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そのきゅう 貴族眼帯と竹刀(後編)

 

 昼休み。がやがやと騒ぐ廊下であるが僕と剣冶、満さんは教室で昼食を食べている最中であった。


「・・・時雨君、今日の弁当を作ったのは君だったよね。」


「うん、そうだよ。」


「このリンゴ弁当はどうやって作ったのかな?あまりにも手抜きをしてないかな。」


「・・・ごめん。」


 剣冶の弁当の中身はリンゴの山盛りであった。


「・・・やれやれしょうがないな。」


 二人でそんなことを話していると満さんが話にかたってきた。


「二人ともおかしいと思わないの?今日の朝倒した眼帯貴族の事。」


 あれは彼の妹と思われる女の子が倒したものである。

 そんなことを話していると校内放送が聞こえてきたのであった。


『えーと、本日の朝剣道部首領と戦った人は今すぐ剣道場に来て下さい。繰り返します・・』


 三人で顔を合わせると剣冶と満さんが僕を見ている。


「・・・早く行きたまえ、時雨君。」


「うん、早く行ってきたほうがいいよ。」


「・・・僕だけ?」


 頷きあう二人。


「大丈夫だ、僕もこの弁当を食べたらすぐに向かう。ちなみに僕はあまりリンゴは好きでは無いな。」


「私もお弁当食べたらすぐに行くから頑張ってね。」


 満さんのお弁当箱はかなりでかい。食べ終わるのにかなりの時間を有するであろう。僕はしょうがなく立ち上がり剣道場に続く廊下を一人むなしく歩くのであった。



 剣道場にはいるや否や竹刀が跳んできた。


「うわぁ。」


 危機一髪でよけると新たな竹刀が跳んできた。

 ・・・・いつから僕は竹刀にすかれるようになったのであろうか。結局一本目に跳んで来た竹刀を拾い上げて飛んでくる竹刀を叩き落す。まぁ、実際の所ちょっと当てるぐらいで竹刀は落ちてくれたのだ。


 竹刀が飛んでこなくなったので奥に進むと二人の人間が僕を迎えてくれた。


 一人目は眼帯貴族さん。そしてもう一人がその妹と思われる人物である。


「ふ、なかなかやるじゃないか。」


 眼帯貴族さんは右手で髪をかきあげながらそんなことを口走る。


「兄さんが投げたわけじゃないくせにえらそうにしないでくれる?」


 その反応に頭にきたのかその妹が反論する。


「・・・あの、早く用件を言ってくれませんか?」


 このままにしておいても時間が無駄に過ぎると思うので僕から話をすすめることにした。


「なに、簡単なことさ。君が戦ってれればいいことだからね。」


「どちらと戦えばいいんですか?」


 僕の視点から見るとこの人たちはかなりのやる気を見せているようだ。


「もちろん」


 そこまではもったが、


「私」

 「僕」


 見事に分かれた。


「・・・兄さんにはまた眠ってもらおうかしら?」


 となりにいる兄に問答無用で竹刀を叩きおろすその妹。

 あまりに話がとんとん拍子に進みすぎているのでとてつもなく違和感を感じてきた。


ドグォ。


 痛々しい音が剣道場に響き眼帯貴族さんはその場に倒れふしたのであった。


「自己紹介がまだでしたね。」


 竹刀を振り回しながらこちらをふりむく竹刀娘。


「・・・いえ、自己紹介をしてくれなくて結構ですよ。」


 僕の意見としてはこれだけいえることは間違いない。できればこれ以上おかしな人たちがでてきてもらっても困るのである。つまり、竹刀娘が自己紹介をしてしまうと彼女とは知り合いになってしまい、下手すると毎日竹刀が僕に飛んできそうな感じがするのである。


「遠慮しないで結構よ、私の名前は柳 涼

(やなぎ すず)よ。覚えておきなさい。ちなみに呼び捨てで構わないわ。」


・・・・。


「しょうがないか、あきらめよう。そっちで気絶している人の名前はなんていうの?」


 涼は僕が指さしている人物に目をやったが

堂でもよさそうな顔をした後に、


「そんなの気にしなくて結構よ。あなたはエキストラの名前がそんなに気になるの?」


 少々眼帯貴族さんがかわいそうである。


「うう、ひどいよぉー涼が虐めるよ。そこの君、こんな悪い奴成敗してくれ!成敗してくれたらこんな妹君にあげるよぉ!」


 いつのまにか僕の足元に来てそんなことを言っている眼帯貴族さん。


「おだまり!」


 飛来してきた竹刀により眼帯貴族さんはまたもや虫の息である。


「・・・・もう、そろそろお迎えが来たようだ。へへっ、こんな俺でも天国にいけるのかなぁ?」


 そのまま目をつぶる眼帯貴族さん。ああ、惜しい人を無くしたものである。


「兄さん、早くそこからどいてください。」


 むくりと起き上がり剣道場の隅に座って僕たちの決闘場を作ってくれたのである。更に。


「あの凶暴な妹に勝ったら僕は共学を共に目指すよ。」


 これは絶対勝ちたい勝負である。そして最後に小声で言うのであった。


「そして副賞として年頃の男の子には嬉しい本をプレゼントしたいと思います。」


・・・・負けられない。必ず僕はこの涼に勝って見せる。


「そうねぇ、普通に剣道のルールでやったって面白くないから倒してロープで縛り上げたほうが勝ちにしましょう。」


 うなずく僕を見てから眼帯貴族さんが僕に手招きをする。


「・・・いいかい、彼女はそういうのが好きみたいだからね、もしも勝負に負けたら大変なめにあうから気をつけるんだよ。」


 そんな忠告までしてくれたのであったが、


「兄さんも同じようしてあげるわ。」


 その言葉を聞いて青ざめて失神してしまった。


 僕としては戦っている最中の事をあまり話したくないので結果を言いたい。結果は僕の楽勝である。しかし、僕はロープで涼を縛るなど到底出来ずに困ってしまった。一応手にロープは持っているのだが、元からそんな趣味を持ってない僕はただただ疲れて寝転がっている涼に説得するばかりであった。


「・・・・お願いだから負けを認めてくれないかな?」


「嫌だ。それならさっさとロープを私の体に巻けばいいでしょ。」


 すでに午後の授業は始まっているようで、僕がさっさとしなければどんどん遅くなってしまうのである。


「・・・なんかいうこと一つだけ聞くからさ。」


「・・・・ふん。」


 ここで僕が取るべき行動はなんだろうか。縛ってしまったら剣冶から今後変態を見るような目つきで見られるにちがいない。

・・・・いや、いっそのことばれないようにやってしまおう。

 早速僕はそれを実現するためにロープで彼女を縛ったのであった。


・・・・誤解が無いようにはっきりいっておくが縛ったといっても形だけである。彼女が動けばロープはほどけてしまうし、立とうと思えば簡単に立てるようになっているのである。それをきょとんと眺めていた涼だが、僕は失神している眼帯貴族さんを抱えて剣道場後にした。


 ちょうど休み時間になったのであろう。廊下には生徒が出ていて僕を見てさっさと引っ込んでいった。教室からはひそひそ話が聞こえてくる。


「剣道部の首領結構かっこよかったからとうとう転校生の餌食になったか・・・。」


「俺達も気をつけないとあの転校生男好きらしいからな・・」


 僕は溜息をついて眼帯貴族さんを保健室に連れて行ったのであった。


 その後は自分の教室に戻り、剣冶たちに状況を報告。剣道部は落としたと告げた。


「まぁ、当然といえば当然かな。この調子で頑張っていこうか時雨君。」


「うん、頑張ってね時雨君。生徒会を叩くなら今しかないよ。」


 これからもまだまだ共学を果たす夢は大変と推測できるのは簡単なことである。ちなみにこの二人には涼の事は言わなかった。なぜならややこしい状態になるのは編物を知らない人がいきなり始めるのと一緒だからである。


 その後特に何もなく平和に過ごした後、帰宅となった。

こっちに来て少し経つので蕾や美奈さんの事が気になるが元気でやっているとしんじよう。剣冶と一緒に家に帰りつき自分の部屋の中に入ると大きなダンボール箱が置いてあった。過去一度似たようなことがあったので不安になった。剣冶に尋ねてみたが彼は知らないといっているので別に危険なものではないと思われる。




 あまり気は進まなかったが 開けることにしてみたのだが、さすがにゆうきを必要とした。


「・・・・えいっ!」


 こわごわ目を開けると中からあまり見たくないものが出てきた。


・・・・・涼である。そして眠っているその隣には手紙が置いてあり、それには簡潔に文字が書かれていた。


『約束通り君にプレゼントだ。安心したまえ、ちゃんと本人の許可は取ったからね。』


 いやいや、許可とかそんなあれじゃあないだろうに。こんなことをしている場合ではない、急いで送り返さなければ剣冶に見つかってしまう。


 当然、あの剣冶に見つからないように事は簡単には運ばず、笑いながらずっと僕の後姿を見ていたようである。


「部屋は共同で使ってくれたまえ、別に時雨君が嫌なら他の部屋で寝るならいいんだけどね。」


 既に僕の部屋以外には美少女フィギュアがおかれていて、そんなところではあまり寝る気はしない。

とりあえずは涼が起きてから帰ってもらうことにして何気に小さくかかれている部分を読ませてもらおう。


『約束の物は明日の放課後、体育館裏にで手渡したいと思う。』


 あれである。僕にとっては二度と手に入らないと思われていた本なので、少し気が緩む。


「・・・・時雨君、顔がにやけてて気持ち悪いぞ。」

 剣冶にしてきされてしまった。

そして、その頃学校ではこんな事があっていたのである。


「おい、あっさりあの剣道部首領がやられてしまったぞ。どうするんだ。」


「・・・安心しろ、既に次の手は打ってある。それに今まで音信不通だった生徒会長から連絡があった。もう少しで帰ってくるそうだ。」


「ほぉ、それはいい知らせだな。」


 この事は時雨たちは知らなかったし、このあくどそうな人たちも剣道部首領が本当は妹にやられたこと知らなかったのである。そして謎の生徒会長が時雨たちと対決する日はそうかからないかもしれないのである。

 えーっとまずこの前誤字の指摘をしてくれた方有り難うございます。多分言われるまで気がつくことはなかったと思います。さて、今回は後編でしたがなんとなく前とつなげることが出来ていなかったので自分としては少し悲しいと思っている所です。そして次は歯切れの良い?十話目になりますね。普段の進行はいつもの二人ですが題名も変わっているのでコンビも変えたいと思います。

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