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One dimension World

魔女たちの休日

          -1-


「フラン、フラン。起きて。起きて頂戴」

 フランはベッドの中で不機嫌に呻いた。見ていた筈の心地良い夢は、遠く彼方へと飛び去って行った。姫姉さまと、海辺を歩いていた気がする。遠くに見えていたのは、月見の塔だろうか。でも、あたしは月見の塔なんて、見たこと……。ああ。夢か。と、フランはまだ朦朧としたまま思った。そう言えば、夢は忘れてしまう。忘れることが出来る。それなのに何故、現実の記憶は忘れられないのかしら……。

「フラン。ふらん、聞いてる?」

 声がしつこく話しかける。

 何かに頬を突かれるのを感じて、フランは薄く目を開けた。

 細い影が、彼女の頬を突いていた。

 彼女の影に潜む妖魔だ。フランに話しかける声に気付いて、彼女の影の中から忍び出て来たのだろう。

「判ったから」

 溜息交じりに呟いたフランの声に反応して、妖魔が彼女の影に素早く戻る。もっとも、狭い室内に灯りはなく、固く閉じた窓の外も既に日は落ちて、どこに彼女の影があるのか、フラン自身にも判らなかった。

 フランはベッドに仰向けになり、再び目を閉じて、返事を心に思い浮かべた。

『なんでしょう、お母さま』

 フランの力は弱い。例え目の前に相手がいたとしても、”声”を相手に伝えることは出来なかった。しかし、彼女に話しかけて来ている声の主は違う。フランと声の主の間には二千五百キロもの距離があったが、そんなことはまったく問題にならなかった。フランが言葉を心に思い浮かべるだけで、それを声の主が読み取り、充分に会話を成立させることが出来たのである。

「こめんなさい、寝てたわよね」

 フランの脳裡で響くその声は、まるですぐ耳元で聞こえているかのように鮮明だった。

『せっかく、情事の余韻に浸っておりましたのに』

 少しばかりの非難を込めて、フランは言葉を心に思い浮かべた。

 狭いベッドの中に、フランは一人ではなかった。フランの隣で背中を向けて眠る男は裸で、フランもまた同様だった。

「あら。ごめんなさい」

 さして悪びれる様子もなく声が言う。

「それより早く戻って来て頂戴、フラン」

 フランの事情などお構いなしに、声が急かす。しかし、声の調子に、正確にはフランの脳裡で響く思念に、焦りの響きはなかった。

 むしろどこか楽し気である。

『何事ですか、お母さま』

「戻ったら話すわ。だから早く」

 何だろう、とフランは考えた。

 声の主のいるショナを脅かすような出来事は、ここ最近何も起こっていない筈だ。西の山岳地帯の向こうの国々はお互いに争うことで忙しく、内海を挟んだ旧大陸は騒がしいものの南も静かで、東はもう何年も平穏である。

 だからこそ、こうして遠く離れた北の大国に腰を据えて、いろいろと悪さのネタを仕込んでいるのだ。

 声の調子からしても、深刻な事態でないだろうと、フランは結論を下した。

 だとしたら急ぐ必要はない。

『判りました』

 フランはベッドに身体を起こした。

 隣で眠る男が低い声を漏らす。起こすのも面倒なのでフランは小さく呪を唱えて男をより深い眠りへと導き、静かにベッドから降りた。脱ぎ捨ててあった衣類を手探りで拾い上げ、欠伸をしながら気怠るげに身に着けていく。

 ふと、フランの手がベッドの横のテーブルに当たった。

 ベッドに倒れ込む前に、男がテーブルの上に財布を置くのを、フランは見た。見れば忘れないのがフランである。

 悪戯心がむくむくと心に湧き上がった。

 朝起きてフランが姿を消し、財布が無くなっていたら、嫌味なぐらい自信過剰なこの男はいったいどんな顔をするだろう。慌てふためくか、怒るか、それとも笑うか。想像するだけで楽しかった。まぁ、コソ泥のマネは出来ないから、財布は玄関の前にでもこっそり置いておけば……。

「準備できた?フラン」

『ええ。今から帰ります。多分、明日には帰れると……』

 どうやって帰ろうかしらと考えながらフランは答えた。

 外は雪に覆われて、出歩くのも難しい状況だ。しかし、お母さまを通じて氷竜に来て貰えれば何とかなるだろう。そしてそれから……。

「そんな時間はないわ。目を閉じて、フラン」

「えっ、……」

 まさか、と問おうとした時には、フランの肌が冷たく粟立った。そして誰かの手が、彼女の両腕に触れる感覚があった。

 フランは慌てて目を閉じた。

 かつて一度、目を閉じるのが遅れたことがある。

 その時自分が何を見たのか、フランは未だに判らなかった。むしろ、幾ら時間をかけても理解出来ないモノだったのだろうと、フランはとっくに諦めていた。時空間と時空間の挟間。とうてい言葉には出来ないどこか。否、どこかと言うこと自体が、表現として間違っているのかも知れない。

 どこかと言うより、それ、と言った方が相応しいだろう。

 結局フランは、それを見たことで、3日3晩寝込むことになったのである。

 見てしまったものを忘れることはフランには出来ない。しかし、それを思い出す度に寝込む訳にもいかず、せめて鮮明に思い出すことがないようにと、条件反射的に別の記憶を呼び起こすように呪いまでかけて、フランはそれを、何か月もかけて念入りに、心の奥深くに仕舞い込んだのである。

「いいわよ、もう目を開けても」

 歳を経たしゃがれ声が響く。

 フランは目を開き、老女の微笑む顔を見た。

 肌に触れるのは、北の大国の冷たい空気ではない。ショナの首都、デアにあるマスタイニスカの屋敷の、良く調整された心地良い空気である。

「……お母さま」

 ただそう呟くことしか、フランには出来なかった。



          -2-


 フランの手には、男の財布が握られたままである。ずっしりと重いそれを、男が目を覚ます前に冬陽宮まで届ける術を、フランは持たなかった。

『ま、いいか』

 しょせんは行きずりに拾った男だ。男の名前を思い出そうとして、フランはまだ男の名前すら聞いていなかったことを思い出した。お気に入りの毛皮のコートも男の部屋に置いたままだが、それも諦めるしかなさそうだった。

 財布の中身はコート代として、妹たちに何か買って使ってしまうことにしようと、フランは決めた。

「こんな深夜になんでしょうか。お母さま」

 北の大国との時差は1時間。無理矢理連れてこられたデアもまた、深夜である。

「ごめんなさい、フラン。実はね、私を殺そうっていう人がいるの」

 楽し気な口調と、内容がまったく一致していない。

 フランが絶句したのも当然だろう。

「お母さまを殺そうとしている者がいる?」

 殺気がフランの身体から溢れた。

「生まれてきたことをそいつに後悔させてやります。どこのどいつですか?」

 冷え冷えとした声でフランが言う。

「違うのよ、フラン。私、そのヒトに会ってみたいの。だって、私に殺意を向ける人なんて、久しぶりなんだもの。ちょっと顔を見たいの」

 無茶苦茶なことを、まるで恋した少女みたいに老女は言った。

 風船が萎むようにフランの殺気が消え、「シェルミさま」と、フランはつい小言を言う口調になった。

 フランとシェルミの関係は複雑である。

 年齢的には、フランの人生を通算してもまだ、シェルミの方が上だ。しかし、シェルミは幾つになっても、どこか幼子のような無邪気さを失わなかった。一方のフランは、肉体年齢に情緒がかなり支配された。フランが10代の間は、シェルミが母であり、フランはあくまでも娘として接した。しかし、20才前後になると姉妹のような関係になり、フランが20代後半になると、フランの方が保護者のような関係になった。

 おそらくそれは、このシェルミがフランと(前の時間軸で)出会ったのがシェルミが7才の時で、フランが肉体的には30代の前半だったことが影響しているのだろうとフランは推測していた。

 現在のフランは20代の後半だ。つまり二人の関係性で言えば、現在はフランの方が保護者の立場である。

「怒ったの?フラン」

 フランは言葉に詰まった。

 シェルミに下手に出られると、フランは弱い。

 それに、とフランが思ったところで、シェルミが先に言った。

「そうよ。少し退屈だったの」

 心を読まれたのだ。

 いつもならシェルミも軽々に心を読んだりはしない。どうやら老女は少し興奮しているらしいと、フランは悟った。

「しばらくデアを離れていたことは謝ります」

「それじゃあ、一緒に彼に会って頂戴」

「スイフト」

 北の大国の下級貴族の次男坊。魔術の才を認められて半年前から北の大国の公費でショナに留学中。31才。デアという街の名と、ショナの成り立ちを不審に思い、独力でマスタイニスカがこの街に住むことを突き止め、シェルミの住むこの屋敷の存在にまで気付いて、今夜、この屋敷に忍び込んで、マスタイニスカの寝首を掻こうとしている。

 そうしたことを、フランはいつの間にか知っていて、知っていることを今更ながらに驚くことはなかった。

 シェルミの業である。

「確かに面白そうな男ですねぇ」

 スイフトの四角い角ばった顔も、フランの心に情報として伝えられていた。

 目が細く、大きな口も唇が薄いために白いのっぺりとした顔をしていた。耳が異常に大きい。小柄で、身長は150cm半ば、といったところか。

 傲慢さが溢れてそのまま張り付いたような顔であった。

「でしょ?」

「何人ですか?」

「9人、あら、違うわ。11人ね」

 これまでにスイフトが殺した人の数だ。

 いきなり寝首を掻くという発想を不思議に思ったフランに、言葉にはならない言葉で、「だって彼、もう何人も殺しているもの。そういう人みたいよ」と、シェルミが答えたのである。

 ただ、シェルミが人数の訂正をしたことが、フランには意外だった。

「お母さまが心を読み間違えるなんて、珍しいですわね」

「少し変わった心の構造をしているわ。それに、思考が早いの。まるで急流、いいえ、濁流と言うべきかしら。それで間違っちゃったみたいね」

「今はどこにいます?」

「壁の外で、この屋敷の結界を調べてるわ」

 おやおやとフランは思った。シェルミが時間がないと言う筈である。

「妹たちは、皆、眠ってますか?」

「ええ」

「念のため、眠りを深くしておきましょう。もしスイフトがお母さまを害そうとしていることを知ったら、あの娘たち、何があってもスイフトを許さないでしょうから」

「だからあなたに来て貰ったの、フラン」

 フランは笑った。

「それはとても正しい判断ですよ、お母さま」

 フランは屋敷に眠る妹たちの正確な場所を妖魔に探らせ、より深い眠りに導く呪を唱えた。更にフランは念のために、風の精霊の術で妹たちの部屋と外界を遮音しておいた。

 ここからが少し厄介である。

 フランは呼吸を整え、彼女自身が構築した屋敷の結界を、侵入者に怪しまれない程度にまで緩めるべく、複雑な呪を静かに静かに唱えた。



          -3-


「ここらなら行けそうじゃの」

 スイフトはマスタイニスカが住むと思われる屋敷の長い壁に手を当てた。

 低く呪を唱え、壁の構造と、壁に施された結界を探る。これまでに見たことがないほど精緻で、複雑な結界だった。

 スイフトは嗤った。

「この程度かよ」

 良く出来てはいたが、判ってしまえば、つっかい棒を外して引き戸を開けるようなものである。とは言え、実際につっかい棒を外すのはなかなかに手間で、スイフトは焦ることなく丁寧に結界を解いていった。それと同時に、物理的に壁を少しずつ開いて、壁の内側へと侵入して行く。

 もし誰かが傍らで見ていれば、スイフトの身体が手から次第に溶けて、壁の中へと潜り込んで行くように見えただろう。

 壁を抜けた彼が出たのは、林と言ってもいいような場所で、少し歩くと芝の敷き詰められた広い庭に出た。

 外から窺うよりも屋敷の敷地は広く、母屋と思われる平屋の大きな建物があり、他にも、2階建てか3階建ての建物が幾つか黒々と聳えていた。壁の外と違って、まるで夏の高原のように空気までもが清涼である。

「……ズイブンいい生活じゃの」

「苦労したもの。ここを建てるのに」

 ぎくりと身体を震わせ、スイフトは声を振り返った。


 女、とスイフトは見た。一人は老女。もう一人は、と考えて、スイフトは細い眉を顰めた。星灯りしかない闇夜では、女の表情を読むことは出来なかった。しかし、それだけではなく、何故か女の歳を推し量りかねたのである。

「何者じゃ」

「人の家に忍び込んでおいて、何者、はないんじゃないかしら。スイフト」

「……お主が、マスタイニスカ様かの?」

「違うわ。あたしはシャッカタカー。ご存じ?」

「千の妖魔の女王」

 スイフトの細い唇に笑みが浮かぶ。声にも明らかな喜びが混じっていた。思わぬ展開に、スイフトは警戒よりも興奮が先に立った。

『あらあら』

 シャッカタカーの、フランの心でシェルミの囁き声が響く。

『彼、あなたの”中身”も見てみたいそうよ』

『”中身”、と言っても、普通の人間と変わりませんのにね』

『でも、悪いことではないわ』

『そうですわね』

 スイフトを見つめたまま、ひそひそとフランとシェルミは心の中で囁き合っていた。緊張感は欠片ほどもない。

『興味を向ける方向が間違ってますし、人として道を外れてますけど、興味があるモノをまずよく知ろうというのは、魔術師としては褒めるべきところですわね』

『でしょ』

『でも、あたしの趣味ではありませんわ、彼』

 女二人の心の内を知ることもなく、スイフトは喜色に歪んだ顔をシェルミに向けた。

「では、そちらが永遠なる者、マスタイニスカ様……じゃな」

 密かにシェルミがきゃーと、弾んだ声を上げる。

『お母さま。久しぶりに男に名前を呼ばれたからって、そんなに喜ぶのははしたないですわよ』

『いいじゃない、フラン。私に興味を持ってくれる人なんて、本当に久しぶりなんだもの』

『相手がコレ、というのがちょっと残念ですわね』

 シェルミと囁き合っていることはおくびにも出さず、フランはスイフトに向かって冷ややかに答えた。

「そうよ。でも、ズイブン年寄り臭い話し方ね、あなた。余計なお世話だけど、まだ若いのだから、話し方を変えた方が女にモテるわよ」

 ほうほうとスイフトが笑う。

「マスタイニスカ様だけではなく、シャッカタカー様とはの。デアの4大魔導士のうちの、お二人にまで会えるとは。なんという幸運じゃ」

「何の用かしら。あたしたち、眠いの。用があるならさっさと片付けて貰いたいのだけれど」

「何。いろいろお訊きしたいことがあっての。正面からお訪ねしたのでは断られる……」

『フラン。彼の術を見てみたいわ。ちょっと彼を挑発してみて』

 弾んだ声でシェルミが言う。スイフトはまだ何かをしきりに話していたが、まったく無視である。

『彼の話、聞かなくていいんですか?』

『こちらの隙を窺っているだけだもの。必要ないわ』

『冷たいですわねぇ』

 と、心の内でシェルミに言葉を返しながら、「御託はいいわ、スイフト」と、フランはスイフトの話を遮った。

『挑発する材料、何かあります?このチビ!とか、お前のXXXXに、XXXXXして貰え!とか、彼が怒りそうなこと』

『肉体的なコンプレックスはないわ。彼ぐらいの身長だったら、たいていの人はそこにコンプレックスを持っているのにね。大した自負心よ。それに家族のことも無駄ね。だって彼、自分の母親まで殺しているもの』

『つまり、とてもプライドが高い、と言うことですわね』

 そう納得して、フランは言葉を続けた。

「あたしたちを殺しに来たのでしょう?スイフト」

「ひょっ?」

 スイフトが言葉を切る。そして、訝しげにフランを見た。

「何故、そう思うのじゃ?それに、そう言えば名を告げた覚えもないの」

「あたしが知らないことなんかないもの」

 フランは傲慢な口調でそう言った。

「そんなことより、せっかく結界を緩めておいてあげたのよ。あなたの術を見せて貰えないかしら?」

 スイフトの眉がピクリと動く。空々しく浮かべていた笑みが消える。

 シェルミが感嘆の声を上げた。

『流石ね、フラン。彼、怒ったわ』と、どこか嬉しそうである。

 そのシェルミに『お任せ下さい、お母さま。ちょろいもんです』と答えて、フランはスイフトを侮蔑するかのように見下ろした。

「まさか結界を緩めていたこと、気付かなかったの?」

 言外に、意外と大したことないわね、という意味を被せてフランは言った。言葉に驚きの響きを少しだけ含ませるのがミソである。

 スイフトが僅かに体を屈める。髪の毛が逆立ち、小柄な彼の身体から立ち上る怒気が、まるで湯気となって見えるかのようであった。

「よかろう」

 と、スイフトが低い声で答えた時には、既に術の詠唱が始まっていた。

『あら』

 スイフトの唱える詠唱を追いながら、フランは小さく感嘆の声を上げた。思わず居住まいを正したと言っても良かった。

 スイフトの唱える呪は、それほど論理的で、よく練られていた。

 基本に忠実で、かつオリジナルと推測される構文も組み込んである。ルーチン化も巧みだ。全体を通して見ると無駄な部分もあるが、その無駄な部分にも何か意味がありそうだった。

 人は見かけによらないわねぇ、とフランは思った。

 詠唱の方も見事、と言えた。

 声の質も良く、怒りに囚われている筈なのにリズムに狂いもない。さり気なく両手で印を結び、更に前面で唱えている詠唱とは別に、スイフトは口中で器用に別の呪も唱えていた。

 フランが知る中でも、かなりレベルの高い詠唱である。

『全ての精霊を呼び出していますわよね?』

 詠唱の邪魔をするつもりのないフランは、シェルミにそう訊いた。シェルミが肯定の思念を返す。

『ええ。かなり上位の精霊よ。みんな呼び出されたことを嫌がっていないわ。むしろ喜んでる。とても精霊を大切にしているのね。精霊はあくまでも道具と割り切ってはいるけれど、彼、道具は道具として大事にする主義みたい。

 とても好感が持てるわ』

『呼び出された精霊たちはどうしています?』

『私に気付いて戸惑ってるわ』

 シェルミに気付いて戸惑っているということは、シェルミの言う通り、かなり上位の精霊が呼び出されている、ということでもあった。

『それは大したものですわねぇ』

 詠唱を唱え終えたスイフトが舐める様にフランを見る。

 一方のフランとシェルミは、スイフトが術を発動させるのを、わくわくしながら待っていた。

「では、ちと不躾じゃが、死んで貰うとするかの……!」

 スイフトが勢いよく印をフランに向ける。しかし何も起こらず、そのことを予想していたフランは、すかさず「無駄よ。あなたの呪は無効にしたわ」と、憎々しくポーズを決めながら、いけしゃあしゃあと嘘を言った。

 実際は、スイフトに呼び出された精霊が、母であるシェルミに向かって術を発動させることを拒んだだけである。

 しかし、そうと知らないスイフトは「流石じゃの」と呟いて(おそらくフランが本当に術を無効にしたのだと信じて)、「では、これはどうじゃ……!」と、両手で別の印を素早く結んだ。

 フランの2mほど先で地面が盛り上がった。

 盛り上がった地面はたちまち3mほどの高さの人型となり、緑色に輝く小さな目が開いてフランとシェルミを睨み据えた。

 ゴーレムである。

 首がないために頭は殆ど身体と一体化しており、身体は極端なまでの逆三角形の体形を誇っていた。肩から伸びた二つの腕は、大木ほどの太さがある。大きな口が開き、ゴーレムは両手を突き上げて胸を張ると、天地を揺るがす程の咆哮を上げた。

 しかも立ち上がったのは1体だけではない。

 10体を越えるゴーレムが、フランとシェルミを囲むように立ち上がって同じように咆哮を上げていた。

「あら。大したものね」

 フランは思わず呟いていた。

 スイフトがいつゴーレムを呼び出す呪を唱えたのか、咄嗟には判らなかった。そこでスイフトの唱えた呪を脳裡に思い浮かべて詳しく調べ、呪と呪の間の空白がゴーレムを構築する呪になっていることに気付いた。無駄と思えた部分も、空白部分に注目すると、呪として必要なのは明らかだった。

 仮に元の呪を無効にされても、これならばゴーレムを出現させることは可能だ。おそらく呪を無効にされた場合の次善の策として組み込んでいるのだろう。

 いや、とフランは思った。ゴーレムを出現させる呪が良く出来すぎている。もしかすると、こちらのゴーレムの方がメインなのかも知れない。

『そうよ、フラン。彼の専門は、土の精霊の術よ』

『あら』

『あなたまで騙すなんて、凄いわねえ』

 楽しそうな思念を響かせながら、シェルミは、赤い瞳を輝かせて佇立したゴーレムの群れを見つめていた。

『でも、本当に大したものよ、フラン。このゴーレムたち、土の精霊が指先にまで丁寧に練りこんであるわ。身体を制御する経路もとても作りが丁寧よ。行きの経路だけじゃなく、帰りの経路もちゃんとしてる。帰りの経路を忘れる人が多いのに、素晴らしい出来だわ』

「な、何故じゃ」

 呆然とスイフトが呟く。

 彼はゴーレムに、立ち上がると同時に、二人の女を殴りつける様に指示していたのである。

 しかしゴーレムは、彼の意に反して両腕を突き上げたままピクリとも動かなかった。

『お母さま。ゴーレムの出来を、あたしにも判るように見せていただけますか?』

『いいわよ』

 シェルミがゴーレムに顔を向ける。フランには聞こえなかったが、ゴーレムの中の土の精霊たちが歓喜の声を上げた気配があった。

 フランとシェルミに一番近いゴーレムが動き始める。

 ただし、フランとシェルミに向かってではなく、スイフトに向かってだ。

 何が起こっているのか理解できなかったが、逃げなければと、スイフトは即断した。しかし、身を翻そうとしたスイフトは、既に後ろを3体のゴーレムに塞がれていることに気付いて、その場でたたらを踏んだ。

「ど、どういうことじゃ……!」

 苛立ちと怒りの混ざった声で呻く様に呟いて、スイフトは二人の女を振り返った。そして彼は、彼の作ったゴーレムの一体が、彼に向けて拳を振り上げているのを見た。巨岩のような拳がゴウッと音を立ててスイフトの鼻先を掠める。その風圧に押されて、スイフトはよたよたと背後に立ったゴーレムにぶつかった。

 ゴーレムの拳が轟音と共に大地を激しく打ち、地面が揺れた。

 バランスを崩したスイフトが尻餅をつく。

「まあ」

 と、フランは声を上げた。

「凄いでしょう」

 どこか得意そうに言ったのは、シェルミだ。

 フランは、彫像の様に固まったゴーレムに近付き、地面を打ち据えたままの拳をまじまじと観察した。

「あれだけの力でしたのに、拳が壊れていませんね。あたしにもこんなゴーレム、作れませんわ」

 横目でフランがスイフトを見る。

「素晴らしい腕ね。あなた」

 スイフトはごくりと喉を鳴らした。胸の内にこれまで感じたことのない感情が蠢き、胃の腑が縮こまるのをスイフトは感じていた。

『……これが、恐怖というものかの……』と、そう思いながらも、スイフトの思考は止まらなかった。

『何をされたか、皆目、見当がつかん』

 術を無効にされたというのなら、まだ理解できた。しかし、ゴーレムを呼び出せたということは、術を無効にされた訳ではない。では、何をされたのか。様々な可能性がスイフトの脳裡に浮かんでは、すぐに否定されて消えていった。精霊との契約そのものが無効にされたかと閃き、それならば現在の状況に一致すると納得したものの、どうすればそんなことが出来るのか、まったく想像できなかった。


 スイフトは手がかりを求めてゴーレムの傍らに立つシャッカタカーに目をやり、続いてマスタイニスカを見た。

 マスタイニスカの服の裾が、微かにではあったが不自然に揺れていることにスイフトは気付き、特に意識することなく、記憶に留めた。

「もう、殺しても構いませんか?お母さま」

 わざと声に出して、フランはシェルミに訊いた。勿論、スイフトに聞かせることが目的で、殺すと言われた彼がどう反応するか、知りたかったのである。

「ま、待て」

 スイフトが喘ぐよう言う。しかしそれは、命乞いのためではなかった。

「殺されても良いが、その前に、お主らが何をしたか教えてくれ。ワシのゴーレムに、何をしたのじゃ。どういう業なのじゃ」

 フランが笑う。スイフトの反応は、彼女の期待以上だった。

「いいわ、あなた。とても魔術師らしくて」

「あたり前じゃ。何も知らぬまま死ねる訳などなかろう。シャッカタカー、お主も魔術師なのじゃろう?ならば、ワシの気持ちも判るじゃろう?

 だから頼む。教えてくれ」

「駄目よ。教えてあげない。だってあなたは、お母さまを害そうとしたんだもの」

 感情の籠らぬ目でスイフトをただ見下ろして、まるで温かみのない平板な声を、フランが落とす。彼女の足元で、異様なほどに濃い影がざわざわと蠢いていた。

「何も知らないまま死ぬ方が、あなたには相応しい。ただ、あなたの示した魔術師らしさに免じて、楽に死なせてあげるわ」

「待って。フラン」

 不意にそう言って、何ら警戒することなくシェルミがスイフトに歩み寄った。

 そして、ほんの20cmほどの距離まで顔を寄せて、シェルミはスイフトの細い目を覗き込んだ。スイフトは、マスタイニスカの瞳が赤く輝いているのを見た。とても禍々しい、しかし、吸い込まれそうなほど冷たく、美しい輝きだった。

 赤い魔眼の魔術師。

 幾つかあるマスタイニスカの通り名のうちのひとつの意味するところを、赤い瞳を魅入られたように見つめたまま、スイフトは知った。

 シェルミが身体を起こし、フランを振り返る。

「この子は生かして返して頂戴、フラン」

「宜しいのですか?」

「ええ」

 フランは溜息を落とした。彼女としては不本意だったが、シェルミがそう言うのならば仕方がない。

『好機』

 と、スイフトは思った。

 マスタイニスカの予想外の言葉にシャッカタカーは明らかに失望しており、しかも彼の目の前には、マスタイニスカの無防備な背中があった。マスタイニスカの”中身”を見るなら、今しかない。そしてそう思った時には、スイフトは行動を起こしていた。右手を素早く背中に回す。そこには、腰のベルトに挟んだナイフがあった。

 後のことなどスイフトは考えてはいなかった。ただ、マスタイニスカを刺すことができる喜びに、スイフトの顔に狂気に溢れた笑いが浮かんだ。

 しかし、すぐに「ぎゃっ」と悲鳴を上げて、スイフトは悶絶した。

 背中に回したスイフトの手首を、スイフトの影から伸びた、影よりもなお濃い影が固く掴んでいた。

「な、なんじゃ……?」

「無駄よ。あなたの考えなんか、お見通しよ」

 と、フランは言っておいた。

 勿論、嘘。好意的に言い換えれば、はったりだ。

 彼女はただ、スイフトがシェルミに危害を加えようとしたら彼を止める様にと言いつけて、妖魔をスイフトの影に潜ませておいただけである。

 シェルミもまた、黙ってスイフトから離れた。

 スイフトが引き抜こうとしたナイフは、彼がそうと考えた時にはシェルミが跡形もなく分解してこの世界から消し去っていた。何も起こらなかったのだ。スイフトが自分を刺そうとしたことをわざわざ口にして、フランにスイフトを殺させる必要はどこにもない。

 フランは妖魔に手首を掴まれたままのスイフトに近づき、彼を見下ろした。

「お母さまに免じてあなたは生かして返してあげるわ。でも、もしもう一度、お母さまを害そうとしたり、あたしの妹たちを害そうとしたら、あなたの影に潜ませたあたしの妖魔がすぐにあなたの首を落とすわ。

 いいかしら?」

「い、妹たち?」

 フランの脅しより、そちらの方が気になったのだろう。手首を握られた痛みに苦しみながら、スイフトが訝しげにフランを見上げる。

 本当に大したものね、とフランは苦笑を浮かべた。

「それじゃあ、彼を放り出してくださいな。お母さま」

「そうね。残念だけど、終わりにしましょう」

 スイフトの背後に立ったゴーレムに、シェルミが目を向ける。

 目を向けられたゴーレムがスイフトの襟首を掴み、そのまま重さなど感じていないかのように、無造作にスイフトを投げた。屋敷の外まで10m以上はあるだろう。「死なせちゃだめよ」とスイフトの影に潜ませた妖魔に大声で命じて、スイフトの小柄な身体が壁を越えるのを見届けてから、フランは緩めていた結界を閉じた。


 んーと伸びをしたフランの口から、欠伸が洩れる。

「さあ。もうお帰り」

 シェルミがゴーレムに声を掛けると、庭に立ち上がっていたゴーレムたちは大人しく土へと戻っていった。

 シェルミの足元で精霊たちが名残を惜しむようにくるくると回り、フランに挨拶をしたのだろう、フランの長い髪を軽く靡かせて夜空へと消えて行った。勿論フランに精霊の姿は見えなかったが、シェルミの視線が、精霊たちの動きを教えてくれた。

「どうだった?フラン」

 シェルミがフランに訊ねる。

 フランは満足したように微笑んだ。

「なかなか楽しかったですわよ、お母さま」

 シェルミの顔に、朗らかな笑みが拡がっていく。

「でしょ?予想以上に楽しい子だったわ」

「ええ。本当に。あんなに見事なゴーレム、久しぶりに見ましたわ」

「そうね」と、シェルミが一人の魔術師の名を口にする。「彼が作ったゴーレム以来かも知れないわね」

「それほどでもありませんわ」

 フランの言葉に、シェルミが声もなく笑う。

「まあいいわ。

 それでね、フラン。ちょっと考えたのだけれど、彼、ゾーイとは別の子に預けた方が良いと思わない?」

 シェルミの言葉の意味をフランはすぐに察した。

 ゾーイとは太陽神の名で、スイフトの守護神が太陽神であることは、シェルミに教えられてフランも既に知っていた。

「そうですわね」

 と、フランも同意した。

 フランは太陽神の姿を思い浮かべた。半裸でいつも豪快に笑っている。それがフランの持つ太陽神のイメージだった。

 太陽神は一部の女神に受けが悪い。

 特に平原と動物を司る女神である平原公主は、蛇蝎の如く太陽神を嫌っていた。それは平原公主の個人(個神)的な逆恨みによるものなのだが、太陽神を嫌う女神たちは太陽神のことを、「筋肉馬鹿」と、呼んだ。

 そして、その呼び名こそが、太陽神の性質を最も的確に表していた。

 まっすぐで一本気で裏表がなく、文字通りの(つまりは物理的にも)燃える男神が、太陽神である。

「確かにゾーイ様とスイフトは、相性があまりよくありませんわねえ」

「でしょう」

「どなたか、心当たりはあるのですか?」

 多分あの御方だろうと思いながら、フランは訊ねた。混乱と狂気を司る神。千の妖魔の女王たるフランでさえ、名を口にするのが憚られる神。

 そしてシェルミは、フランの予想通り、その神の名を告げた。



          -4-


「やれやれ。酷い目に遭うたわい」

 ぶつぶつと不満を口にしながらスイフトは立ち上がった。

 落ちる寸前に身体が何かに受け止められる感じがして、咄嗟に受け身を取ったため酷い怪我はしていない。むしろ何かに強く握り絞められた手首の方が、まだずきずきと悲鳴を上げていた。

 スイフトは痛みに堪えながらマスタイニスカの屋敷の壁に手を当てると、改めて結界を探った。

 しかし、幾ら探っても結界はどこまでも平坦で手がかりがなく、破れそうなところはどこにも存在していなかった。

「とんでもないのぉ」

 スイフトは首を振った。

 これまで見たことがないほど精緻で複雑な結界。屋敷に忍び込む前に、彼はそう思ったのである。それが、侵入できるようにわざと緩められていたモノだったとは。

 スイフトは薄い自分の影に目を落とした。

 彼には判らなかったが、そこに、妖魔が一体、何かあれば即座に彼の首を落とすべく潜んでいる筈だった。

「いい勉強になったと、諦めるとするかの」

 いつもなら簡単に諦めるスイフトではない。しかし、どうやらデアの4大魔導士というのは、他の魔術師とは次元が違うらしいと、スイフトは理解していた。

 シャッカタカーも然りではあるが、マスタイニスカの方が、まったく得体が知れなかった。

 おそらくは精霊を奪い取られたのだ。そして奪い取ったのは多分、シャッカタカーではなく、マスタイニスカの方である。彼がそう思うのは、ゴーレムを動かしていたのがマスタイニスカだったことに加えて、マスタイニスカの着ていた服の裾が、不自然に、微かに揺れていたからだ。

 あれは、奪い取られた精霊が揺らしていたのではないか。

 スイフトはそう気付いたのである。

『有り得んことじゃ』

 精霊は上位になればなるほど、プライドが高い。

 その精霊が、まるで飼い犬ででもあるかの様にマスタイニスカの足元にすり寄っていたのである。

 もはやマスタイニスカをどうこうしようという気は、彼にはなかった。

 しかし、魔術師の性とでも言うべきだろう。解きがたい難問を目の前に提示された時のように、ではどうすればマスタイニスカに対抗できるかと、思考を巡らせることを、スイフトは止められなかった。

『精霊術は効かんじゃろう』

『いや』

『効くとか、効かんとかいう問題ではない、のう』

 デアの中心部の一角にある宿舎に戻りながら、スイフトは考え続けた。

『むしろ、何か、物理的な力の方が……』

『もしくは、決して意思の介在しようのない力であれば……』

『……あ』

 深く思索に沈んだスイフトは、中空に焦点の定まらない視線を彷徨わせた。

『……神秘語ならどうじゃ……?』

 神の言葉とされる神秘語であれば、神の力を、神の意志とは関係なく引き出すことが出来る。それならば、マスタイニスカにも対抗できるのではないか。彼はそう思い至ったのである。

 ただし、神の言葉だ。人に発音できるものではない。それに、己の意思に関係なく力を使われた神が黙っている筈もない。

『ま、それはそれ……』

 スイフトはふと足を止めた。

 いつの間にか、彼の周囲から光が消えていた。あるのはただ、足元の道路だけで、他は全くの闇だった。微かな虫の声すらなく、スイフトの周囲は耳に痛いほどの沈黙に覆われていた。

 背後に、誰かが、いや、何かがいる。

 凍えそうなほどの冷気が、彼の足元を這い登って行く。

 シャッカタカーに感じたのとは性質が異なる、本当の恐怖というものを、立ち竦み、滝の様に脂汗を流しながら、スイフトはようやく知った。

「確かに、ゾーイには勿体ない」

 と、中性的な声がスイフトの背後で響いた。



          -5-


「今度はいつまでいるの、フラン」

 母屋に戻りながら、シェルミはフランに訊ねた。

「しばらくは。お母さま」

 今回のことは、シェルミが退屈のあまりしでかしたことだ。

 北の大国は、まあ放っておいても問題はない。彼女が仕込まなくても冬陽宮は権謀術数が渦巻いて、いずれ問題が起こることは疑いようがない。

「うちの温泉も、たまにはゆっくり楽しみたいですしね。そう言えば」

 と、フランは、庭に出てくる前に部屋に残してきた財布のことを思い出した。

「臨時収入もありましたし、明日は皆で気晴らしに、街に買い物にでも出ませんか?」

「それはいい提案ね、フラン」

 シェルミが微笑み、少し弾んだ声で応じる。

「でも、たいして入っていないわよ、あの財布」

「あら。本当ですか?」

「ええ。女を引っ掛けるための小道具みたいね、あれ。だから私が戻しておいてあげる。代わりにあなたのコートは、冬陽宮のあなたの部屋に戻しておくわ」

「あらあら。軍資金が無くなっちゃいましたわ」

「可愛い娘が帰ってきたんですもの。私が奢ってあげるわよ。フラン」

「あら。ありがとうございます。お母さま」

「スフィアの神殿近くに、新しい甘味処ができたって皆が騒いでいたわ。私も行ってみたいのだけれど、付き合って貰える?フラン」

「ええ。もちろん喜んで」

 笑顔で答えて、フランはシェルミの手を取った。

 シェルミもまた、フランの手を握り返す。

 共犯者とでも評すべき二人の魔女は、固く手を握り合ったまま、彼女らの安息地である屋根の下へと姿を消した。


 ひとつベッドで抱き合って眠る二人を発見して、妹たちがきゃあきゃあと騒ぐのは翌朝、太陽も随分と高くなってからのことで、「まだ留学は半年ほど残っておるでな」と言ってスイフトがひょっこりと姿を現し、フランを大笑いさせるのは、更にその数日後のことであった。

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