天才野球少年ユウポン
天才野球少年‘ユウポン’
俺の名前はユウポン。
っえ?ユウポン?なんだそのふざけた名前はだって?
もちろんあだ名に決まってんだろ。
本名は無理っすよ(汗)。個人情報保護法とかそういうのあるじゃん。
ま~あれだ。とりあえず俺は野球の天才だってことだ。
ちなみに12才だからな。
ま~いきなり天才とか言われても信じられないだろうから、
この前、少年野球チームの助っ人をした時の武勇伝でも語ってやるよ。
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俺が助っ人するチームは地区最弱と言われている“ヘッポコパイナップラー”。
相手は地区最強と言われている“フラッシュドラゴンズ”だ。
ま~俺が助っ人する時点で“なんとかドラゴンズ”とかいうチームなど
敵ではない、捻りつぶしてくれる。
審判「これよりヘッポコパイナップラー 対 フラッシュドラゴンズの試合を開始する」
監督「ピッチャーはユウポン。おまえだ!頼んだぞ」
ユウポン「っふ。言われなくてもわかっている」
………。
監督「……ユウポン…。そこセカンドなんだけど…」
ユウポン「っえ?セカンド?
あ……そうそう、ここセカンドだったね。
……母性本能をくすぐる為にわざと間違ったのだよ」
審判「プレイボール」
ユウポン「っふ。まずは軽く豪速球で観客の目を釘付けにしてやるか」
実況「ユウポン、第一球投げました!」
カキーーーーン!!
実況「入ったーーー!!いきなり先頭打者ホームラン!!
今のはスローボールでしょうか!?
ユウポン選手の表情はどうでしょうか!?」
ユウポン「 ( ̄□ ̄;)!!」
実況「おーーっと、“こんなはずではなかった”みたいな顔だーーー!!」
ユウポン「……っは!いかんいかん。もこ〇ちよりカッコイイ俺の顔が引きつってしまった。
しかしアイツ…。俺の豪速球を軽々とスタンドインするとは…。
ただものじゃないな。
仕方ない。全国大会で使う予定だった、“ミラクルストレート”で血祭りにあげてやるよ。
内角低目、これなら打てまい」
実況「ユウポン選手、投げた!!」
カキーーーン!!!!!!
実況「入ったーーー!!二者連続ホームラーン!!
またもやスローボールでしょうか!?
しかも2球連続ど真ん中です!
ユウポン選手、体調が悪いのでしょうか!?」
ユウポン「(((゜Д゜;)))」
実況「おーっと震えています!!顔がブレるくらい震えています。
風邪による寒気でしょうか!?」
ユウポン「ま、まさか“ミラクルストレート”までもがスタンドインされるとは(゜Д゜;)
こいつら…体は子供、能力はメジャーリーガーということか!?
こうなったら代々ユウポン家に伝わる秘球“ライジングスライダー”を使うしかない。
これなら掠りもしないぜ!」
実況「ユウポン選手、投げた!」
カキーーーーーン!!
入ったーー!!
三者連続ホームラーン!!
なんと3球連続なんの変化もないスローボールです!!
早くも3―0!すでに勝負ありかー!?」
〔監督〕「ユウポン…。次打たれたら3時のおやつ抜きだ」
〔ユウポンの心〕「な、なんだと~~!!1日の中で1番重要だと言われている3時のおやつが抜きだと!
おやつ無し=死。こうなったら……殺られる前に殺るしかない。
とうとうこのボールを使う時がきたか。
“ユウポンボール”を!
このボールは違反ボールだ。
見た目は普通のボールだが一つ違う点は重さが30キロだということ。
頭に当たれば間違いなくあの世行きだ」
実況「さぁー次のバッターはカリブ海の巨人、スティーブン!
19打席連続ホームランを打っています!!
この打席でホームランを打てば前人未到の20打席連続ホームラン!!」
ユウポンの心「19打席連続ホームランだと!?
っふ。相手が悪かったな、
本邦初公開の“ユウポンボール”であの世に送ってやるよ」
実況「ユウポン選手、振りかぶった」
ユウポン「死ね!ユウポンボー!!?
あれ、重、重すぎて投げれねー!!
折れる、腕折れる!
あ!?ああぁぁあ!」
ボキッ
……………。
実況「……………」
監督「…………」
審判「……………」
ユウポン「………てへ☆」
審判「退場」
実況「ないわ・・・」
監督「おやつ抜き」
≪ユウポンの伝説は、きっと終わらない≫