、一緒に作ってみたかったとしか言わぬ。どうなんだベルリーナ?」
「私が『一緒に手下を作ってみますか?』と殿下にお聞きしたら、殿下が『作る』と仰ったので、2人で作りました。まる。」
「怪しすぎるだろ。嘘は言ってないが、隠し事は有りそうだな。何かあったら問題があるから、義兄上、俺は今日は王城に泊まり込みます」
明後日の方向を向いていた私の顔を自分の方に無理やり向かせた父上は、顔を近づけて私を根目付けた。
目、逸らしていいですか?あ、駄目ですか。
「王城での魔法の使用は禁止されていると、以前お前に話した筈だが。覚えていないのか?よもや、庭だから良いのでは?と思った訳では、ないだろうな?言い訳は聞かぬからな」
そー言えば、そんな話しもあったような気がする。元魔王、中身505歳なのでわかんないや。健忘症ですかね…
ベルリーナ、ベルリーナ。話を考える時に咄嗟に付けた名前ですが、何処かで聞いた名前だなあと思ってました。よく考えたら、某ゲームのイベント限定キャラの名前だな。ベルリーナの前世の魔王(女)の本性は、孔雀(@ ̄□ ̄@;)!!