学びが早い
驚異的なスピードで学びを得るニノン。読み書きができるようになった彼女は、この日お手紙を書いていた。
「ニノンお嬢様、お手紙ですか?」
「うん!みんなに書いたの!これ、ローズの分!」
ニノンから満面の笑みで手紙を渡されて、早速読んだローズは感動のあまり泣き崩れた。まだ拙い文字だが、そこにはニノンからローズへの有りっ丈の感謝と愛情が込められていたからだ。
「ニノンお嬢様…!家宝にします!!!」
日頃ニノンに仕えるローズにとって、それは何よりもの宝物になった。
「えへへ。うん!」
そして、ニノンは最後の手紙も書き終えた。机から離れて、歩いてみんなに手紙を配って回る。
「シェフさん!いつも美味しいご飯をありがとう!お手紙書いたから読んでね!」
「庭師さん!この前朝摘みの花でブーケ作ってくれてありがとう!これお礼の手紙!」
「騎士さん!いつもパパを守ってくれてありがとう!これからもよろしくね!」
「ジャック!お手紙書いたよ!読んで!」
「パパー!お手紙ー!」
ニノンから手紙をもらった面々が感動の涙を流し家宝にしようと大切に仕舞う。ファルマンは大人の意地でさすがに泣きはしなかったが、愛娘の成長にジーンときて少し涙目になっていた。
「孤児院のみんなにも書いたよ!送っておいて!」
「もちろんだ」
ファルマンは孤児院宛の手紙を受け取って、ジャックに渡す。ジャックは手紙を孤児院に届けるよう手配する。
「ママに書いた分はどうしよう」
「ママがいつでも読めるように肖像画の前に飾っておこう」
「うん!」
こうしてニノンはお手紙を大切な人に向けて書いて、余計にみんなから愛されることとなった。