プロローグ
幸せな温かい家族がいました。
沢山の緑の庭や、丹精に造られた、庭園。
そして、そこで遊んでる子供と二匹の動物。
子供の父親であり、動物達の飼い主である、アスカ・クロウ。
生まれ変わった、ある人物の曾祖父にあたるのである。
ある家に、一匹の黒い猫と白い犬がいました。
二匹は仲が良く相反する種族とは、思えません。
犬は言いました。
「僕は、猫が好きな訳じゃないけど、その自由な生き方に憧れる」
猫が言い返します。
「私だって、犬が好きな訳じゃないけど、一生懸命で
誠実なその生き方に憧れてる」
二匹は、互いに照れました。
二匹は、種族こそ違うが、愛し合っていました。
二匹は、同じ種族の異性と交尾しない事を、決意していました。
人間達が、言っている[転生]と言うのもが、どんな生き物でも、
ある事を知っていました。二匹は祈りました。今度は、同じ種族に生まれ
今世と、同じ様に異性である様にと…
時は過ぎ、犬と猫は共に歳を取り、同じ日、同じ時間、同じ場所で、
亡くなりました。
猫としては長く、犬としては短い生でした。
犬は、病気になり易いが、長生きな生き物で、猫は逆に罹りにくい
代わりに短命。
最後のお互いの言葉は、あの日あの時に願った通り、同種で異性ならば…
例え、違う種族であっても、必ず迎えに行く、
そして今世と同じ様に一緒に居ようと……
数十年の月日が経ち、白犬と黒猫の生の話が、童話になる頃、
一人の銀髪の少女が黒猫と白犬の本を両親と一緒に買いに、本屋さんに来ました。
お母さんが語りかけました
「シェリーは、このお話が、好きだものね」
少女、シェリーが言いました。
「この物語の黒猫さんの名前が元なんでしょ?シェリルの愛称がシェリーだもの」
お父さんは笑いました
「そうだよ。猫の特徴は気まぐれで、自由奔放なのに、黒猫のシェリルは、白犬のシオンに寄り添っている。もし、シェリーに好きな人が出来るなら、白犬のシオンみたいな男性が良い」
シェリーは苦笑いしました。
何故ならば、白犬の生まれ変わりがシェリーなのだから。
シェリーは、黒猫の生まれ変わりを探しましたが、、全く見つかりません
(もしかしたら、同族であっても、同性なのかも…私達は結ばれない運命なのかもしれない)
シェリーは悲しくなりました。
シェリーはまだ、6歳の子供なのですが、前世では6歳は人間の40歳にあたるので、シェリーは、焦っていました。
「シェリー、今年の4月に日本に引っ越す予定だけど、日本でもこの物語を買うのかい?」
お父さんは尋ねました。
「うん、好きな物語なら言葉を覚えやすいかなって」
シェリーは、笑顔で答えました。
こんにちは(゜▽゜)/春麗華雪です、この物語は毎月13日更新★