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元魔王な令嬢は、てるてるぼうずを作る  作者: Hatsuenya


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公爵令嬢達は、タイマン勝負を挑む

 読みに来てくださって、ありがとうございます。


 誤字脱字勘違い語録の令嬢アメリアです。でも、5歳なんて、そんなもんです。



 本日はお日柄も良く、王城の庭の1つでお茶をする事になりました。

 メンバーは、ライ殿下と私ことベルリーナ、そして、アメリア・ノースター公爵令嬢です。

 殿下とアメリア嬢のお祖父様であるノースター公爵は、

『秘密裏に孫のライ殿下とアメリア嬢の婚約を画策していたのではないか?』

 と言う疑いを受け、私のお父様のイースタン公爵と叔父上である魔術師団長に、国王陛下の元に引っ張って行かれたのでした。

 仮にも殿下の従姉妹であるアメリア嬢を放って置く事もできず、私達は急遽、お茶会をする事になったのでした。


 薔薇の咲き乱れる王庭でのお茶会。後程、都合が付き次第、王妃様も参加されると言う豪華絢爛なお茶会です。


「まあ、言うなれば、家庭内での尋問だな」


 と、ボソッと殿下が呟いていましたが。


 とにもかくにも、女の子とお茶会。しかも、同い年の、同じく公爵令嬢!これは、お友達が出来る予感です!


「大体、貴女、王家への手土産が、リンゴと桃って、どういう事なんですの?」


 アメリア嬢は、私を蔑む様に見て、そう言った。

 私は、先程、今朝熟したばかりのリンゴと桃を手土産として侍女に厨房に持っていって貰っていた。そう、私の家庭菜園の、あれである。


「アメリア、イースタン公爵家のリンゴと桃だぞ?市場になど出回らない、王家でも、母上と父上しか試食した事のない極めて貴重な品だ」


 国王陛下と王妃様、あれを試食したんだ~。

 まあ、桃とリンゴは食べても問題ないし。桃は、ちょっとお肌がプルプルになって、元気になるだけで。リンゴは、ちょっと脳みそが活性化して、記憶力が良くなったり。どちらも、一時的なものだけど。

 橘の実は、流石に怖くて手土産には出来なかったんだよね~。『あれ』から出来た実だし、どんな効用があるか恐ろしくて、全部、魔法省に持って行って貰ったわよ。


「たかが、リンゴと桃でしょう?ラインハルト殿下」


「食べてみれば、わかるのではないか?因みに、私は昨日、イースタン公爵家のラディッシュを食べたが、スゴかったぞ。1つ食べただけで、元気もりもりになった」


 あー、あれですよね、ライ殿下。手とか足とか生えてて顔まで付いてるやつ。まあ、元気にはなりますよね、あれ。体力、魔力、精神力が全回復するんでしたっけ。


「私、ラディッシュは、ちょっと苦手です」


 アメリア嬢……食べない方が良いですよ。もし、万が一にでも食べなきゃならない場合は、目を瞑って食べる事を、オススメします。


「噂では、ベビーキャロットも有名なんだそうだが、あれは、どんな効能があるんだ?ベルリーナ」


「ちょっとした怪我や、風邪などのちょっとした病気は、たちどころに治ってしまうそうです。ライ殿下」


 それって、絶対、病原菌が尻尾を巻いて逃げ出してるんじゃなかろうか。怪我の方は、知らないけど。


「どれだけスゴくても、所詮、お家自慢ですわっ。貴女がスゴいわけでは、なくてよ!」


「アメリア、野菜や果物を作っているのは、ベルリーナだぞ?」


「はい、種子を蒔いて、水をやり、歌を歌って成長を促します」


 アメリア嬢の目が大きく開いて、次いで口も開いた。


「あ、貴女、庭仕事をしているの!?淑女のか、川上にも置けなくてよ!」


「落ち着け、アメリア。『川上』じゃなくて、『風上』だ。はあ、まったく。ベルの祖父は魔法薬剤師長で、魔法薬の材料の一部をベルが作っているのだ。この度、その業績が認められた事もあって、私との婚約を父上に許可された。

 大体、人の趣味にケチを付けるな。お前だって、好きな事の1つくらいあるだろう?

 まあ、それより何より、私がベルに惚れ込んだのだがな!」


 殿下は、私の方に身を寄せて、私の肩をぎゅっと抱き寄せた。そして、私の顔をじっと見ると、ニッコリ笑った。

 正に、天使の微笑み。殿下、可愛い~。

 惚れ込んでるんですか。ちょっと照れます。


「ラインハルト殿下の婚約者になるには、それだけじゃダメなんですのよ!ブンブン領土、美人シュウマイ、踊りもこなせば、歌は天をも揺るがす」


 殿下は、溜め息をついて私を抱き込み、私の頭の上に頬っぺたを置いて、すりすりした。


「もう、嫌だ。いくら私でも、理解不能だよ。アメリアは、いつも、こうなんだから。

 多分、『ブンブン領土』は『文武両道』?『美人シュウマイ』は『眉目秀麗』だと思うけど、『踊りもこなせば』は良いけど、『歌は、天をも揺るがす』って、揺るがしてどうするんだよ。天災でも、起こしたいわけ?」


 まあ、アメリア嬢は私にも確かにちょっと理解不能だわ。これでは、どちらにしろ、殿下の婚約者には、不向きよね。

 尤も、譲る気は、もうとうございませんがっ。


「とにかく、勝負よっ!ベルリーナ嬢!あんまんよ!はしで勝負なさいっ!」


「アメリア、ひょっとして、『タイマンよ!サシで勝負しなさい』って、言いたいわけ?それでも、それって、王家じゃないと通じないからな」


 『タイマン、サシで勝負』。魔王だった頃に、爺やが私の手下のヤンキー族と一緒に、よく言ってたわね。懐かしい。


「一対一の二人だけの勝負、『タイマン、サシで勝負』、受けて立ちましてよ」


 任せて下さい、ライ殿下。

 ベルリーナは、負けませんとも!タイマンよーっ!えいえい、おーっ!

 愛は勝つ、ですわねっ。


「ああ、もう。ベルまで。はあ、まあ、いいか。ベルなら、何とかなるかな」






 アメリアのうろ覚え語録、考えてて楽しかったです。

 『タイマン、サシで勝負』は、魔王の孫である、この国の元女王が言ってたんじゃないかと思います。魔国での伝統が、何故か、この国の王家の伝統に( =^ω^)

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