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元魔王な令嬢は、てるてるぼうずを作る  作者: Hatsuenya


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元魔王な令嬢は、旅支度をする

 読みに来て下さって、ありがとうございます。


 もうすぐ辺境へと出発です。






 私が家に帰ると、メイド長にミルカ、ジェンナ、ミルカ達が私の侍女になる前に私の世話をしてくれていた老メイドが、私の部屋で右往左往していた。


「おかえりなさいませ、お嬢様。早速ですが、お茶会用のドレスは、どれとどれを持っていかれますか?」


 1着じゃダメなのか。むしろ、お茶会?お茶会って、そんな暇あるのかな?ライ殿下も一緒なので、緑のドレスを選んでおいた。


「適当に選んでません?」


 ジェンナがお城から私より先に帰ったなーと思っていたら、辺境に持っていく荷物の準備に忙しかったらしい。

 

「次、普段着のドレス5枚」


 メイド長が、紙を読み上げる。それ、何?


「荷物が多いと大変だからと、前女王陛下様が、持っていく物のリストを作って下さったんです。ジェンナが城から持って帰って参りました」


 紙を広げて、メイド長が私に見せてくれた。

 見出しに『女の子用』と、書いてある。もう1枚の方も、メイド長が、私に見せてくれた。こちらは『当日の服装及び当日持参物、女の子用』となっている。

 女の子用と言うことは、男の子用もあるわけで、ベンデンや部長用の分もあったりするんだろうか。

 こういうのがないと、部長なんかは特に、着替えとか持って行かなそうだし、ベンデンは行軍用の袋の中に夜営用の一式詰めて、行ってきま~す。って、しそうだわね。

 

 そう言えば、ベンデンは、自分の馬を連れて行きたいからと、明日の朝、護衛を兼ねて馬車と共に出発するんだそうだ。他にも何人かの騎士が同行するらしい。


「イカロス様に乗る為に作った乗馬服、じゃなくて乗龍服が、届きましたよ。こちらの準備が終わりましたら、着てみられますか?」


 大きなトランクに詰め込む作業は、侍女やメイド達に任せて、メイド長が乗龍服とやらを持ってきた。緑に金の縁飾り、派手ね。でも、ライ殿下のカラーだから、ついこれにしてしまった。因みにライ殿下はお揃いの色違い。紫に銀の縁飾りなんだって。

 当日が、ちょっと楽しみよね。


 本当は、こんな風に浮かれている場合じゃないんだけど、ひいお祖母様やひいお祖父様が住む辺境地域に行くのは初めてなので、ちょっとワクワクしている。


 乗龍服に身を包んだ自分を鏡で見ると、凄く凛々しく見えて、普段より少し大人びて見えた。

 でも、5歳なのは、全然変わらないけど。



 翌朝、5人分の荷物が詰め込まれた長距離用馬車が、公爵邸から王城に向かった。家からは、御者が2人同行する。

 私達が乗っていない分、休憩も少なくなり、辺境に到達するのが、速くなるらしい。宿もとらずに野宿して、更に先を急ぐと言う強行突破な予定が組まれていた。

 無理は、しないで欲しい。


 今日は、王城で、辺境へと旅立つメンバーが全員揃って打ち合わせをする。


 まずは、誰がどのワイバーンに乗るかの班分けから始まった。

 先ず最初に決めるのは、ひいお祖父様のワイバーンに乗る班だ。

 名乗り出たのは、比較的丈夫なフレン、そして全然丈夫でない魔道具製作部長。


「最初から、全員を僕の魔道具でワイバーンにくくりつけておくから、心配ないからね」


 皆が頷いて、部長に任せることにした。きっと、大丈夫だろう。


 ひいお祖母様のワイバーンには、お兄様とゴンザレスが。


 アルダンのワイバーンには、ドワーフ2人組。


 ローダンのワイバーンには、アンナとネトラス。


 ゼルダンのワイバーンには、ハジェスとジェンナ。


 イカロスには、私とライ殿下、アメリアとセルマンと白じい。そして、大きな籠に入ったアメリアのペットのケルベロスを足で掴んで運んでくれる事になった。

 何しろ、ケルベロスは近くにアメリアがいないとジッとしてくれないし、セルマンはアメリアから離れない。困ったもんだ。

 イカロスは魔石でできた動物達がウロウロして自分の背中から落ちないか気にしていたが、白じいが、籠に入った動物達をしっかり抱いていようと立候補した。2人とも、何故かちび達を気に入ったようだわね。


 私達は、辺境では砦で暮らすらしい。砦には既にクレス様が暮らしているとの事。教皇様に、『向こうで、心身ともに鍛えてこい』と、早々に放り込まれたらしい。

 毎日、ひいお祖父様にしごかれていたらしく、来た当初より、ちょっとはマシになってきたとひいお祖父様が言っていた。

 どう、マシになったんだろう。ひいお祖父様のマシ、と言う言葉にちょっと不安が残る。


「お前達も、ちゃんと鍛えてやるからな!期待しておけ」


 そう言って、ひいお祖父様は、ガハガハ笑った。


 かなり、不安。

 


 



「ひいお祖母様。本当のところ、クレス様は、大丈夫なんですか?」


「まあ、体力は付いてきたわね。毎日、へろへろになって訓練が終わると気絶するように寝ていたけど、最近では、晩ごはんを残さず食べれるくらいにまで体力が付いたわね」


「私とアメリアも同じ訓練を?」


「男の子だけだから、大丈夫。女の子には、違う訓練メニューが、あるからね」


「……」





 ひいお祖母様も、結構な訓練マニアです。

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