自分がなろう運営になったつもりで、オリジナリティのある作品がランキング上位に並ぶようにする目的で「なろうテンプレ」作品を運営権限で削除してみようと考えると、なかなか面白い思考実験になる
タイトルを受けて。
まず文学とかヒューマンドラマ、ミステリ、SFといった非ファンタジー畑の人と、ファンタジー畑だけど一世代前の作風を好む層とで、おそらく切ろうとするラインが変わってくる。
前者は、まずファンタジーしかランキングに乗らない状況それ自体に不満を持って、「オリジナリティがない」と言うだろう。
だが、「なろうテンプレ」を排除したところで、そうでないファンタジー(あるいは恋愛)作品ばかりがランキング上位に並ぶことになるのは、想像に難くない。
なので、彼らの要求に応えるためには、ファンタジー(恋愛)作品をすべて切り捨てる必要がある。
一方後者に関しては、異世界転移/転生、俺Tueeee、主人公最強、チート、ハーレム、ゲーム的異世界、ストレスフリーあたりの要素を多大に含んだ作品を排除すれば、多分彼らの求める「オリジナリティのある作品」がランキング上位に上がってくる。
このぐらいまで考えてくると、この問題が非常に益体のない話であることがわかるだろう。
問題の根本的な原因は、「オリジナリティのある作品を好む読者の数が、相対的に少ない」ことにある。
いや、厳密には、なろうテンプレ作品が好きな読者は、なろう読者全体の3~4割程度に過ぎないのかもしれない。
ただ、「オリジナリティのある作品」を好む層は、一枚岩ではない。
「オリジナリティのある作品」を好む層の中から、さらにあちこちのジャンルや作風に散らばるから、「オリジナリティのある作品」を好む層が全体の6~7割いたとしても、そのうちの1割がミステリを求めていて、1割が文学を求めていて、1割がSFを求めていて……ということになり、結果としては、なろうテンプレ好きの読者層が、多数派となっているのだろう。
その作品を好む読者の「数」でランキングしている以上は、おそらくオリジナリティ豊かな作品が並ぶランキングにするのは不可能。
多分、ランキングとは別軸で、何人かの厳選された読者が選ぶ隠れた名作、みたいなものを作らないといけない。
(ヤラセのない)ファミ通レビューみたいなやつ。
大衆に評価させると、どうしたってアマゾンレビューで感情的に☆1を連打するようなアレな読者によるノイズが相当数混じって真っ当な評価にならないから、匿名ではダメ。
自分の名に賭けて顔に賭けて正当な評価を下す気概のある厳選された読者じゃないといけない。
あと作者同士のなれ合いなど、人間関係的な部分も排除した、ドライな評価をできる人じゃないといけない。
ときどき、なろう底辺作品の評価エッセイ(連載、一話一作品)を書きたいなと思うことがあって、でもその時間が惜しくてやってない。
条件は総合評価2000pt未満、原則最初1万文字を読んで評価、原則酷評、☆1~☆5の5段階評価、コメントは思ったことをズバズバ書く、作者自身やその作品を好きな人は見ないこと推奨、あくまでも未読の読者に作品を読むきっかけを与えることを目的に、みたいな感じで。
最初1万文字でっていうのは、単純に一作品をそれ以上読むのがしんどいから。1万文字で読者をつかめなければ、そのあと面白くなるような作品でも高評価できないっていうのもある。
原則酷評っていうのは、思ったことを書くと基本酷評にしかならない人間だから。いいことばかり書こうとすると、多分書くことがなくなる。
そんな日常のつぶやき。
レスはだいぶサボると思います(いつもの逃げ道)