妖精達からお土産のお礼
「美味しかったぞ。ありがとう、ニノン」
「よかったです!」
神も妖精王もニノンのお土産にご満悦だ。それは妖精達も同じで、妖精達はニノンのお土産に気を良くして、返礼品として妖精の鱗粉をプレゼントすることにした。
「ニノン、ニノン!」
「これ持って行って!」
お菓子の入っていたからの瓶に鱗粉を集めて詰め込んでくれる妖精達。
「妖精さん、ありがとう!でも、私より有意義に使える人にあげてもいい?」
「もちろんいいよー!」
「使って使ってー!」
「ありがとう!」
ニノンは、ガエルとノーマンに妖精の鱗粉を後でプレゼントしようと考える。
「ニノン、今回も俗世に帰るのか?ずっとここに居たいならそれでもいいんだぞ?」
「ありがとうございます、神様。でも、みんなが待っているから夕方までには帰らないと」
ニノンの言葉に神はむすっとして拗ねる。
「俺だって、お前と会えるまで待っていたのに」
「ふふ、ありがとうございます」
「神託を下してからお前が来る日を指折り数えて待っていたんだぞ」
「ごめんなさい。その分今日はたくさん一緒に過ごしましょう」
「ふん。じゃあ、こちらの木陰で膝枕でもしてくれ」
「もちろんです」
なんだかんだ言って、ニノンに甘える神に妖精王はクスクスと笑う。そんな妖精王に神はその辺の石ころを拾って投げつけた。もちろん躱されたが。
「ちっ!」
「ははは、また外したな」
「うるさいぞ、サンティユモン」
睨みつける神に妖精王はますます笑う。
「クリニョタンは本当に面白いな」
「うるさいって言ってるだろ」
「どれ、せっかくならみんなでお昼寝といこう。ニノンも膝枕はやめてこっちにおいで」
「勝手に決めるな」
「クリニョタンもニノンを膝枕は諦めて、私の腕枕で我慢しなさい。ニノンの足が痺れてしまう」
妖精王を睨みつける神だが、一応納得したらしくニノンを解放する。妖精王はニノンと神に腕枕をして、妖精達はその周りに集まって木陰で少しの日差しを感じながらみんなで静かに眠った。
どれくらいの間そうしていたのか、ニノンが目を覚ますとそろそろ帰る時間になっていた。
「んん…おはようございます」
「おはよう、ニノン。お昼寝は気持ちよかったか?」
「はい、神様」
「残念ながら、そろそろ帰る時間だな」
「はい、妖精王様」
神がニノンに言う。
「またお前を呼ぶから、必ず来いよ」
「はい、神様」
「気遣いは嬉しいが、次は手ぶらで来てもいいぞ。来てくれるだけで嬉しいからな」
「はい、妖精王様」
こうしてまた神と妖精王と妖精達と別れて、ホワイトドラゴンに送られてニノンは家路についた。




