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短編とかその他

学校の屋上で月の光と踊る少女

作者: リィズ・ブランディシュカ
掲載日:2023/08/29



 くるくる。


 くるり。


 女の子が、踊っている。


 学校の、屋上で。


 僕はそれに見とれていた。


 夜の暗闇の中、しんとした空気が静謐な雰囲気を演出している。


 上から降り注ぐ月の光で、さらに神秘的。


 そのまま、数分間見入って、踊り終わった少女が話しかけてきた。


「こんなところに忍び込む人がほかにもいたのね」


 くすくすと笑われる。


 僕は天体観測をするために、ここにきた。


 他に良い場所がなかったから、仕方なく。


 すすんで非行少年になりにきたわけじゃない。


 父親が、宇宙飛行士だった。


 有名な人で。テレビにも出た。


 けれど、事故で僕が幼い頃に、帰らぬ人になった。


 星をみるのは、なくなった父の気配を探りたかったからだ。


 だから学校でも天体観測部に入った。


 終末には、部員達と出かけるヒビだ。


 僕は目の前の少女に個人的な話をする。


 幼い頃からのあれこれ、今考えていた事を。


 すると少女も話をしてくれた。


「私はダンサーになりたい。けれど、人前で踊る勇気がなくてね」


 彼女の親は有名なダンサーで、けれどだから外国にいってめったに帰ってこない。


 さびしいから、両親がおくってくれるダンスの公演のビデオをみて育った。


 ダンスをするのは、両親におもいをはせるため。


 僕達は似ているな、と思った。


 きっと気が合うに違いない。


 こんな月の綺麗な日に。


 出会ったのが、すこしおかしいけれど。


 だって、何かのまるで物語の始まりみたいだ。


 現実なんだから、ここから劇的な事なんてきっと、そうおこらないだろうに。


 そろそろ寒くなってきたので、帰ると言ったら引き留められた。


「また、ここに来る?」

「気が向いたら」


 月が見降ろしてる中、素直になれないそんなセリフ。


 少女の事は気になってるけど、正直に話す仲では、まだなってないし。


 なんだかやっぱり物語みたいだな。


 二人でちょっとだけ笑ってから。


 僕達は別れた。



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