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第一話 配信、開始

どこから広がったんだっけ、オカルトサイト?井戸端会議?いや、誰かの独り語だったかも。あ、自殺サイトかな。

神格化された話だったんだよね、来てほしいなんてさ。

だってさ、誰かのために自分が死ぬなんて馬鹿らしいもんね。


だから「死んじゃえ」ってさ。

「沙綾、大丈夫?」

「うん、大丈夫だよ」

友人は眉を下げながら弱ったように にへ っと笑った。

快晴の空の下、セミが耳鳴りみたいに鳴っている午後。

私はジャージ姿の友人、沙綾と一緒に下校をしていた。

「それにしてもドジっ子だよね、ホースの水被っちゃうなんてさ」

「ホントだよ。ありがとうね、華凛ジャージ貸してくれて。」

そういって沙綾は「佐藤」と刺繍の施された胸元をつまんでみせた。

「かまわんよ、アイス買ってくれるなら」

「えっ!?ちょっ、聞いてないよ!」

「えー?聞いてなかったの?」

「聞いてない!言った?それ」

「言ったよー、脳内に直接、ね。」

そういって、私は沙綾を置いて駆けだす。

沙綾は「あ!」と声を漏らして、後ろを追いかけてくる。

沙綾が後ろにいる間、私は顔を歪める。

本当は知ってる、けど表に出したら次に水と嘲笑をかけられるのが自分だと思うと、どうしても何にもわかってないフリをしなければならなかった。

そうしてしばらく走った先、一軒家の前で緩やかに止まる

「はぁ、はぁ、」

「か、かりん……、なんで、全力ダッシュなの、こういう時はさ?小走りがお決まりでしょ」

「全力の方が、青春だと思って。」

はぁはぁと壁に手をついてじっとり滲んだ汗を手の甲で拭いながら、沙綾を見据える。

「じゃ、約束だからさ。」

と、一軒家の中に入る。

そこは今時珍しい駄菓子屋だ、店内には安っぽいお菓子の香りがしていて、自然と胸が高まる。

「華凛好きだよね、駄菓子屋。」

「なんか、ロマン?」

「ふふ、なにそれ。」

なんて笑いあって12畳の店内を雑談してめぐる、とは言っても買うものなんてある程度決まっている。お互いに「またそれ?」「好きだね」と呆れ口調で互いに言い合う、10円グミの造られた甘味の香りと、窓から入る日の明かり、廊下の奥にかける声がびりびり響く感じが、二人きりの世界を鮮やかに作っていた。

こんな絵にかいた平和が私のロマンだと胸が熱くなって、おばちゃんからロマンがたっぷり詰まったポリ袋を受け取って店を出る。

ポリ袋から棒付きのラクトアイスの包装を破って口に咥えたそのとき、携帯の通知が殆ど同時になった。

「誰かな、グループ?」

と、沙綾が携帯を取り出す。

「ん、誰だった?グループ?」



「__沙綾?どしたん?」

どさ、と脱力した沙綾の肩からスクールバックが滑り落ちる。

「え、なにしとん」

そう半笑いになりながら片膝を着いて沙綾のスクールバックを拾おうとしたとき、沙綾が走り出す。

突然の行動に驚き、「えっちょ、待て」と慌ててバックを拾いあげて沙綾の後を追った。

時にはもう遅かった。


沙綾が車道に飛び出した3秒後


___けたたましいブレーキ音が耳の奥に響いた。

第二話 通知アリ


事故直後、華凛は親友・沙綾の死を受け入れられず呆然としていた。

その時、沙綾のスマートフォンに見慣れない配信アプリの通知が届く。

沙綾は配信に興味のある人間ではなく、華凛は違和感を覚える。


その後、警察による事情聴取が始まる。

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