表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元魔王な令嬢は、てるてるぼうずを作る  作者: Hatsuenya


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/154

冷徹魔王は、娘に会いたい

 読みに来てくださって、ありがとうございます


 ついに、ちょこっとだけ出ていた、ベルリーナのパパのイースタン公爵、別名『冷徹魔王』の単体出演です。





      イースタン公爵side




 私の名前は、ハロルド・イースタン公爵。魔法省長官だ。何故か、部下達からは、冷徹魔王と呼ばれているようだ。

 そして、何故か、暑い日は私の執務室に出入りする部下が多い。皆、一様に、空中を遠い目で見つめ、幸せな顔をする。

 逆に、寒い日は用事があっても中々部下が来ない。イライラするが、静かで良い。


 今日は、昨晩起こった第一王子襲撃事件で夜中から詰めている。事件のせいで皆が忙しく、気温に関係なく静かでありがたい。まだ事件の全容が掴めていなく、調査中なので、報告が上がってきてないのだ。

 まだ5歳である私の娘まで、第一王子の為に、王城に連れて来さされた。健気な娘は、夜中なのに眠がりもせずにきちんと起きて、私と一緒に馬車に乗り登城した。

 こんな夜中なのに長い距離を歩くのは可哀想だと思い、娘を抱っこして城内を歩くと、1人で歩くから大丈夫だと言う。

 いくら殿下の婚約者だからと言って、こんな小さな子供を夜中に呼びつけるとは!

 まあ、呼びつけたのは私の妻だが。


 私の妻リリアーナは、城一番の魔術医で、美しく聡明、可愛く優しく、時には凛として厳しく素晴らしい人だ。そして、夜の寝室では……

 どうも、殆ど眠ってないからか、思考が何処かに飛んでしまい勝ちだな。


 茶でも飲んで、落ち着くか。


 さて、私の可愛い可愛い娘のベルリーナは、殿下と一緒のベッドで一夜を明かしたらしい。まだ5歳の娘をたぶらかし、抱き合って眠るなど、いくら同じ5歳の子供だとて、許せない!私だって、ベルリーナをこの手に抱いて眠りたいんだ!……ベルリーナが風邪を引くから駄目だと皆には止められているが。


 そうだ、この書類の山を速く処理して、ベルリーナの様子を見に行こう。そして、妻も誘って親子3人で昼食を食べよう。


 そう考えながら、私が山の様な仕事をこなしていると、覚えのある魔力が漂って来た。

 私が思わず顔を上げると


 ゴンっ!


 何かが私の額にぶつかった。痛い!かなり、痛い!

 この魔力は、あいつだ!ガキの頃から、妻の弟と一緒に、よく阿保な事をして私をイラつかせてきた、あの、魔道具製作部長のレザリス・グローナ!


 私の机の上には、紙で出来た妙な鳥の様な物が落ちている。

 執務室は、ドアも、窓でさえ厳重に鍵がかかっている。一体、どんな魔法を使った?

 紙の鳥もどきは、勝手に開き、1枚の手紙となった。


 中には私の娘を賛美し、あまつさえ娘を自分の元に置きたいと言う、そんな阿呆な内容が書かれていた。

 許せん!

 もうそろそろ30歳も近いくせに、あの男は何を考えているのだ!

 黙って澄ましていれば、見てくれが良いから女達からモテる様だが、やつをよく知った部下達からは『あの変態を何とかしてください!』と苦情も出ていることだし


 これを機に、昔のように


 お尻ペンペン、してやろう


 首を洗って待っていろレザリス!



 …ついでに、ベルリーナに会いに行くのも良いな…




行け行け、冷徹魔王。発進だ!


元魔王な令嬢のパパは、やっぱり、魔王でした。


暑い夏に側に1人いると、便利な人です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ