指定
遅くなってすみませんでした。
色々と言い訳はありますが、そのことは後ほどに…
本当にすみませんでした。
やってしまった
起きてすぐにそう思った。
治療室のベッドの上でレイストは頭をかかえていた。
なんで本気で守護士と戦っちゃたんだ?確か、僕、目立たない程度に試験を頑張ろうって決めてたはずだよね?
なのに、なんで本気でやっちったんだ。命に危険があった時以外はいくら強い人でも本気出さないのにな
……………………………………………… …もしかして、あの時のあれかっ!!?試験前にリザルト先輩と話した時の?
~試験前~
はい、いきなりで悪いけど、目上の先輩に殴りたいと思ったことはありますか?そして殴ったことはありますか?
僕は今、目の前にいるリザルト先輩を原型が分からないくらいに殴りたいです。ニコニコとリザルト先輩に笑いかけながら、愛剣の刃でリザルト先輩の首にそっと触れる
リザルト先輩が青ざめた顔で逃げ道を探しているけど、後ろは壁、前は僕で追い詰められているので逃げることはできない。
「リザルト先輩、僕は訓練としか聞いてないんですけどね?」
「えっと、そうだったけ?」
隠し持っていた短剣を出し、リザルト先輩の頭の右横に突き刺す。
「ふざけないでください」
「…ごめん。だって、レイストの実力を知りたくてさ。訓練だと実戦はないから試験かな~って思って」
「で、わざと試験がある日の前に参加登録したと」
「レイスト、笑顔がこわ~い」
「リザルト先輩」
「…すみませんでした」
これ以上、怒っても試験を受けることは変わりないしそろそろ止めるか
愛剣をひき鞘に納めてからから壁に突き刺した短剣をとってしまった
「レイスト」
ふわっと甘ったるい花の匂い?この甘ったるい感じは…サンザベラか
甘ったるい匂いの源はリザルト先輩が持っている瓶のようだな…クラッとめまいがした後、意識が朦朧としてきた。
「君は本気で戦う。なぜなら、君の前に強敵が現れるからだ。君は強敵と会って本気で戦いたくなるー」
その言葉を聞きながら、僕は目を閉じた。
~現在~
リザルト先輩に暗示をかけられたのに気づかないで試験やっちゃたのかよ…
ってか、なんでサンザベラの匂いで気づかなかったんだよっ!!
サンザベラは20年に一度しか咲かない希少で、ある特殊な液体に浸すと暗示効果のある匂いを出すという性質があることを知ってたじゃんっ!!
「ああ、僕の馬鹿ヤロー」
ベッドの上で頭をかかえたまま、レイストの顔が青ざめる
どうしよう?リザルト先輩にあれを見られたとしたら…
あれの正体を知ってたら、リザルト先輩もマリアと同じことになってしまう。
また信用できる人を失うのか?僕は…
ガタガタっと震え始めたレイストの周りに紫色の光の粒子が出てきてレイストを見守るかのように空中を舞う。
もう嫌なんだ、あの時みたいにあれを知られて悲劇が起きるなんて嫌だ
レイストの不安に反応してか、紫色の光の粒子の舞う速度が速くなる。
トントン
治療室のドアからノックの音がした。
「失礼」
ドアが開いたのと当時に紫色の光の粒子は消える。
入って来たのはギルバートだった。
「ああ、起きたのか。もう夕方だぞ。…レイスト、どうした?」
ギルバートに話しかけられてレイストのボーっとしていた頭が覚醒し、レイストは頭に触っていた手を頭から外した。「ギルバート様…。」
レイストの様子が変なのに気づいたギルバートはこれから話したいことを話してもいいか少し迷ったが話すことにした。「ちょっと話したいことがあるんだが、いいか?」
ギルバートの気まずそうな様子に気づいたが、気づいてないふりをして頷く。
「そうか…レイスト……聖霊騎士になったら故郷に戻るつもりなのか?」
「いいえ」
「…戻らないのか?家族のところに」
「戻れないんです。故郷に」
レイストは悲しそうに笑い、ボソッと呟く。
「あれの罪を償うまで帰えらないと決めたから」
その小さな言葉はギルバートに聞こえなかった。
「そうか、じゃあ、騎士になったらどこの騎士隊に入るつもりだ?」
「えっと…保安騎士隊です」
「どうしてだ?レイストは聖霊武装騎士レベルの強さじゃないか」
ギルバートの質問にレイストは困ったように笑い、窓の外を見る。
「……弱い人々を守る騎士になると言ってた人がいたんです。その人は強くてクナー地方でも指折りの中に入る有名な騎士候補生でした。…そして、僕に聖霊技と武術を教えてくれた師匠でもあります」
そこで一旦、言葉を止め深呼吸をするレイストの目は悲しそうで苦しそうで、大人しく見ているギルバートにも分かるくらいの闇が宿っていた。「僕は師匠の夢を叶えないといけないんです。」
「ここに来たのはその為に?」
「はい。」
「その師匠の夢を叶えることがレイストの夢なのか?」
「それは…違います。…僕には…それしか……」
ギルバートの質問に即答で答えていたレイストの声が弱々しくなっていた。
ギルバートはその師匠の夢がレイストを何かに縛りつけているように思えた。
そして、自身の中に安心感が芽生えたことに気づいた。
「……ふー」
大きなため息をついてギルバートは姿勢を正し、威圧感のある貴族の雰囲気を出した。
「レイスト・エレクト」
「は、はい?」
いきなりフルネームで呼ばれたせいかつい疑問形で返事してしまったレイストもなんとなく姿勢を正した。
「我、ギルバート・ツヴァイ・ファイルトはレイスト・エレクトを守護士に指定指定する。」
「………」
…今、ギルバート様、僕を守護士に指定するって言ったよな?
守護士って聖獣を身に宿す4大貴族当主を守り、騎士のトップに立つあの?
「……えええっー!!?僕が守護士っ!!?」
あまりの声の大きさにギルバートは顔をしかめる。
「声、大きい。ああ、そうだ。俺はレイスト、おまえを指定する」
「…えっと、今日、はじめて会ったんだけど。」
驚きのあまり、敬語ではなく私語になっていることにレイストは気づかなかった。
「そうだな。とりあえず、1週間ここにいる。俺はおまえを守護士にすることを決めている。おまえが俺といて、俺を主として認めるか決めろ」
いやいや、1週間は短いだろ!!
っていうか、初対面の人にそんな重要な地位を与えてどうするっ?
こんなんで国が成り立っているならやばいだろ!!成り立ってるのが奇跡だっ!!
混乱しすぎて自身でも何を言ってるのか分からなくなっているレイストにギルバートはにっこりと笑いー
「それじゃあ、いい返事を待ってるよ。多分、了承してくれると思うけど」
レイストが否定の言葉を言う前に無理やり押さえ込み文句を言えなくした。
今のレイストに残る道は1つしかなかった。
「…はい、分かりました。この1週間でどうするか決めます。」
ギルバートの提案をのむしかなかった。
レイスト(以後、レ):今回、聖霊騎士レイストの【指定】を遅く投稿してしまったことに対して
ギルバート(以後、ギ):俺達2人に何かも押しつけて脱走した作者に代わって深くお詫びします
「「本当に遅くなってすみませんでした」」
ギ:ところでなんで作者は遅く投稿したんだ?
レ:あー、スランプに入ってたそうですギ:スランプ?
レ:ええ、今回って重要なシーンがあったじゃないですか
ギ:あったな
レ:その重要なシーンの文章がしっくりとこなかったらしくて書き直しを何回もしたらしいですよ
ギ:へえ
レ:結局、しっくりこないまま投稿したみたいですけどね
ギ:…作者、ダメダメじゃん
レ:で、言い訳はもう1つあって試験勉強が忙しかったそうです
ギ:ああ、授業中、寝てたせいで分からくなったんだっけ
レ:でも、上位に入ったそうですよ
ギ:…その情報、捏造じゃないのか?
レ:いえ、本当のことです
ギ:ふ~ん?まあ、それはおいといて…
レ、ギ:本当に遅くれすみませんでした