ホワイトドラゴンはお土産を味わう
神から明後日ニノンを貸してくれと神託が下って、ニノンは大慌てで大量のお菓子と大きな形のお菓子を用意する。
御用達のお菓子屋さんのお菓子を買い占めて、さらに特注で大きな形のお菓子をいくつか用意してもらい、ホワイトドラゴンの迎えを待った。
そして、当日。ニノンを迎えに来たホワイトドラゴンは、巨大なケーキやドーナツに目を奪われた。
「ぐるるるる…」
ホワイトドラゴンが喉を鳴らせば、ニノンには言いたいことが通じたらしく答える。
「はい!ホワイトドラゴン様のためにご用意したお菓子ですので、是非召し上がってください!」
「ぐるるるる!」
嬉しそうにニノンに顔を寄せ、そっと頬ずりするホワイトドラゴン。その様子に、喜んでもらえたとニノンも嬉しくなった。
「ふふ、ホワイトドラゴン様。喜んでいただけて嬉しいです!でも、くすぐったいですよ?」
「ぐるる」
戯れ合うニノンとホワイトドラゴン。しばらくして、ホワイトドラゴンは巨大なケーキやドーナツをゆっくりと味わって食べ始める。その満面の笑みに、ニノンもニコニコである。
「ふふ、本当に喜んでいただけてよかった」
「ぐるるるる」
いくら味わって食べているとはいえ、ホワイトドラゴンの巨体には巨大なケーキやドーナツも小さい。割とすぐに完食した。
「ぐるるるる」
じゃあ行こうか、とばかりにニノンに向き直るホワイトドラゴン。ニノンも笑顔で頷いた。
「では、行きましょうか。ホワイトドラゴン様」
「ぐるるるる」
「あ、でもその前に」
ニノンはホワイトドラゴンに確認する。
「この大量のお土産を、神様や妖精王様、妖精達にプレゼントしたいんです。かさばるとは思いますが、私と一緒に持っていってくださいませんか?」
「ぐるるるる!」
ニノンにもちろんだと言わんばかりに胸を張るホワイトドラゴン。ニノンは良かったと胸をなでおろした。
ホワイトドラゴンは片手でニノンを抱え、もう片方の手で貢物を抱えた。そして翼を広げて空に舞う。
「空中フライトは景色がいいですね!ホワイトドラゴン様がしっかりつかんでいてくれて、怖くないですし」
「ぐるるるる」
空中フライトを楽しむニノンに、ホワイトドラゴンも嬉しく思う。
「ぐるるるる」
調子に乗って少し旋回してみるホワイトドラゴンに、ニノンは笑った。
「ふふ、ホワイトドラゴン様ったら」
「ぐるるるる!」
そしてしばらく飛ぶと、聖域にたどり着いた。ホワイトドラゴンは静かに着地して、ニノンを丁寧に下ろした。そして、貢物も丁寧に下ろす。




