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エンシェント〜古代の魔龍〜  作者: 霜月 冬希
第一章 凍土の魔龍
3/5

"兵格(ランク)"

「護衛…ですか。で、誰の?」


国王が直々に、しかも極秘に依頼する護衛なんて、どんな重要人物なのか。


「私の娘、シャーン・グリードだ」


王女。

国王の依頼であることもこれで頷ける。

では、


「なぜ、極秘任務なんでしょう?」


カロスの話を聞いた時からの疑問をぶつける。


「おや?カロスから聞いていないのか」


「いや兵団長にも言ってないですよね?」


そつなくツッコむ。

ディーンは少し考え込んでから、口を開いた。


「この国には、代々伝わる宝杖があるのは知っているな」


「…はい」


宝杖アールガムス。

ユリアス王国の初代女王カストロが作った、魔を払う力を持った聖なる杖だ。


「そろそろ、宝杖の継承を行わなければいかん。そのためにはこの城から西にある、初代の墓を奉っている祠で継承の儀を行なわなければならんのだが、そこまでの道には…」


「あぁ、"魔龍(エンシェント)"、ですね」


"魔龍(エンシェント)"。

人智を大きく越えた力と巨体を持ち上げて空を自由に飛ぶ翼を持ち、口からは炎を吐く最古の魔物。

出現の原因は未だ判明しておらず、倒す術も見つかっていない。

ユリアス王国兵団でも単軍では対抗できず、傭兵を雇ったり隣国の兵団と協力してやっと倒せる程度。

それが世界各国で突如として出現し、暴れ出す。

しかし、何故か二体以上のエンシェントが同時に現れることはなく、故に隣国の兵団を借りることもできるのだ。


「しかし、この国には優秀な兵士団がある。俺の力なんて必要ないでしょう」


謙遜の類ではなく、ユリアス王国の兵士団は

事実優秀である。


"傭兵機関(エージェンシー)"は、成人以上の傭兵をそれぞれ三つの階級に格付けしている。


1番下が『C』。召集兵(コールド)(calld)のCだ。全傭兵の約3分の2がこのランクに属しており、平均的な戦力と言える。

その上が『B』。正規兵(バスタード)(basterd)のB。

そして『A』。精鋭兵(エース)(ace)のAだ。ランクBは三百人以上いる傭兵の内百人程しかいない。

ランクAなどは、たった十人。しかし、その一人一人がランクB八十人程の力を持っている。

故に精鋭。そして、ユリアス王国兵団の兵士達はほとんどがランクBの傭兵と同等以上の力を持っている。

これは他国の兵士団から頭一つ抜けていると言える強さだ。

しかしディーンはかぶりを振った。


「我が王国兵団は、最近出現の頻度が増えているエンシェントの討伐及び調査に必要なのでな。それに、国内にクーデターを企てている者達がいるようだ。だから君一人に頼んだんだ」


「…クーデターですか…分かりました。その仕事、受けましょう」


「そうか。では、城門で待っていてくれ。シャーンを変装させて向かわせる。…それと、さっきの話はくれぐれも内密にな」

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