表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【長編版】公爵閣下のご息女は、華麗に変身する  作者: 下菊みこと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

34/87

キメラ作製の犯人

突然現れた少年。彼は唐突に自己紹介をする。


「初めまして、僕はアルスラーンと申します。こちらは僕と契約している悪魔のアリアです」


「先程は私の生み出したキメラが、大変失礼を致しました。私の身体は、キメラを生み出してしまう体質なのです」


あまりの急展開にぽかんとするニノンとサラ。オノレとユベールはアルスラーンとアリアを警戒して構える。唯一平然としているガエルはアルスラーンとアリアに聞いた。


「つまり、今回のキメラ騒動は君達のせいな訳だねぇ…なにか釈明したい?」


「体質上こうなってしまっただけで、決して人間に不利益を与えたいわけじゃないのです」


「そもそも悪魔との契約はご法度だけど?」


「それに関しては、言い訳のしようもないです」


「なんで今更、僕達に名乗り出たの?」


アルスラーンとアリアは顔を見合わせて答える。


「…さすがに、子供が犠牲になりそうなのを目にしてしまったので」


「良心の呵責に耐えきれなかったと」


「はい」


「随分身勝手だねぇ…」


呆れた表情のガエルに、アルスラーンとアリアは俯いてしまった。


「まあ、今回のキメラ騒動では怪我人は出ているけれど死者はいない。怪我人も、身体を欠損したりはしていないようだしまだマシだけどね。傷跡やトラウマは心配だけど」


ガエルの死者はいないという言葉にホッと胸を撫で下ろすアルスラーンとアリア。


「本当に申し訳ないと心から思っているのです。それでも、僕にはもうアリアしかいない。アリアを失うことはできない。だが、彼女の体質もどうしようもない」


「悪魔にはそれぞれ厄介な特性があるからねぇ。君の場合は自分の意思に関係なくキメラを生み出してしまうことな訳だ?」


「はい…」


アルスラーンとアリアは本当に申し訳なさそうに俯いている。


「あの…」


アルスラーンとアリアの様子を見て、悪い人ではないと判断したニノンがおずおずと手を挙げる。


「どうしました?お嬢さん」


アルスラーンが問えば、ニノンは疑問を口にした。


「なんでアルスラーンさんのアリアさんは、こうなるのがわかっていて契約したの?」


「それは…」


アルスラーンは少し迷ってから、口を開いた。


「多少、長話になりますが。聞いていただけますか?」


「うん」


アルスラーンは、アリアとの出会いを語り出す。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ