溺愛
ファルマンは、ニノンに相応しいドレスをいくつも仕立て、装飾品や靴も相応しいものをたくさん与えた。そして、家庭教師も付ける。
結果ニノンは、その類稀なる才能を開花させた。読み書きが出来るようになると、率先して勉強をこなし同年代の子供達よりも数倍早く知識を蓄えた。これにはファルマンも目を見張る。
「ニノン。お前は本当に優秀だな」
「えへへ、うん!」
ニノンは傷んでいた髪も切って揃え、栄養ある食事を摂ることで肉もつき、それはそれは可愛らしい公爵家のお姫様へと変身した。その優秀さも含めて噂となり、領民達はそんな幼いニノンに期待を抱いて貴族達はこぞって息子をぜひ婿にと勧めてくる。
ニノンはそんな中で、ファルマンから与えられたお小遣いの一部を使って高いポーションを買って病人や怪我人に無償で与えたりしてさらに領民達からの信頼を勝ち取った。
そしてニノンはファルマンが勧めてくる縁談を、実際に会って自分の目で相手を確かめ選び抜いた。浮気をしそうにない、垢抜けないが実直な人柄の少年を選んだ。ファルマンも満足げに頷いていたので問題もない。
ニノンはもう立派な公爵家のご令嬢である。そんなニノンに、パパは今日もメロメロだった。