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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

幸せとは

作者: 風凪漆黒

「天国で再婚しよう」

彼はそう言って、私を殺した。


私は、とても大切な人がいる。

その人は、道知くん。私の彼氏。

とても、楽しい日々を過ごせて私はとても幸せ。

道知くんと遊園地へ行き、水族館、動物園、食事。

そして、子どもも産まれた。

名前は、智樹。

「大きくなれよー」

道知くんは、智樹をとても可愛がってくれた。

でも、日々、生活は、苦しくなるばかり。

道知くんの仕事は、毎月十数万程。

私も働きたいが、智樹の面倒を見ないといけない。

保育園に預けることも考えたが、そんな余裕は無かった。

家賃、電気・ガス代、通信費、その他もろもろ税金。

だいたい残るのは数万程度。

そこから、食費。

日々、値段は上がっていき、本格的に生活が苦しくなり始めた。

そして、予期せぬ出来事が起きてしまう。

失業だ。

道知くんの働いている職場は、人員を削減するべく解雇を行った。

今、日本は、不景気だ。

そりゃあ、企業も大変だ。

でも、私たちには、生活がかかっている。

智樹には、もっと、いろいろなことをさせたい。

でも、最終的には金。

「佳奈、ごめん」

突然、道知くんが謝ってきた。

「どうしたの?」

「仕事が見つからない」

そうか、もうダメなのか…。

「これじゃあ、とてもじゃないけど生きていけない」

そして、道知くんが、こう言った。

「ねぇ、佳奈。もういっそうのこと、やり直さない?」

私には、なにを言ってるのかわかった。

「うん」

私も道知くんみたいに心のどこかで、そう思ってたみたい。


そして、最後の夜ご飯。

今回は、いつもより少し豪華にした。

ご飯に鮭。

3人の会話が部屋中へ響いた。

そして、時間がきた。

ごめんね智樹。

「・・・」

「佳奈、俺は、俺は・・・」

「泣かないで。また天国で会おうよ」

「うん」

「それじゃあまた天国でね」

「また天国で再婚しよう」

道知くんは、私を殺した。

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