元魔王な令嬢は、鬼の居ぬ間にのんびりする
読みに来てくださって、ありがとうございます。
登場人物の紹介ページを作ったら?と家族に言われましたが、設定を作った人物達が出てこず、作った覚えのないキャラクターが勝手に出てくるので、困っています(*≧∀≦)
ラインハルト殿下…おっと、ライ殿下と呼べと言われたのでした。
ライ殿下は、ネトラスが部屋を出ると、私の両手を取り、私と一緒にソファーに座りました。
「すまない。ネトラスは私の事になると、一生懸命過ぎる。これから、ベル以外にも、側近候補の子達を選ばなきゃならないのに、今からこれでは先が思いやられる」
「ライ殿下、側近候補は、もう決まってるんですか?」
「まあ、大体の目星は付いている。そこから、本人とよく話し合って決めることになるな」
「え!?私の時は、話し合いなくなかったですか?」
「ベルの場合は、その、なんだ。…男には、譲れないものがあるんだ!な、なあ?エディ?」
窓際に立ってドアの方を向いている近衛兵に、殿下が話を振った。
「いや、確かに俺がそう言ったんですが…そう言う時に使わなくても…」
「殿下は5歳にしては、中々、言葉の選び方が絶妙だと思うぞ。侍女や女官達も、殿下には骨抜きだ。殿下のファンクラブが出来ているらしい」
ドア側に立っているメナード近衛兵が、首を縦に振って感心した様に言う。
「まあ、ライ殿下は金色の髪、大きな揺らめく緑の瞳で、にっこり笑えば天使の微笑み。ちょっぴりヤンチャな所もお可愛らしい。と、皆から、上々の評判です。将来、女っ垂らしにならないかと、俺は、心配してますが」
「ベル、心配せずとも良いぞ!私の嫁は一生1人、ベルだけだからな。ベルが一番可愛いからな、他の女は恐るるに足らん!私は、メナードの様な女っ垂らしには、ならん。
メナードは女の敵だ、女っ垂らしだと、この間、侍女達が言っていた。一体、何をしたんだ?」
「だから、誰だよ。俺の悪評を殿下に垂れ流してるやつ。殿下は、そんな耳が穢れる様な話、聞かなくてもいいですからね!」
いつもは、壁のお飾りに徹している近衛兵達も、時々、ちゃんと殿下と交流を持ってるらしい。
「心配するな。私は、メナードの事も信用してるぞ?それから、エディの事もな。2人とも、悪い匂いや臭い匂いが、しないしな」
殿下は、昨日てるてるぼうずを作った折から、人を匂いで判断することが出来るようになっていた。悪いやつは臭いし、良い人は良い匂いがするのだ。くんくん。
元々、殿下は魔力が多いが、魔術を使うことが出来なかったらしい。
でも、私と殿下が一緒にてるてるぼうずを作る折りに、殿下の体内に燻っていた魔力を私の魔力でかき回し、ぐるぐるポンッと外に放り出したせいで、殿下は魔術を使える様になったそうだ。
うん。紙ひこうきを作る時も、1人で上手に呪文が言えてたしね。ふふん。私、偉い!
「私のファンクラブがあるのなら、ベルのファンクラブも必要だな。うん。作ろう、ベルのファンクラブ」
「あ、だったら、俺も入りますね。ファンクラブ会員1号です!」
「何を言っているメナード!ファンクラブの会員は、私1人で十分だ。誰も入れてやらん。大体、そう言うのは、ロリコンって言うらしいぞ。ロリコンは、変態って意味だって、侍女達が言ってたぞ」
「だから、誰だよ。そんなことばかり、殿下に吹き込んでるやつ…」
「その話、乗った!ベルリーナ嬢のファンクラブ、私がお作りしましょう!」
突然、ドアが勢いよく開いて、薄紫の長い髪をたなびかせ、白衣を着て眼鏡を掛けた男が部屋に入ってきた。
「最近、私の部屋にノックも無しに入ってくる輩が増えているんだが。侍女長に相談してもいいか?」
「それだけは、止めてください!殿下!」
廊下にいる筈の近衛兵が止めないのも原因だと思う…
筆者、夏バテ中です。暑い日が続いているので、皆さんも気を付けて下さいね。




