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家庭菜園は、待ってくれない

 読みに来てくださって、ありがとうございます。


 今日は、出先の電車の中で書いていたお話です。電車酔いはしませんでしたが、外をいっぱい歩いたので、熱中症気味です。皆さんも、暑いので気を付けてくださいね。



 ただいま~。お家に戻りましたベルリーナです。

 馬車を降りると共に、屋敷の者達が並んでお出迎えです。

 父上が一緒なので。

 何せ、由緒正しき公爵様です。お祖母様は、降嫁した元王女様ですし。と言うことは、父上と国王陛下は、従兄弟?私とライ殿下は、はとこ?又従兄弟?

 ちゃんと後で、お兄様に聞いておこう。もうすぐ、王国立学園から帰って来る筈。

 でも、先ずは、着替えて家庭菜園へ。私の野菜作りは、我が家の収入源の1つですからね。お仕事、大事。



 私の庭である家庭菜園は、閑散としていました。何なら、ヒューヒューと風が吹いているだけ?

 あ、木はちゃんと立っていた。ちょっと元気がない様に見えたけど、私が近づくと、ダレンと繁る葉が明ら様にビシッと元気になり、ワサワサと風に関係なく揺れ動き、目の前で実が色づき始めました。

 相変わらず、怪しい木達です。生っているのは、各々、リンゴと桃ですが。


「ささ、お嬢様。こちらの種を、お願いしやす。雑草は、全て退治しておきやしたので」


 庭師のガイが、血塗れのバトルアックスを傍らに立て掛けて、種子の袋を私に手渡した。

 相変わらず、どんな雑草が蔓延っているのか謎だわよ。


「日が暮れる前にお願いしやす」


 育つのか?それで。うちの野菜は、日光とか必要無いのか?違うものが出来ても、知らないからね。


 時間短縮の為とかで、私が歌を歌いながら種を植えて水をやり終えた頃には、太陽が見えなくなっていた。

 夜行植物とか生まれても、知らないからね。


 さて、学園から帰ってきたお兄様を、お出迎えです。


「ただいま、ベルリーナ。今朝は、私が気付いた時には、すでにお前がいなくて、兄様は悲しかったんだよ?」


 そう言いながら私をだっこしたお兄様は、私の頬にキスをした。私も「お帰りなさい」とお兄様の頬にキスをする。

 私のお兄様、ハリザード・イースタン。父上譲りの銀髪に、お母様譲りの金の瞳。両親の美貌も相まって、キランキランな美少年である。

 小さな頃から両親が忙しくて家に居ない私には、6歳年上のお兄様は母であり父であった。添い寝をしてくれたのも、お兄様。絵本を読んでくれたのも、ハイハイや歩くのもお兄様に教えて貰ったらしい。小さすぎて、その辺の記憶はちょっと危ういが。

 まあ、字を読んだり書いたりするのを教えて貰った記憶は、ある。ありがたい話である。

 お兄様は、叔父上からは『シスコン』と呼ばれているが、どっちかと言うと私の育ての親的な人なんですよ。うん。


「先ほど、父上から聞いたんだけど。第一王子殿下と一緒のベッドで眠ったんだってね。おまけに、『あーん』で互いにおやつを食べさせあったり、頬に挨拶のキスとか。

 明日、私が王城に行って、殿下を絞めて来ようね」


 プルプルプルプル、私は首を振ったが、お兄様の目が据わっている。本気ですね、お兄様。

 私のヒエラルキーでは、ライ殿下は、お兄様より下の順位なので、許してあげてください。


 皆で家族揃って楽しい晩ごはん……の筈ですが、叔父上、どうしてここにいるの!?捜査で忙しい筈では?


「ここんちの晩ごはんが、一番旨いんだよ」


 そう言う叔父上を見て、父上が、ちょっと嫌そうな顔をしていた。




「今日は、泊めてね。姉さん」


「だから、さっさと、嫁を、お貰い!」


「お母様、叔父上は残念イケメンなので、ムリです」




 ベルリーナは、常に叔父に塩対応気味。



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