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元魔王な令嬢は、てるてるぼうずを作る  作者: Hatsuenya


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初めての共同製作

いよいよ、てるてるぼうず作ります。

「そんなの、どうしてわかるんだ?」


「本能?野生の勘?」


 私がそう言った途端

 殿下からの、拳骨、頭のてっぺんに再び頂きました~。殿下、横暴!紳士にあるまじき淑女の扱い。


「令嬢が、本能とか野生とか言わない!」


 うう~。泣いていいですか~?


「黙ってれば、むちゃくちゃ可愛いのに」


 そうなんです。お兄様にも、よく言われます。きれいでカッコいい兄ですが、これまた、怒らせると元魔王の私でも怖い方です。


「可愛いって言ってもらいましたので、ちょっと嬉しいので、ここで、ご提案です。頭のてっぺんは痛いですが」


「ああ、すまないベルリーナ。大丈夫か?ちょっとやり過ぎたな」


 慌てて、殿下が私の頭をよしよしと撫でてくれた。優しいんだか、何なんだか。まあ、私は外見は5歳でも、中身は505歳ですしー、ここは大人として許してあげよう。


「ラインハルト殿下、私と一緒に子どもを作りましょう!」


 ラインハルト殿下が、真っ赤になって硬直した。また、再び殿下の腕が殿下の顔の前に。あ、更に目が大きくなった。


「な、何て事言うんだ!?ま、まだ早いからな。5歳は、子どもだからな。で、でも、2人とも大きくなってからなら、ベルリーナを嫁にもらってやっても」


「あ、間違えました。子どもじゃなくて、手下でした」


「ベルリーナ、もう1つ拳骨欲しいのか。と言うか、手下?手下を作る?」


 わざとじゃないです。拳骨いりません。ぷるぷる。元魔王、自分より怖いもの、増えました。兄の次に、殿下も怒ると怖いです。殿下は上から4番目ですかね?いや、5番目です。お母様>父上>お兄様>メイド長>殿下>元魔王の私。どんどんヒエラルキーの下に行く私。


「お前、何か不敬な事、考えてないか?」


 いえいえ、滅相もございません。ぷるぷるぷるぷる。土下座して、ひれ伏した方がいいですか?


「まあ、いい。ところでベルリーナ、手下を作るとは?」



 私は、ハンカチを取り出した。どこからかって?淑女にそんな事聞くんじゃありません。


「殿下、ハンカチをお持ちですよね?」


「紳士だからな、当然、持っている」


 胸ポケットからハンカチを出しながら、殿下は、そう言った。


「こう丸めて、両手で握って下さい。そして、ご自分の魔力をハンカチに込めます」


「え?ハンカチに魔力を?どうやって?こ、こうか?」


 ちょっと殿下にはムリな様なので、私は、殿下の両手を自分の両手で包み込んだ。殿下が、また赤面して、うわっとか何か言ってたけど、知らん振り~。そのまま、私の魔力を殿下の手に流し込んで、殿下の魔力を私の魔力ごとハンカチの中に流し込んだ。

 殿下がぷるぷるしているが、知りません~。


「な、何?今の、何?何かスゴいのが身体中を走った」


 魔王の魔力です。元、魔王ですが。実は、私の中には前世の魔力が渦巻いている。前世ほどではありませんが、普通の人より、かなり多い。それ故に、生まれた時から魔術師団長の叔父上が家にしょっ中やって来て、魔術の訓練を行う。外に発散しないと、私の魔力が暴走するのだ。

 魔力暴走の危険に巻き込まれないように、兄は、私以上の特訓を受け、現在、私のヒエラルキーの上に立っている。普通の人間なのに恐ろしい人である。


「この上に、私の作ったハンカチを被せます。すでに私の魔力を込めて刺繍済みなので、このまま、紐を…えーと、ないので、これでいいか」


 私は、慌てて、自分の髪からリボンを取って、ハンカチに巻いて結びつけた。


「はい、どうぞ。ラインハルト殿下」


「これは?」


「てるてるぼうずと言います。私達の手下ですね。後は、ここに顔を描くだけです。これを今晩、殿下のベッドの脇に吊るしてください。この子が、殿下をお守りします」


「この刺繍は、ベルリーナが自分でしたのか?」


「そうなんですけど、まだ、上手く出来なくて。お恥ずかしいです」


 元魔王だった頃は、刺繍も上手に出来たが、5歳の手では、まだ上手く出来ないのだ。自分のイニシャルと何となく花?な刺繍がハンカチにしてある。


「貰ってもいいのか?」


「はい、中身は殿下のハンカチですし」


「ああ、ベルリーナの髪のリボンがなくなってしまったな。代わりに、私のリボンタイをやろう。ほら、後ろを向け」


 そう言って、殿下は自分の首からリボンタイをほどいて、私の髪に結んだ。殿下の瞳の緑色のタイだ。


「似合うぞ」


 えへへへへ。そーですか?照れます。

 私は、ちょっと離れて見守っていた近衛兵を呼び、その内の1人にペンとインクを持ってきてもらった。ペンを持つ殿下の手に自分の手を添えて私の魔力を送り込みながら、2人でてるてるぼうずの顔を描く。

 てるてるぼうず、完成~!


「この子の名前は、何がいいですか?殿下が考えて下さいね」


「…ベラだな。ベルリーナのベとラインハルトのラで、ベラだ」


 私は、殿下の手を繋いでてるてるぼうずを2人の前にぶら下げた。


「では、今から呪文を言いますので、ご自分の名前を合図と共に言ってください

『ベラよ、お前の親たるベルリーナと』

『ラインハルト』

『が命じる。ラインハルトの身を守り、盾となり、ラインハルトに仇なすものに立ち向かえ』」


 2人の身体から魔力が光となり、ベラを包み込んだ。私達の手下の完成である。


 殿下は耳年増です。いらんでことをビミョーに教えてる近衛兵が、周囲にいたりします。殿下バージョンや近衛兵バージョンも書きたい。

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