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第2話 春休みDAY2

 

 俺のベッドに潜り込んだ幼馴染の秋山育は、「朝まで話しようよ!」と言ったが、途中で寝落ちした。

 彼女の会話が途切れてすぐに俺も寝た。


 朝。日差しが眩しくって目を覚ます。俺の部屋は朝日が差し込む。


 目の前に育の顔があった。


 一瞬驚いたが、すぐに一緒に寝たことを思い出す。

 確かに小学校の低学年のときは一緒に寝たこともあるけど、もうそろそろやめた方がいい歳だよな。


 綺麗になった幼馴染みの寝顔を見ながらそんなことを思った。


「育、おきろ」

 声をかけるが全くおきる気配がない。

「おきろ!」大きな声を出す。

 育はビクッとするが、目を覚まさない。

 うん、すぐに起きない方がイタズラできて楽しいよね。


 彼女の頬をつまんで引っ張る。

「育、おきろ」

「むぅ」彼女は嫌がって顔を背ける。

 指が頬から離れた。

 俺は上半身を起こして、ベッドの上に座る。掛け布団をめくった。

 彼女は目を閉じたまま両手で布団を探す。

 まだ起きない。


「おきろ!」俺は笑いながら彼女の上に覆い被さった。

「むくぇっ……」彼女は唸り声を上げて目を覚ます。

 ビックリした顔をし、状況を理解するまで少し。

「公太、重い」

 俺は彼女の上から退いた。


「朝?」彼女はまだ眠たそう。

「残念ながらもうすぐ昼だ」

 寝すぎた。もうすぐ11時なろうかという時間だ。

「……、寝過ごした!」彼女は飛び起きる。

 引っ越しは終わっておらず、当然今日も朝から片付けの予定だ。


 慌てて着替える。

「育、違う部屋で着替えろよ!」

「気になるならあっち向いてて!」

「こっち見んなよ!」

「そんな事はいいから、急いで!」


 一階に降りると誰もいなかった。俺と育の分と思われる朝食が用意されていたが、とりあえず隣の家に向かう。


「ごめん、寝過ごした!」育が謝りながら秋山家に入る。「起こしてよー!」

「そんなに急がなくても終わるから」育ママが言った。誰も気にしてないようだ。「先にごはん食べてきなさい」


 二人で宮野家に戻る。

 おかずは食卓に出ていたが、ごはんと味噌汁はよそってなくて空の食器が並んでいた。

 育がごはんを付けだしたので、俺が味噌汁をよそうことにする。

「「いただきます」」


「美味しい。これ公太ママが作った朝御飯だね」育が言った。

「多分そう。味付け違う?」

「ちょっと違う。あ、でも、地域で売ってる調味料の味違うから。その差かも」




「公太の彼女ってどんな人?」

 台所で食器の梱包を解きながら育が訊いてきた。

「いや……普通」

「同じ学校?」

「ああ」

「同じクラス?」

「ああ」

「同じクラブ?」

「いや、俺部活してないから」

「どっちが告白したの?」

「……俺かな」

「可愛い?」

「……主観的な質問に何の意味が?」

「私とどっちが可愛い? 主観で」

「……答えたくない」

「……何で?」

「意味がないだろ」


 育より可愛い子なんて早々いないだろ。


「彼女さんに会いたい。会わせて」

「……学校が始まれば会うだろ」

「先に挨拶しとこうかなと……」

「何の挨拶?」

「私がいない間、私の代役で公太と付き合ってくれてありがとうって。私が帰ってきたから、もういいよって」

「……頭、湧いてるのか?」

「ヒドイなー」彼女は楽しそうに笑った。


 今の話、冗談だよな?



 引っ越しが一段落したので、育の両親は引っ越し元に戻った。次は3日後に完全にこちらに移るらしい。


「私、こっちに残る」育が言った。

「一人で大丈夫?」育ママが心配する。

「3日だけだから大丈夫だよ」


「家に泊まれば?」俺の母が言った。

「はい、お願いします」育が言ったが、絶対初めからそのつもりだったよな。


「片付け終わったから、自分の部屋で寝ろよな」当然の事だろ?

「一人じゃ危ないでしょ」俺の母が育の肩を持つ。


「……客間に布団敷いてやるよ」せめてもの反抗。

「気を遣わなくていいよ。公太のベッドで寝るから」育は素敵な笑顔で宣言した。



「プロレスごっこ!」今夜も育は俺のベッドでお楽しみだ。

 いや、隠語じゃなくてホントにプロレスごっこしたから。

 勘弁してくれ。


「お前、ガキ大将なとこ、全然変わってないな!」

「公太も変わってないね」

「……いや、俺は変わったよ……」ガチな言い方になってしまった。


 育が不思議そうな顔をした。




読んでくれてありがとうございます。

少女マンガテイストでいきます。

少女マンガって結構エチチなんですけど知ってましたか?


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