十二の詩《うた》 第十回
十二の詩 第十回
① 悶える半身と縮むイチジク。
② 疲れて眠る小熊のようなバンビ。
③ 推定四百メートルはあろうかと見間違う、クジラ。
④ 自由と背徳の摂理と刹那、愉快に笑う。
⑤ 自慰と自尊の地味な付き合い、それをみる北風。
⑥ 大河と高落にまみえる大瀑布。
⑦ スイカの縞を数えてみる。
⑧ 超常現象と裸と透明人間、さらに増える。
⑨ 樹木に成る黄金の果実、頬張る口にとりつく島もない。
⑩ ジェットコースターのような人生、雪ダルマのような体、破れた障子みたいな心。
⑪ 侵略と略奪、擁護と保護、真打と隠し球。
⑫ これからのことを考える、生涯職無し、今に暇。
平成二十一年一月二十四日 記す