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元魔王な令嬢は、てるてるぼうずを作る  作者: Hatsuenya


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元魔王な令嬢、新しい手下を作る(令嬢達のタイマン、4回戦目)

 読みに来てくださって、ありがとうございます。


 ベルリーナ、アメリアと仲良しになる為に頑張ってます……?



 以後のタイマン勝負は、庭でする。令嬢らしい勝負をする。と言う約束の元で、勝負は続けられる事になった。

 男は、拳で語る。と、前世で爺やがヤンキー族と語り合ってたけど、女も拳で語り合えるのね。何だか、嬉しい。

 もう、アメリア嬢とは友達と言っても良いわよね。


「ベル、何かキラキラしい笑顔をして、むちゃくちゃ愛らしいが、恐らく、お前の気持ちはアメリアには一欠片も通じてないからな」


 え?私とアメリア嬢は、親友ですのよ、親友。にっこりとアメリア嬢の方を見てみると、怪訝な顔を返された。


「何をニヤニヤされているのかは、わかりませんが、勝負は、まだまだ続きますのよ。次は、そうですわね。令嬢らしい……令嬢と言えば、使用人。使用人がいかに優秀な人物であるかも重要だわね」


「アメリア、それは、すでにタイマン勝負にならないのでは?」


「使用人同士のタイマン勝負ですわ!こちらはセルマン。私の侍従見習いよ。どう、セルマン?あなた、自信は、あって?」


 アメリア嬢は、自分の後ろに立っていた少年を振り向いた。

 お兄様と、同じくらいの年齢かな?グレーの髪に黒い目で、よく見ると少し異国風の風貌をしている。


「お嬢様のお為であれば、何なりと」


 セルマンは、不遜な表情で笑った。アメリア嬢に対して笑ったのか、私に対して笑ったのか分からないが、何となく嫌な感じがする。


「あー、アメリア?ベルは、城に使用人を連れて来ていないぞ」


「まあ、そうですの?でもラインハルト殿下、イースタン公爵家の馬車の後ろを、イースタン公爵家御用達の馬車が付いて来ていたのを見かけましたわよ?」


 そうアメリア嬢は、殿下に返した。


 あー、そう言えば、ガイがうちの庭の収穫物を、魔法薬剤師局に納めに行ったんだっけ。

 んー、でもな~ガイは、ねー。まあ、ちょっとは協力してくれるかな?


「わかりました。そう言えば、魔道具製作部長。紙ひこうきの使用許可は、出たんですか?」


「魔法省内であれば、重要書類以外は紙ひこうきで飛ばしてもいいって許可をもぎ取ったよ、ベルリーナちゃん」


「では、アメリア嬢、ちょっとお待ち下さいね」


 私はガイに手紙を書き、紙ひこうきにして飛ばした。


「今のは、何ですの?ベルリーナ嬢」


 アメリア嬢は、ビックリして私を見た。セルマンの方は、興味津々で私を眺めた。


「紙ひこうきですわ、アメリア嬢。書いたお手紙を、宛名の相手まで確実に飛ばすことが出来ます」


「便利で楽しいですよ~。ね、ラインハルト殿下」


 部長が、ニコニコと嬉しそうに殿下に同意を求めた。

 

「確かに便利で楽しいが。部長、お前が言うと、何故か釈然としないな」


 不審そうに、殿下が部長を見つめた。

 部長が、どういう事に紙ひこうきを使っているのか、私は知りたくない。前回、私の父上に紙ひこうきを送って、父上にカンカンに怒られてたものね。

 




 程なく、ガイが台車を押してやってきた。


「ごめんなさいね、ガイ。お使い頼んじゃって」


「失礼しやす。お嬢様、ご要望の物をお持ち致しやした」


「久しぶりだね~ガイ。今は、イースタン公爵家で働いてるんだって?」


「魔道具製作部長、お久しぶりでやんす。今は、あちらでお世話になっておりやす。では、あっしは、これで失礼致しやす。お嬢様、今日は、もうしばらくは魔法薬剤師局におりやすので、ご用の際は、またお声掛け下さいやし」


 ガイは、嫌そうに、そそくさと帰って行った。

 部長と知り合いだったのね、ガイ。でも、本当に嫌そうだったけど、部長はガイに何をしたんだか。


「で、これは何だ?ベル」


 手押し車に積まれた物を見て、殿下が不思議そうに私に訊ねた。


「はい、私の使用人ですわ、ライ殿下。まあ、正しくは、今から作る使用人の材料ですけど」


「ベル、また新しく作るのか、手下を」


「ベルリーナちゃん、僕もかぶり付きで見学させてもらうね」


 殿下と部長が、食いついてきた。アメリア嬢は、更に怪訝な顔をしている。

 ふふふふふ。さて、使用人(手下)を作りますよ~。


「ベルリーナ嬢。使用人の材料とは、どういう事ですの?先程の者は、貴女の使用人なのでしょう?彼に頼めば良かったのでは、ないの?」


「ガイは、うちの庭師で、城での用事もあるので忙しいんです。私の側にずっと居させる訳には、いかないので、私の使用人は、今から私が作りますね。少々お待ち下さいね、アメリア嬢」


 手伝いを申し出てくれたライ殿下と部長には、今回はお断りさせて貰いました。何しろ、これは、私とアメリア嬢のタイマン勝負。使用人も、私の使用人じゃないといけないよねー。


 アメリア嬢の侍従見習いのセルマンが12歳程なので、小さめの侍従服を用意してもらった。その中にドンドン藁を詰め、手袋、ブーツにも藁を詰めて、服の手足部分に棒で差し込む。頭の部分には、布袋に藁を詰めて、藁は少し外にはみ出させて髪の毛代わり。顔を描いて、棒を首代わりにして身体に連結させると


「魔力を込めますね。

 『案山子よ案山子。お前の名前は、セバス。我が使用人となり、私の手足となり目となり、私を手伝っておくれ!さあ、目覚めるのよ、セバス!』」


 案山子さんの出来上がり~。


「な、何なんですの!?」


「アメリアじゃないが、案山子とは何だ、ベル?新しい手下か?」


「一種のゴーレムの様ですね、殿下」


 部長が、何故かニヤニヤしてライ殿下に言った。

 むー。部長が何か企んでる気がするのは、私だけ?

 殿下も、部長を不審そうに見ていた。

 そーですよね。部長が、怪しいです。うんうん。


「で、案山子とは何なのだ?ベル」


「元々は、畑を荒らす害獣とか酔っ払いを追い散らす為の人形なんですが、今回は、走って、踊って、お使いが出来る様に作ってみました」


 前世で魔王だった頃に爺やに習って作ってたな~。畑にイタズラする者を追っ払う為に、作っては、畑の真ん中に立ててたわね。今回は、歩く必要があるから、畑に突っ立てる棒は付けてないけど。


 さあ、アメリア嬢。どんな難問でも、ドンと来いですわ!







「やったー!新しい道具だぞ、副部長」


「あんまり興奮すると、子ども達がビックリしますから、落ち着いて下さい。部長」



 やっと、手下が三段階目の進化を遂げました。いつか、可愛い手下を作って欲しいな~。

 その前に、ベルリーナの美意識を育てるのが先かもしれません。

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