そのさん 理科室、それは悲劇の宝箱。
さて、放課後。僕たちはほうきをもって理科室を掃除している。ちなみにイクスさんは愛用のほうきである。二人は理科室をして僕は理科準備室の掃除をしているのだが、かなり汚い。棚の中には無造作に色んな薬?や液体が入っていてぐちゃぐちゃになっている。
「・・・・なかなかこの引き出し開かないぁ。えいっ。」
その衝撃で上から液体の入ったびんが落ちてくる。僕は人体模型に阻まれて避けることは出来なかった。
バシャーン。
液体が僕の頭から身体を濡らす。
最後に空の瓶が頭にあたり僕は気を失ったのだ。
目を開けると誰かにひざ枕されていた。
「・・・うーん?」
「あ、気が付いた?」
「よかったぁ。」
立ってみると亜美さんとイクスさんが僕を見下ろしている。・・・・なぜだ?彼女達はこんなに背が高くないぞ?
「あのー。僕の名前は何かな?もしかして時雨とか?」
亜美さんが言っている事がよくわからないな。
「うん、僕は時雨だよ。」
イクスさんに抱き上げられてから自分がどうなったかわかった。
「か、身体が縮んでる!」
まるでコナ○である。
イクスさんは僕の顔にほお擦りしながら亜美さんに話し掛ける。
「かわいい〜。時雨さんが小さくなっちゃった!」
やばい状況には間違いない。てかこの人は何をやっているだ。
「あ、亜美さん!」
助けてください!
「やめてあげなよ。しーくんが可哀相よ。」
伝わった!うれしいなうれしいなぁ!
「私にも抱かせてよ。」
意味がねぇー。かなしいなかなしいな。
僕は二人の玩具にされ、色々な事を言われた。
「あの、亜美さん?」
「しーくん亜美お姉ちゃんと呼ばないと駄目よ。わかった?」
「じゃあ私はイクスおねえたんね?」
おねえたん?何だそりゃ?
「ほら早くいってしーくん!」
やけくそだぁ!
「わかりました!亜美お姉ちゃん!」
恥ずかしい!だが、まだ残っている!
「早くしーくん!私にも言ってね?」
「わかってます!イクスおねえたん!」
うん、こっちのほうが恥ずかしいな。
「時雨君も小さくなったら可愛いものだな。」
誰だ!誰だ!だれだぁ〜!廊下の近くに光る影〜赤いがーくらんの剣治だー。
「さて、二人はまだ掃除が終わってないだろう?君達は早く掃除をしないと怒られるよ。わかったかな?」
「ぐ、わかってるよ!」
二人は最後に僕を抱きしめて理科室に戻っていった。
「剣治、助かったよありがとう。」
ありがたいな剣治は普段の僕と変わらずに接してくれ・・・・・・
「ふ、剣治兄様と呼びなさい。」
なかったか。
「冗談だ。君は今ひまかね?ひまならついてきてほしい所があるんだが・・・・・・どうかな?」
返答に困っていると剣治はある条件を出してきた。
「元に戻りたくないなら別にいいんだよ?今から行く所はもしかしたら君の悩みを解決してくれるかもしれないな。」
「わかった!行くよ!行かせてもらいます!」
満足そうな剣治を見上げるのは少々憂鬱だったのは誰にも言わないだろう。
そして僕が案内されたのは冥土喫茶である。
「実はここのメイド長はそういう訳分かんない事を意外に知っているんだ。僕も昔は頼ったもんだよ。・・・・さて、中にはいろうか?」
今日は普通に鍵があき、中にはメイドさんがやはり沢山いた。そして剣治を見てさっさと先闘体制に移行。殺伐とした店内に流れる不釣り合いなのんびりした音楽が戦いのBGMになるかもしれない。だが今日、剣治は戦うつもりはないようだ。
「今日僕は遊びにきたんじゃないんだよ。ごめんね?」
「嘘言わないで下さい!」
当然、剣治を信用するメイドさんはいない。中には更に警戒を強めるメイドさんもいる。
「やれやれ、そんなに遊びたいならこの時雨君ミニバージョンと遊んでくれ。はいプレゼント。」
体重の軽くなった僕を掴み近くのメイドさんに放り投げた。
「うわっ!」
「きゃぁあ!」
メイドさんに上手く抱きしめられたので怪我はなかった。
「剣治、投げないでよ!メイドさんに迷惑がかかっただろう?」
「さて、ね?どうかな?」
そういって剣治は僕を置き去りにして奥の部屋に入ってしまった!僕も慌てて追い掛けようとしたがそうは問屋がおろさなかった。
「受け止めてくれてありがとうございます。」
メイドさんから離れようとしたが、離れることができない。メイドさんを見ると僕をはなそうとしていなかった。
「僕、名前は?」
「天道時 時雨ですよ。たまにここにきてましたよ?忘れましたか?」
僕は今の状態を忘れていたのである。
何故かメイドさんは僕を抱きしめた。
「時雨様が小さくなったらかわいいな!ほらお姉さんて呼んでみてくれないかなぁ?」
只今僕はそれどころではありません!柔らかななにかで窒息死しそうですが・・・・。
そして辺りのメイドさんが騒ぎだす。ギャーギャー騒いでいるのだ。しかしそれはすぐにおさまった。何故なら・・・・。
「均等に触りましょう!まず時雨君をみんなの中心に設置して!」
ここでも玩具扱いである。
写真をとられたり抱きしめられたり色々されたり大変だった。そして最後のほうつまり新人メイドさん達の所になった。まず一人目のメイドさんは知り合いであった。
「時雨様、お久しぶりです。」
「零ちゃん!元気だった?」
うーん、大きいな。・・・・あれも変わらずでかいが身長も今の僕より大きいな。そして零ちゃんはやっと普通の質問をしてくれた。
「なんでそんな小さくなったのですか?」
僕はついでに全員に事情を説明、納得してもらった。(中には剣治がおもしろ半分で僕を小さくしたと思っている人が何人かいた。)
「大変ですねぇ?」
「うん、大変なんだよ。」
二人で話していると後ろからメイドさんが姿を現した。そこで零ちゃんとの話は終わりまたいろんな事をした。
最後のメイドさんが終わり、ちょうど剣治が出て来たので今日は帰る事にした。
「またきてくださいね?小さな時雨君。今度はぎゅっと抱きしめてあげるからね?」
いやいや、気持ちだけで結構です。今日知りました。人間を殺す事が得意なのはあれがでかい人ということを。
剣治の話によると少しの間はこのままでいないといけないそうだ。・・・・・・・疲れると思うのは僕だけかな?
剣治と別れ、走っていえに帰る途中誰かにぶつかった。
「すいません!大丈夫ですか?」
「あたたた。大丈夫よ?僕こそ怪我ないかな?」
あれっ?どこかで見た顔だな?しかし・・・・。
「あ、しな か。やっぱり大きくなったのか!」
しな はキョトンとして僕を眺めている。
「僕だよ、時雨だ。」
「・・・え。嘘!大きくなりすぎたかな?やっぱりマリ○のキノコでは駄目だったかな?」
しな に事情を説明。ふうんと頷き僕を抱き上げた。
「こんなに可愛くなっちゃってさぁ。・・・・誘拐しちゃおうかな?」
「おいおい、前科があるから罪は重いぞ?」
笑う しな は僕を家まで送ってくれた。
「じゃあ明日学校でね?」
「うん、また明日ね?」
しな は走って帰り僕だけが残されたが・・・・。
「・・・・ありえないな。転校生が二日連続でくるなんて・・・」
うーん、明日も大変な一日になりそうだな。
「ただいまぁ。」
「おかえりなさい時雨様。」
そして美奈さんは仰天。
「し、時雨様がミニになってる〜!」
執事さんも仰天。
「時雨様がチビなってる〜!」
僕たちの視線に気付き咳をする執事さん。
「・・・・コホン、事情は剣治様から聞いてます。」
そういって引っ込む執事さん。よほどはずかしかったのだろうなぁ。僕が考えていると美奈さんに抱えられた。
「うーん、めっちゃかわいいですね。食べたいぐらいですね!そうだ!今日は時雨様のフライにしましょうか!」
非常に残酷である。一瞬だけ想像しようとしたが僕の脳内細胞がモザイクをかけたので時雨のフライはよくわからなかった。
「冗談ですよ。冗談!」
貴女の顔は笑ってますが目が獲物を捕えた獣みたいになってますよ?
「・・・・やっぱり生ですかね?」
「はい?」
かぷっ。
耳たぶを美奈さんにあまがみされた。
「ちょっとなにやってんですか!」
だが、美奈さんは止まらない。抵抗しようと腕を動かそうとしたらその腕を掴まれた。
「小さいから力があまりないですね!」
そしておろしてくれた。
「うふふ、悪戯っ子なメイドを許して下さい、御主人様。」
「あはは。いいよ別に。」
今更玩具にされても別にいいや。だが、さっきの美奈さんは恐かったな。
「ねぇ、美奈さんシャドさんはどうしたの?」
「貴方の影は『黄金の林檎』を探しに旅に出ましたよ?なんでも時雨様にプレゼントするだとか・・・。」
今、守って欲しいなぁ。そんな時扉が開き蕾が帰って来た。
「ただいま!」
「あ、お帰りなさい蕾様。ご機嫌ですけど何かあったんですか?」
「えへへ〜。実は・・・・・・」
僕を見て固まったがすぐに解凍。
「兄様?」
「うん、そうだよ?どうしたの?」
「兄様がどうしたの?小さくなってしまって・・・。」
本日何回目になるだろう・・・・僕は事情を説明したのであった。
「大変だねぇ!じゃあ私が兄様の世話してあげるね?」
「大丈夫だって!自分の世話は自分でできるよ?」
今日の蕾は折れなかった。
「ううん!普段私に優しくしてあげてるから今日は私が手伝ってあげる!」
仕方ないなぁ。
「わかった!僕の世話は任せるよ。」
間違いそれは後で気付くものである。僕は明日になってそれに気が付いた。
やれやれ、時雨君が小さくなりましね。小さくなったらみんなからなめられますね!さて、これから小さくなった時雨君のいじられ生活が始まります。




