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令嬢達のタイマン勝負、2回戦目

 読みに来てくださって、ありがとうございました。


 今日は(昨日は)、投稿が間に合いませんでした。惜しかった~もうちょっとで間に合ったのに。



 ほぅ、と桃とリンゴを堪能した王妃様は、お茶を飲んで一息付いた。


「これも、リンゴの効用かしら。肝心の事を思い出したわ。さて、私がこのお茶会に来た本題に入るわよ」


 そう言いながら、王妃様は鋭い目付きでアメリア嬢の方を見た。


「今朝の王城のエントランスでの騒ぎについてだけれども、一体全体どういう事なのかしら。そもそも、アメリア、貴女は今日は登城の予定はなかった筈よ」


「昨夜、お祖父様から、ラインハルト殿下がイースタン公爵令嬢と婚約したと聞かされて、ビックリして、じっとしてられなくて、ラインハルト殿下に、どういう事なのか聞きに来ましたの。だって、私がラインハルト殿下の婚約者になる筈でしたのに」


 やっと落ち着いてきていたアメリアが、再び興奮し出した。


「そこが問題なのよ。アメリア、そもそも、誰が、貴女とラインハルトが婚約する事になっていると言う話をしたのかしら?」


「お祖父様ですわ。前に、私がラインハルト殿下が好きだと言ったら、お祖父様が殿下と婚約させてやるとおっしゃって。そして、お茶会の日に婚約するはずだったんですの。

 その為に、私はお作法に、お勉強、魔術の練習、楽器に歌にダンス、チェスも出来れば刺繍も完璧!……を目指して日夜ばく進中ですの。まだ、ちょっと何なんですけど、もうちょっとがんばれば、完璧になりますのよ、きっと」


 アメリア嬢は、自分のお茶を見て、ため息を吐いた。


「私、ラインハルト殿下の好きな難しい言葉も、お勉強してるんですのよ。なのに、殿下は、いきなり、ベルリーナ嬢を嫁にするって言うし。ラインハルト殿下もラインハルト殿下です。私、ラインハルト殿下に以前から『大きくなったらお嫁さんにしてくださいね』って、言ってたのに」


「そして、私はアメリアにそう言われる度に『嫌だ』と答えていたな」


 ライ殿下の目が虚ろになっていた。


「殿下は、いつも照れていらっしゃって」


「アメリア、私はいつもキッパリと断っていたぞ。全然、その気がなかったからな。本当だからな、ベル」


「殿下の様な方を、ツンデレと言うんだそうですよ」


 両頬に手をやり、夢見る様に顔を赤くして目を瞑って、ウフフと、はにかんで笑いながら、アメリア嬢は言った。


「私は、ベルに対しては、自分で言うのもなんだけど、デレデレのデレだと思うんだけと?母上も、アメリアに何とか言ってください」


「まあ、ラインハルトは確かにベルリーナに対してデレデレのデレデレだわね」


 王妃様までもが、ライ殿下のデレに対してうなずいた。

 殿下がツンデレかデレデレかどうかは、私にはわからないけど、私と殿下はラブラブのラブラブですわね。


「おまけに先日は夢の中で、プロポーズもしてくださって。私、婚約する日を楽しみにしてましたのに」


「アメリア、それ自分の夢なんだろう。アメリアの夢の中でプロポーズって、私は全然、全く関係ないからね」


 相変わらずアメリア嬢は、ニッコリ微笑んで、目を瞑ってウフフと明後日の方向を見続けている。


「だって、ラインハルト殿下、こう言うのを意思乱心って、言うんでしょう?」


「多分、それは『意思乱心』じゃなくて『以心伝心』の事だと思うけど、私とアメリアの間は、ちっとも以心伝心してないからね!?

 と言うか、お前の場合は、本当に意思が乱心してるからな」


 殿下は、とうとう頭を抱えて唸り出した。王妃様は、片手を自分の額にやって、目を瞑ってしまっていた。


「と言うわけで、ベルリーナ嬢!タイマン2回戦目ですわよ!覚悟なさいませ」


「母上、私では、もうムリです。アメリアを何とかして下さい」


「もう、そのまま、とことん納得するまでやらせるしかないんじゃないかしら。ベルリーナは、どうなの?」


「むしろ楽しいので、目一杯アメリア嬢とタイマンさせて欲しいです。お友達だし」


 もう、これだけお話ししたら、お友達認定で良いよね!?それともライバル?ライバルなの?ふふふふふ。


「ベル、どうせまたいらない事を考えているようだが、いいか?アメリアに常識は通じないからな」


「ライ殿下、巷では、王子様の婚約者は、悪役令嬢と呼ばれるそうです。そして、そのライバルに、王子に面白い女と呼ばれるヒロインと言う方がいるそうです。そして、王子様とヒロインは結婚し、悪役令嬢は王子様に婚約破棄されるそうですよ」


「ベル、侍女達が言うには、最近では賢く美しい悪役令嬢と呼ばれる悪役令嬢が、何だかよくわからない常識外れのヒロインを逆ざまあとか言うのをするのが、流行っているらしいぞ。だから、今、ベルが考えていることは、どう言う事にせよ、却下だ」


 ライ殿下が、私をそっと抱き締めた。

 むう、ダメなのか。ここは、そっと涙を飲んで……ライ殿下は譲りませんけどね。


「王妃様。魔力測定器をお持ちしました」


「あら、魔道具製作部長が直々に持ってきてくれたの?ベルリーナ、貴女、まだ魔力測定をしてないんですって?アメリアも、まだだったでしょう?」


 あー、部長だー。何か、ウィンクしてる~。

そして、何か嬉しそう。


「ベルリーナちゃんの魔力を測れるなんて、嬉しいな~。果たして、どれくらい光るんですかね~」


 部長は、ぐふぐふ笑いながら、テーブルの上にクッションを置き、人の頭大の水晶玉をその上に置いた。


「まあ、この魔力測定器も、もっと便利にしたいんですけど。中々、開発が進まなくて。

 とりあえず、水晶の上に手を置いて下さい。まずは、前座のアメリア様からどうぞ」


「前座?それ何?私が優先ってこと?

 おーっほっほっ。ベルリーナ嬢、私の魔力をとくと見るがいいわ!」


 アメリア嬢が水晶に手を置くと、白い光がピカッと輝いた。


「おや、光魔法とは、珍しい属性をお持ちで。魔力も一般の貴族よりも高いですね。中々、中々」


「おーっほっほっ。切り傷、擦り傷、打ち身まで、治療は得意ですのよ」


「はいはい、お疲れさまでした。後程、光魔法の研究員が、お迎えに上がりますので、ご協力よろしくお願いします」


「よろしくてよ。何だかわかりませんが、お待ちしておりますわ」


 アメリア嬢、ダメだって、それ、モルモット……。


「ささっ、ベルリーナちゃん、ちゃんとここに手を置いてね」


 部長の言う通りに、水晶の上に私が手を置くと


 辺り一面光に包まれて、目が眩み、一瞬、何も見えなくなった。

 眩しすぎるわよ、これ。


「えーと、何の魔法に特化しているのか眩しすぎてよくわかりませんが、魔力だけは、私が見た中でも過去一番強いと言うことがわかりましたね。流石、ベルリーナちゃん。規格外過ぎて、笑えないね~」


「眩しすぎて、目が、目が!

 わかったわよ!潔く敗けを認めるわっ!

 タイマン第2回戦目、私の負けよっ!」


 何か、なし崩しに勝負が始まって、いつの間にか終わってしまいました。


 ちょっと、残念です。

 





「副部長、やっぱり新しい魔力測定器を早く作らないとねー」


「しかしながら、担当職員が凝りに凝って中々仕上がらないんですよ。顔に付けれる片眼鏡の様なもので、数値式にして、属性も文字で視れる様にしたいとか」


「ああ、あのいつも『闇が俺を呼んでるぜ』とか『悪魔の呪いが俺を蝕む』とか、いきなり叫んでる奴だっけ?賑やかな奴だよね」


「何か、メガネの形が気に入らないとかで、中々完成しないんですよ」




 早く、完成して欲しいな~新しい測定器。測定器、何を基準に測定してるんでしょうか。長さとか、重さとかと一緒で誰かが決めたんですかね。

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