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蒼天

作者: さきと




遥か彼方 届けと水の音


消えぬ想い 小夜の波間


現在も在り続ける 稚き


溶けた白色の花 残心と



煌々と天に 貴方の瞳


一つ摘んで また一つ


薄明の 飛沫と成りて


震える指の先 空昇り




消えた




面影残し心に生きる人よ


哀しみの別離と無くして


ただ一人愛したのは貴方


痛み流した雫は名残の雪


それでもまだ


声は聞こえない




小さな灯は 弔いの香と


零れる旋律 流麗と囁き


水鏡映す玉響の心 今も


懐かしき想い 募らせた



愁い帯びるのは 相思


花のかんばせ 濡らし


光放つ遠雷と 響いて


空虚の心に 澄み渡り




馳せた




揺らぎ続けた傷痕さえも


何処か虚しさに包まれて


最後に愛した貴方の声も


気付かぬまま過ぎて行き


今ではもう


涙も流れない




誰知れず問い掛けたものは


誰にも解る筈無い貴方の答




ただ一つ



求めてた



貴方の声



聞かせて




愛しさに包まれた思い出


置き去りし過去の記憶は


まるで儚い夢幻のようで


忘れたいと願っていても



忘れられずに



面影残し心に生きる人よ


蒼き静けさと風に乗って


澄んだ空に鮮明と蘇るは


胸の奥に遺る貴方の言葉



ただ一人愛した貴女に


「ささやかな幸せを」
















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