婚約者とのお茶会
今日は久しぶりに婚約者であるエドガールとのお茶会だ。ニノンはウキウキしていた。今回はエドガールがニノンの屋敷にやって来る。
「まだかなぁ。まだかなぁ」
「ふふ。もうすぐですよ、お嬢様」
ニノンの様子にローズは思わず微笑む。婚約者との逢瀬を楽しみにするニノンはとても可愛らしい。
「あ、馬車が来た!」
ニノンは馬車の中のエドガールに向かって手を大きく振る。エドガールもそれを見てニノンに手を振り返した。馬車が止まるとエドガールが降りて来る。ニノンはエドガールに抱きついた。
「エド!ご機嫌よう、この日が待ち遠しかったよ!」
「ニノン、ご機嫌よう。俺もニノンに会える日が待ち遠しかった」
幼い二人の睦まじい様子に使用人も微笑む。
「お庭でお茶会の準備が出来てるよ!行こう!」
「わかった」
ニノンはエドガールと庭の東屋に向かう。そして、出てきた紅茶とお茶菓子に舌鼓をうつ。
「紅茶もお茶菓子も美味しいな」
「よかった!私が選んだんだよ!」
嬉しそうに笑うニノンに、エドガールは胸が跳ねる。好きな子の笑顔にドキドキしていた。
「それでね、ユベールがオノレを蹴り飛ばしたところでお師匠様がとうとう雷を落っことしたの。魔法で」
「喧嘩も度を越すと大人に怒られるよなぁ」
楽しい時間はあっという間に過ぎる。他愛ない話をニノンがし続けてエドガールが聞き役に徹していたが、そろそろ帰る時間になってしまった。
「じゃあ、今日はもう帰る。とても楽しかった。また会えるのが楽しみだ」
「うん、またね!私も次を楽しみしてるね!」
エドガールの馬車が見えなくなるまで見送るニノンに、ローズはとても優しい気持ちになっていた。




