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騎士訓練所にて

「ヤッホー!!レイちゃん」

バシッと休憩所に響き渡る。

「いたっ!…なんで叩くんですか!?リザルト先輩!」レイストは背中を叩いた張本人を睨む。背中を叩いた張本人であるリザルトは後輩の言葉を無視し、レイストが食べていた唐揚げを1つ食べる。

「おいしい!やっぱりリュインが作る唐揚げっておいしい」「あっ、僕の唐揚げ!…ってか、先輩、今、ダイエット中じゃなかったけ?」

レイストは唐揚げの恨みを果たすべく、先輩の弱点をつく。「うっ、なんでダイエット中なのを知ってる?」

「マルク先輩から聞きました。まさか、リザルト先輩がそんな女々しいことをしてると思わなかったんですけどね、覚えていて良かったです。これで、僕の食べ物に手をつけられない。」

嬉しいそうにリザルトに見せびらかすようにレイストは唐揚げを食べた。

ここ、首都ジェーノルの騎士訓練所として有名なワリアット訓練所に来た最初の時は、ランゴバルト王国の極東クナーから来た田舎者ということで他の訓練生にバカにされていたレイストたが、持ち前の戦闘能力でバカにした訓練生を倒したことによりバカにされなくなったが、そのケンカをリザルトとその友人に見られてからはレイストの食べ物を横から取られたりからかわれたりと遊ばれるようになってしまった。

「ううっ、マルクの奴、後でしめてやるー!」

少女ぽっい顔のリザルトが物騒な事を呟いてるのを聞きながら、レイストはサッサッとリザルトの友人であるリュインが作ってくれた昼食を食べて、グロい事を呟いてるリザルトの横で大人しく読書している青年、リュインにお弁当箱を渡す。

「ありがとうございました。美味しかったです。」

グロい事を呟いてるリザルトの横で大人しく読書している青年、リュインにお弁当箱を渡す。

「どういたしまして。」

クスクスと笑うリュインにレイストは毎日聞いている疑問を言う。

「リザルト先輩って男ですよね?」

「うん、そうだよ」「男にしては細すぎる。それにダイエットとか女子ぽっいことしてるし…」「レイスト君、前から言ってるけどさ、ここは女立ち入り禁止区域だよ。リザルトが女だったら入れない」

「分かってます。でも、…ホラ」

「…ああ、あの容姿で女装したら完全に女だよね。」

レイストとリュインは意味ありげにブツブツと呟いているリザルトを見る。

リザルト本人は知らないが、ワリアット訓練所で〔姫〕という男には不名誉な称号がついている。

「あっ、忘れてた。レイストは何技種、習得してる?」

先程までグロい事を呟いていたリザルトに聞かれ、レイストは一瞬言葉を理解できなかった。

「何技種って…自然を司る聖霊の力を借りた技、聖霊技の種類のことですよね」「そう、水、火、風、木、土、光、闇と7種類あるけど、通常の騎士は一度に連続で聖霊技を放つことできないし、2技種しか習得できないんだ。でも、レイストは2技種以上できるんじゃないか?騎士の祖であるセラブレインの出身キャノル生まれの人間だしな」

リザルトの言葉にレイストはビクッと震えた。

キャノル特有の紫色の目に深い闇が宿りやんちゃそうな顔には怯えという表情が現れたレイストの異常な状態に気づいたリュインがフォローを入れる。

「あのさ、キャノル生まれだからってセラブレインみたいに誰もが強いってわけないよ」

フォローを入れてくれたリュインに平気ですと呟いて、顔をふせて荷物を持って立ち上がる。

「…土と風の2技種です。ちょっと用事を思い出したので失礼します。」

礼儀正しくお辞儀をして休憩所を出て行ったレイストを追いかけずにリュインはリザルトに呆れ視線を送る。

「何を考えてる?リザルト」

「うーん、多分ね、彼は2技種以上使えると思うんだ。その確認をとりたくてさ。」

「確認?」

レイストが行った方向を鋭い目つきで見ていたリザルトは首を振って、軽快な笑みを浮かべる。

「ちょっとね…。実はレイストを明日の聖霊武装騎士候補生試験に入れちゃた♪」「……はい?」

今、この人、ここに来て4ヶ月の新人であるレイスト君をトップ級の聖霊武装騎士候補生試験に入れたって言ったよな。

「聖霊武装騎士候補生クラスなら、本気を出してくれると思うんだよね。アハハ」

「確か、あれって3技種以上、習得してないと危険だよな」「うん」

「おまえは鬼か!」「大丈夫大丈夫。彼なら平気だって♪」きれたリュインにニコニコと流し笑いながらリザルトはなだめる。

「だってこの私が認めた人が弱いってこと、なかっただろうリュインも知ってるじゃん。」

リュインはため息をつき、頭が痛いので失礼と言って休憩所を出た。やけに疲れた様子のリュインをてをふりながら見送った後、リザルトの笑みがふっと消えた「さて、君は私の待ちつづけた者なのか教えてもらうよ。」リザルトの言葉は風に消され、他の訓練生には聞こえなかった。

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