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第32話 何で?

犯罪行為のあと

 先日、私は実質中1の男の子と恋人になってしまった。

 しかも結婚前提だ。


 親友にメールで報告したら正気を疑われたけど。

 どうなんだ……?

 これ、犯罪なんだよね。多分。

 巨乳認定証無しだったら……。


 で、メールで徹子と会話する中で


『中1って、男の子は性に目覚めたてで、おそらく一番エッチな時期だから、付き合うならその辺気をつけるか覚悟しなよ?』


 なんて警告された……。

 うう……あんなに賢くて大人で、頼りがいある真神くんが、エッチなことで頭一杯になるの?

 というか……


 真神くんも……これが目当てで告白して来たのかな……?


 そう思いながら、私は自分の胸を触った。




『ちょっと聞いて良い?』


 思い切って、真神くんにメール。

 すると、しばらくして


『何? 遊ぶ約束?』


 返信。

 おお……明日になるかもなーって思ってたのに。

 真神くんだって忙しいだろうから、常にメールチェックなんてしてるはず無いもんね。


『違う。何で私に告白したの?』


 この文面は、ちょっと打つのに勇気が要った。


 ……どうだろう?

 重い女って思われるかな?

 中学生メンタルだったらそういう概念無かったりするのかな?


 ……嫌われたくないなぁ。できれば。


 すると


『ゲームセンターでボコられていたとき、兄ちゃんじゃなくて僕にお礼をしてくれたから』


 ……やけに早く打って来た。

 決断力が高いってことなのかな?


 ゲームセンターでボコられていたとき?


 ……いつの話だろうか?


『それ、いつの話?』


 本気で分からなかったから、質問し返す。

 すると


『のぞみ姉ちゃんがDQNに絡まれていたときあったでしょ。そのときに、僕がDQNを挑発してボコられてたじゃん』


 あ、あのときのことか!

 だったらそう言いなよ!


 そう思ったけど、話がややこしくなりそうだったから、ノータッチで


 こう、返した。


『それで何で私を好きになる理由になるの?』


 好き、という文字を打つときに、ちょっと勇気が要ったけど。

 聞きたいことが回りくどくなりそうだし。

 勇気をもって、打ち込む。


 ……まあ、打ってる内容は本気で意味が分からないんだけど。

 だって私変なことしてないじゃん。


 あの状況だと、一番私を助けてくれたのはどう考えても真神くんでしょ?


 あとで佐上くんにもお礼を言ったけどさ、確かに佐上くんはあの人たちを蹴散らしてはくれたよ?

 でも、佐上くんが助けたのは真神くんであって、私じゃ無いんだよね。

 ただ、弟を助けたの。私はついで。……いや、ついでですらない。


 そしたら


『それはのぞみ姉ちゃんが義理人情をちゃんと大切にできる人だからだよ。そういうの、絶対に大事でしょ』


 ……なんか微妙に理由になってない気がするな。

 どうして義理人情を大切にできることが関係してくるの?

 真神くんらしくない。


『ゴメン、ちょっと理解できない』


 そう、メール。


 すると。


 ブブブブ、と。


 電話が掛って来た。

 前は、メールだけだったんだけど。


 結婚を前提に交際する恋人関係になったとき、電話番号も交換したんだよね。


 電話番号は……真神くん。


 出た。


『……普通は、カッコイイ空手でクズを退治した兄ちゃんにお礼するでしょ。僕だってそっちを予想してたさ。でもそうしなかった。そこが好きなの』


 いきなり、なんかボソボソとそう言って来る。

 いや、だからそこが分からないって何度も言ってんじゃん……


『ホラ見ろ。全然理解してない! そういうところが好きなんだッ!』


 いきなりキレられ気味でそんなことを言われて、電話を切られた。


 ……いや、なんかよく分からないんだけど。

 真神くん、相当私のこと好きなんだなぁ、ってことだけは分かった。


 それを自覚したとき。


 ……メッチャドキドキしてきた……。


 そこで、ふと思い出した。


 ……そうだ。

 真神くんのご両親に結婚前提の交際を認めて貰わないといけないじゃん。


 それを聞いておかないと


 ……キレさせた後で、ちょっと気になったけど。

 大事なことだから、再びメール。


『怒らせてしまってゴメンね。話は変わって、真神くんのご両親に直接ご挨拶したいんだけど、いつならできるかな?』


 送信。


 すると


『了解。親に確認して分かったらまたメールする』


 ……いつものメールが返って来た。

 夏休みが終わる前にご挨拶したいなあ……。

真神くんの家で土下座だ!

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