お清めの儀
ニノンは中央教会にたどり着いた。早速馬車から降りて、中央教会の神父と共に中に入る。
「では、今からお清めの儀を執り行います」
「はい!」
中央教会のシスターがニノンに緑色のドリンクを渡す。
「まず、こちらのデトックスティーを朝昼晩三回必ず飲んでいただきます。どうぞ」
「はい!」
ニノンは素直にデトックスティーを飲む。途中で、あまりの味にむせて変なところに入ってしまった。
「ん!…ゲホゲホ」
「大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫です…」
ニノンはなんとかもう一口口に含み、そのままの勢いで全部飲み干した。
「…ぷあっ!の、飲めました!」
「お疲れ様です。次は、中央教会内に湧いている聖なる水のプールに入っていただきます。こちらが呼ぶまで、絶対に水から出てはいけませんよ」
「はい!」
ニノンは一糸まとわぬ姿で、一人きりで聖なる湧き水のプールに入る。冷たいが、不思議と心地よい。
「ふぁー…」
ニノンは思わず聖なる湧き水のプールの深いところまで行き頭まで浸かったり、呼吸のため浅いところに戻ったりする。目を開けて頭が浸かるまで深く入っても特に異常もなく、むしろ勉強で酷使している目の疲労が取れるような気さえした。
「…少しくらいいいよね?」
今度は背泳ぎのような体勢になってみたりする。背中側を聖なる湧き水のプールに浸して、のんびり天井を眺める。天井には聖画が描かれていた。
「あれが神様で、あれが妖精王様。聖域の中があれで、妖精達があれ。初代の聖女があれだよね」
勉強した知識を引っ張り出して、聖画を眺める。
「…どうしてこんなに、心地いいんだろう?聖なる湧き水ってすごいなぁ」
ぼーっとしているうちに、眠たくなってくる。水の中で眠るのは危ないが、ついそのまま眠ってしまった。
「…ニノン様、起きてください」
「んあ…」
ニノンが目を覚ますと、プールから出されて身体を拭かれた後だった。
「あとは着替えのお洋服を着ましょうね。我々とお揃いのローブです」
「んん…はぁい…寝ちゃってごめんなさい」
ニノンは覚醒するとすぐに謝る。しかし、シスターは笑って言った。
「聖なる湧き水はそういうものなので大丈夫ですよ。仕組みは未だにわからないのですが、溺れたりしないで聖なる湧き水の中でも呼吸が出来ますから安心してください」
「ありがとうございます!」
「さ、次はお祈りのお時間です。奥のお部屋で一心に神様にお祈りをするんですよ」
「はーい」
そしてニノンはその後お祈りの部屋に閉じ込められて一心にお祈りをした。
一週間、デトックスティーと聖なる湧き水のプール、お祈り部屋で閉じ込められてのお祈りを無限ループで繰り返し続けたニノン。いよいよ、聖女様と会うことになる。




