ボランティア団体との交流
「ニノン様、お待たせ致しました!この方がこの間言っていたボランティア団体の団長ですよ」
「お初にお目にかかります、皆様。私はルシアと申します。よろしくお願い致します」
深々とお辞儀をするルシア。
「ニノン・ロール・ウジェーヌです、よろしくお願いします!」
「オノレです。ニノンの魔法の兄弟子です」
「ユベール。オノレと同じく兄弟子」
「僕はニノンの魔法の師匠のガエルだよ。ルシアさん、よろしく」
一通り挨拶が終わると、早速本題に入る。
「ニノン様はボランティア団体に興味がおありとお聞きしました」
「うん!」
「我々黄昏の森団は、その名の通り帝国所有の黄昏の森のすぐ近くで食堂を毎日開いています。貧しい人々に無償で食事を提供するのが主な活動ですが、食堂の内部のお風呂も常時解放しております。衛生を保つことは大切にしたいですから。それと、両親ともに働きに出て手持ち無沙汰な子供達もよく食べに…というか、遊びに来ますのでその子達に勉強を教える活動もしていますね」
「色々やってるんだ」
「はい」
ニノンは少し迷って口にした。
「今度のお勉強がお休みの日、私もお手伝いに行ってもいい?」
「も、もちろんです!よろしいのですか?」
「オノレとユベールも来てくれるなら」
オノレとユベールを上目遣いで見つめるニノン。オノレとユベールは胸をぎゅっと掴まれた気分だ。
「…俺は参加しようかな。ユベールは?」
「俺はニノンが行きたいなら連れてく。護衛もする」
「じゃあ保護者代表で私もお手伝いに行こう。ファルマンは忙しいからね」
ということでトントン拍子でボランティア活動への参加が決まった。
「なんと有り難い…」
ルシアとリリスは信仰する神にこの出会いを心から感謝する。アマナは知恵の輪を解きつつ、将来は自分もこういう活動をするんだなぁと漠然と思っていた。




